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剣鬼 闘技祭準備編
王妃の名前は
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ハヅキと向かい合い、最初はどうなるかと思ったがレナは彼女の顔と言葉を聞いて安心してしまう。性格は異なるが、アイラやマリアと話をしているときのような安心感が沸き上がり、彼女は信頼できる人間だと直感で悟る。
『アイリス……聞いてる?』
『はいはい、聞いてますよ~』
レナはアイリスと交信を行い、ハヅキ家の真相を彼女から聞き出すことにした。話し合ってみてハヅキは信用できる人間だと判断したレナは彼女が手紙の送り主ではないと確信したが、それならば誰がハヅキ家の紋様を利用してまで手紙を送り出したのか気にかかり、彼女に問い質す事にした。
『あの手紙の本当の送り主は誰?』
『送り主はハヅキ家の人間ですよ。あの手紙の作り方を知っているのはハヅキ家だけですからね……ですが、ちょっと説明が難しいですね』
『どういう事?』
『結論から言いましょう。あの手紙を書いたのはハヅキ家の人間ですが、その手紙を差し出すように指示したのはあの根暗王妃です』
『王妃……ヨツバ王国の?』
『いえ、この場合はバルトロス王国の王妃……イレアビトです。』
『イレアビト……?』
バルトロス王国の王妃の名前はレナも聞いた事はあるが、アイリスが告げた名前は聞き覚えがなく、彼の記憶が確かならば王妃は「サクラ」と呼ばれている。しかし、アイリスによると表向きに名乗っている王妃の名前は偽名であり、本名はイレアビトらしい。
『サクラという名前は表社会に出た時に自分で考えた偽名です。王妃の本名はイレアビト、彼女の父親であり、先代の旧帝国のトップが名付けた名前です』
『そういえば王妃が旧帝国を纏めているんだっけ』
『そうです。現在の旧帝国のトップはイレアビトですが、彼女は自分の父親からトップの座を奪い、旧帝国の支配者となって帝国の裏社会を牛耳っています。しかも表向きは王妃として王国の支配も行おうとしていますから恐ろしい女ですよ』
『そんなに凄いのか……』
アイリスによるとイレアビトは実の父親から旧帝国の支配権を奪い、更に敵対している王国の王妃にまで上り詰め、王国の支配を企んでいるという。実際に王妃は長い時を掛けて国王を自分の傀儡へと変化させ、後は自分の息子を国王として即位させれば王国は完全に彼女の物となり、旧帝国の悲願が果たされる。
『旧帝国の今までの目的は帝国を滅ぼした王国の壊滅でした。しかし、イレアビトの代になってから王国と戦うのhでなく、内部から支配する方針に変わりました』
『でも、その割には武装ゴブリンや腐敗竜の件で派手に暴れてたよね?』
『旧帝国の中にも派閥は存在します。イレアビトの方針に従えずに強硬策で王国を滅ぼそうとした幹部もいましたが、レナさんの活躍でその幹部達もほぼ全員が牢獄送りです。恐ろしいのは王妃はそれを見越して行動している事ですね。現在の旧帝国の勢力は虫の息ですが、半面に王妃は王国の実権を握ろうとしています』
『俺達の行為が利用されていたのか……くそっ』
旧帝国はこれまでのレナ達の活躍によって組織自体は壊滅状態に陥っているが、逆に王妃にとっては都合が良く、彼女に従えない勢力を偶然にもレナ達が始末した事になる。
『その気になればイレアビトは国王を暗殺して息子を即位させる事も出来なくもないです。しかし、彼女にとって目障りな存在がナオとマリアです。この二人がいる限りは仮に国王を殺したとしてもイレアビトの息子は王位を継承は難しいです。彼女に従わない王国貴族も未だに多いですからね』
『面倒だな……そのイレアビトを倒せば問題解決しないなの?』
『そんな単純な話じゃないですよ。イレアビトに仕える人間も多いですし、それに皮肉にも政治方面では優秀なんですよ。傀儡とかした国王を上手く操作して王国の治安も保っていますから』
『そうなのか……』
『レナさんは三国志は知ってますか?例えば有名な敵役の曹操だって自分の国の政治に関してはしっかりとしているでしょう?日本の織田信長だって悪名は有名ですけど、楽市楽座という経済政策も施していました。悪人だろうと優れた人間なら国の統治は出来るんですよ』
『なんか、そう聞くと倒しにくいな……』
『まあ、イレアビトが王国を支配しようとするのは自分の支配欲に従って行動しているだけ、旧帝国の悲願なんてどうでもいい事なんです。だから仮に彼女が王国を支配した場合、悪政を行う事もないでしょう。手段と方法を選ばない事を除けば統治者としては最高の人材なんです』
『なんか、偉く褒めるね?』
『まあ、個人的に性格は気にくわないですけど、それだけ優れているんですよ』
イレアビトの正体を聞いたレナは内心では溜息を吐きたい気分であり、今までに様々な敵を倒してきたが、今度の相手は一国を手中に収めようとしている相手、しかも簡単に倒せばいいだけの話ではなく、非常に厄介な敵としか言いようがない。
『アイリス……聞いてる?』
『はいはい、聞いてますよ~』
レナはアイリスと交信を行い、ハヅキ家の真相を彼女から聞き出すことにした。話し合ってみてハヅキは信用できる人間だと判断したレナは彼女が手紙の送り主ではないと確信したが、それならば誰がハヅキ家の紋様を利用してまで手紙を送り出したのか気にかかり、彼女に問い質す事にした。
『あの手紙の本当の送り主は誰?』
『送り主はハヅキ家の人間ですよ。あの手紙の作り方を知っているのはハヅキ家だけですからね……ですが、ちょっと説明が難しいですね』
『どういう事?』
『結論から言いましょう。あの手紙を書いたのはハヅキ家の人間ですが、その手紙を差し出すように指示したのはあの根暗王妃です』
『王妃……ヨツバ王国の?』
『いえ、この場合はバルトロス王国の王妃……イレアビトです。』
『イレアビト……?』
バルトロス王国の王妃の名前はレナも聞いた事はあるが、アイリスが告げた名前は聞き覚えがなく、彼の記憶が確かならば王妃は「サクラ」と呼ばれている。しかし、アイリスによると表向きに名乗っている王妃の名前は偽名であり、本名はイレアビトらしい。
『サクラという名前は表社会に出た時に自分で考えた偽名です。王妃の本名はイレアビト、彼女の父親であり、先代の旧帝国のトップが名付けた名前です』
『そういえば王妃が旧帝国を纏めているんだっけ』
『そうです。現在の旧帝国のトップはイレアビトですが、彼女は自分の父親からトップの座を奪い、旧帝国の支配者となって帝国の裏社会を牛耳っています。しかも表向きは王妃として王国の支配も行おうとしていますから恐ろしい女ですよ』
『そんなに凄いのか……』
アイリスによるとイレアビトは実の父親から旧帝国の支配権を奪い、更に敵対している王国の王妃にまで上り詰め、王国の支配を企んでいるという。実際に王妃は長い時を掛けて国王を自分の傀儡へと変化させ、後は自分の息子を国王として即位させれば王国は完全に彼女の物となり、旧帝国の悲願が果たされる。
『旧帝国の今までの目的は帝国を滅ぼした王国の壊滅でした。しかし、イレアビトの代になってから王国と戦うのhでなく、内部から支配する方針に変わりました』
『でも、その割には武装ゴブリンや腐敗竜の件で派手に暴れてたよね?』
『旧帝国の中にも派閥は存在します。イレアビトの方針に従えずに強硬策で王国を滅ぼそうとした幹部もいましたが、レナさんの活躍でその幹部達もほぼ全員が牢獄送りです。恐ろしいのは王妃はそれを見越して行動している事ですね。現在の旧帝国の勢力は虫の息ですが、半面に王妃は王国の実権を握ろうとしています』
『俺達の行為が利用されていたのか……くそっ』
旧帝国はこれまでのレナ達の活躍によって組織自体は壊滅状態に陥っているが、逆に王妃にとっては都合が良く、彼女に従えない勢力を偶然にもレナ達が始末した事になる。
『その気になればイレアビトは国王を暗殺して息子を即位させる事も出来なくもないです。しかし、彼女にとって目障りな存在がナオとマリアです。この二人がいる限りは仮に国王を殺したとしてもイレアビトの息子は王位を継承は難しいです。彼女に従わない王国貴族も未だに多いですからね』
『面倒だな……そのイレアビトを倒せば問題解決しないなの?』
『そんな単純な話じゃないですよ。イレアビトに仕える人間も多いですし、それに皮肉にも政治方面では優秀なんですよ。傀儡とかした国王を上手く操作して王国の治安も保っていますから』
『そうなのか……』
『レナさんは三国志は知ってますか?例えば有名な敵役の曹操だって自分の国の政治に関してはしっかりとしているでしょう?日本の織田信長だって悪名は有名ですけど、楽市楽座という経済政策も施していました。悪人だろうと優れた人間なら国の統治は出来るんですよ』
『なんか、そう聞くと倒しにくいな……』
『まあ、イレアビトが王国を支配しようとするのは自分の支配欲に従って行動しているだけ、旧帝国の悲願なんてどうでもいい事なんです。だから仮に彼女が王国を支配した場合、悪政を行う事もないでしょう。手段と方法を選ばない事を除けば統治者としては最高の人材なんです』
『なんか、偉く褒めるね?』
『まあ、個人的に性格は気にくわないですけど、それだけ優れているんですよ』
イレアビトの正体を聞いたレナは内心では溜息を吐きたい気分であり、今までに様々な敵を倒してきたが、今度の相手は一国を手中に収めようとしている相手、しかも簡単に倒せばいいだけの話ではなく、非常に厄介な敵としか言いようがない。
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