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入学試験編
第39話 入学試験
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――暗闇に覆われた森の中で一人の少年と二人の少女が歩いていた。先頭を歩く少年は右手に持っているランタンで道を照らし、左手には漆黒の杖を握りしめていた。
「よ、よし……このまま進めば外に出られるはずだ」
「本当かよ?さっきから同じところをぐるぐる回ってる気がするけど……」
「う~ん、私もそんな気がする」
「うるさいな!?文句を言うならお前等が先に歩けよ!!」
少年は漆黒のマントを羽織っており、髪の毛の色も瞳も黒色だった。年齢は15才ほどで体型は痩せており、中性的な顔立ちなので遠目だと女性にも見えなくはない。夜の森の中を歩くのが怖いのか涙目と鼻水を垂らしていた。
彼の名前は「ダイン」魔法学園に入学するために遠い街からやってきた少年であり、彼と行動を共にする二人の少女も魔法学園に入学するために他所の街からやってきた。三人は現在は「入学試験」を受けている真っ最中であり、この森を脱出することが合格の条件だった。
――時は今日の朝まで遡り、魔法学園に入学予定の生徒は王都から西へ数十キロほど離れた地にある「獣魔の森」と呼ばれる広大な樹海へ連れてこられた。この森は人間が管理する「ヒトノ王国」と獣人族が管理する「ケモノ王国」の領地の境目に存在し、名前の通りに獣型の魔獣が多数生息する危険地帯だった。
獣魔の森は一般人の立入は禁止されており、森の奥には魔物の中でも特に危険種として有名な「ミノタウロス」という魔人族まで生息していると噂されている。
魔人族とは魔物の中でも知能が高くて人型の姿をした魔物を差しており、ゴブリンやホブゴブリンはこれには含まれない。魔人族は人間の言葉を理解するほどの頭脳を誇り、魔人族の中には独自の文化を形成する種も存在する。殆どの魔人族の人間に対して敵意を抱いているため、もしもミノタウロスと遭遇すれば確実に殺されてしまう。
「ううっ……ずっと歩き続けて疲れたよ。ちょっと休もうよ~」
「腹も減ったしな……」
「お前等さっきからわがまま言うなよ!?もしも魔物に見つかったら終わりなんだぞ!!」
ダインの後ろに続く少女達は対照的な見た目をしており、片方は金髪碧眼の美少女だった。彼女の名前は「ハルナ」年齢はダインと同じく15才で魔法学園に入学するために試験を受けに来た。
もう片方の少女は背は小さく、一見すると小さな子供にしか見えないが彼女も二人と同い年で赤茶色の髪の毛に黄色の瞳の少女だった。実年齢よりも幼く見えるのは彼女が「ドワーフ」と呼ばれる種族だからであり、成人したドワーフの平均身長は130~140センチ程度である。名前は「ネココ」で彼女も魔法学園に入るために試験を受けていた。
――三人とも魔法学園に入るために王都へ訪れたが、入学試験を受ける前に薬を飲まされた。目が覚めたらいつの間にか森の中に運び込まれており、三人の他にも十数名の入学希望者が森の中に取り残されていた。
『これより試験を開始する!!安心したまえ、そんなに難しい試験ではない!!君達は夜明けまでにこの獣魔の森の外に出られれば試験は合格だ!!』
『獣魔の森!?あの有名な危険地帯じゃないか!?』
『じょ、冗談じゃない!!こんなところにいたら魔物に殺されるぞ!?』
『落ち着け!!既に試験は開始されている!!こんなところで言い争っている場合ではないぞ!!』
森に集められたのは全員が15才前後の子供達だけであり、試験官を勤めるのは魔法学園の教師だった。年齢は30代半ばほどで筋骨隆々とした大男で魔術師というよりも武芸者にしか見えない姿をしていた。
『この森には危険な魔物が多数生息している!!君達は魔物を退けながら森の外まで脱出するんだ!!但し、夜明けを迎えるまでに森の外へ脱出できなければ不合格とする!!』
『ちょ、ちょっと待ってください!!いきなりそんなことを言われても……』
『まだ説明は終わっていないぞ!!これから君達に緊急脱出用の道具を渡す!!もしも自力での脱出が不可能だと判断したらこれを使うんだ!!』
大男は自分の傍に置いていたランタンを指差し、全員が手に取るように命じた。言われるがままに子供達はランタンを手にすると、大男は生徒達に小袋を渡した。
『もしも試験の続行が不可能だと判断したら、この小袋をランタンの中に入れるんだ!!このランタンは特別製で絶対に火が消えることはない!!小袋を燃やせば我々がすぐに助けに向かうことを約束しよう!!但し、燃やした場合は試験は失敗とみなす!!』
『ま、まさか……魔法学園に入学できないんですか!?』
『ふっふっふっ!!それは試してみてのお楽しみだ!!』
『ふ、ふざけんなっ!!こっちはどれだけ苦労してここまで来たと思ってるんだ!?』
入学希望者の中には遠い街から訪れた人間も多く、いきなり魔物が巣食う森の中に連れ出されて納得できない人間もいた。だが、大男はそんな彼等に言い放つ。
『言っておくが俺も魔法学園の教師だ!!君達が試験に合格すれば担当教師になるかもしれない!!目上の者に対する言葉遣いは注意するんだぞ!!』
『うっ……!?』
『さて、質問があるのなら早くするんだ!!のんきに話していると魔物に見つかるかもしれないからな!!おっと、その前に自己紹介をしておこう!!俺の名前はキニクだ!!』
キニクと名乗る男性は歯を煌めかせながら挨拶を行い、そんな彼に子供達は何とも言えない表情を浮かべる。しかし、ここで一人の生徒が質問を行う。
『この森を抜けるための手掛かりを教えてくれ』
『ほう、なるほど!!中々良い質問だな!!』
質問を行ったのは黒髪碧眼の青年だった。一見すると女性と見間違える程に整った顔立ちをしており、子供達の中では一番背が高かった。彼の手には青色の杖が握りしめられていた。
『いいだろう!!この森は奥に進めば進む程に危険な魔獣(獣型の魔物の通称)が生息している!!しかし、逆に言えば危険度が低い魔物と遭遇すれば外に近いことを意味する!!』
『なるほど……つまり、遭遇する魔物の種類によって自分達が森の奥に近いかどうか分かるということか』
『その通りだ!!さあ、他に質問はないか!?』
『しょ、食料は分けて貰えないんですか!?』
『安心しろ!!この森には食用になる魔物も多数生息している!!君達の力で獲物を捕獲するんだ!!』
『そ、そんなの無茶苦茶だ!?』
『甘ったれるな!!もう試験は既に開始している!!泣き言を言っている暇があるのなら足を動かせ!!こんなところでもたもたしていると襲われるぞ!!』
キニクは話しながら指差すと、彼が示した方向から茶色の物体が迫っていた。子供達は最初は何か分からなかったが、正体はボアだった。
――フゴォオオオッ!!
森の奥から唐突に出現したボアを見て子供達は悲鳴をあげて逃げ出す。この際に子供達は散り散りとなって逃げ出してしまい、キニクも何時の間にか姿を消していた――
※今後は0時と12時投稿となります。
「よ、よし……このまま進めば外に出られるはずだ」
「本当かよ?さっきから同じところをぐるぐる回ってる気がするけど……」
「う~ん、私もそんな気がする」
「うるさいな!?文句を言うならお前等が先に歩けよ!!」
少年は漆黒のマントを羽織っており、髪の毛の色も瞳も黒色だった。年齢は15才ほどで体型は痩せており、中性的な顔立ちなので遠目だと女性にも見えなくはない。夜の森の中を歩くのが怖いのか涙目と鼻水を垂らしていた。
彼の名前は「ダイン」魔法学園に入学するために遠い街からやってきた少年であり、彼と行動を共にする二人の少女も魔法学園に入学するために他所の街からやってきた。三人は現在は「入学試験」を受けている真っ最中であり、この森を脱出することが合格の条件だった。
――時は今日の朝まで遡り、魔法学園に入学予定の生徒は王都から西へ数十キロほど離れた地にある「獣魔の森」と呼ばれる広大な樹海へ連れてこられた。この森は人間が管理する「ヒトノ王国」と獣人族が管理する「ケモノ王国」の領地の境目に存在し、名前の通りに獣型の魔獣が多数生息する危険地帯だった。
獣魔の森は一般人の立入は禁止されており、森の奥には魔物の中でも特に危険種として有名な「ミノタウロス」という魔人族まで生息していると噂されている。
魔人族とは魔物の中でも知能が高くて人型の姿をした魔物を差しており、ゴブリンやホブゴブリンはこれには含まれない。魔人族は人間の言葉を理解するほどの頭脳を誇り、魔人族の中には独自の文化を形成する種も存在する。殆どの魔人族の人間に対して敵意を抱いているため、もしもミノタウロスと遭遇すれば確実に殺されてしまう。
「ううっ……ずっと歩き続けて疲れたよ。ちょっと休もうよ~」
「腹も減ったしな……」
「お前等さっきからわがまま言うなよ!?もしも魔物に見つかったら終わりなんだぞ!!」
ダインの後ろに続く少女達は対照的な見た目をしており、片方は金髪碧眼の美少女だった。彼女の名前は「ハルナ」年齢はダインと同じく15才で魔法学園に入学するために試験を受けに来た。
もう片方の少女は背は小さく、一見すると小さな子供にしか見えないが彼女も二人と同い年で赤茶色の髪の毛に黄色の瞳の少女だった。実年齢よりも幼く見えるのは彼女が「ドワーフ」と呼ばれる種族だからであり、成人したドワーフの平均身長は130~140センチ程度である。名前は「ネココ」で彼女も魔法学園に入るために試験を受けていた。
――三人とも魔法学園に入るために王都へ訪れたが、入学試験を受ける前に薬を飲まされた。目が覚めたらいつの間にか森の中に運び込まれており、三人の他にも十数名の入学希望者が森の中に取り残されていた。
『これより試験を開始する!!安心したまえ、そんなに難しい試験ではない!!君達は夜明けまでにこの獣魔の森の外に出られれば試験は合格だ!!』
『獣魔の森!?あの有名な危険地帯じゃないか!?』
『じょ、冗談じゃない!!こんなところにいたら魔物に殺されるぞ!?』
『落ち着け!!既に試験は開始されている!!こんなところで言い争っている場合ではないぞ!!』
森に集められたのは全員が15才前後の子供達だけであり、試験官を勤めるのは魔法学園の教師だった。年齢は30代半ばほどで筋骨隆々とした大男で魔術師というよりも武芸者にしか見えない姿をしていた。
『この森には危険な魔物が多数生息している!!君達は魔物を退けながら森の外まで脱出するんだ!!但し、夜明けを迎えるまでに森の外へ脱出できなければ不合格とする!!』
『ちょ、ちょっと待ってください!!いきなりそんなことを言われても……』
『まだ説明は終わっていないぞ!!これから君達に緊急脱出用の道具を渡す!!もしも自力での脱出が不可能だと判断したらこれを使うんだ!!』
大男は自分の傍に置いていたランタンを指差し、全員が手に取るように命じた。言われるがままに子供達はランタンを手にすると、大男は生徒達に小袋を渡した。
『もしも試験の続行が不可能だと判断したら、この小袋をランタンの中に入れるんだ!!このランタンは特別製で絶対に火が消えることはない!!小袋を燃やせば我々がすぐに助けに向かうことを約束しよう!!但し、燃やした場合は試験は失敗とみなす!!』
『ま、まさか……魔法学園に入学できないんですか!?』
『ふっふっふっ!!それは試してみてのお楽しみだ!!』
『ふ、ふざけんなっ!!こっちはどれだけ苦労してここまで来たと思ってるんだ!?』
入学希望者の中には遠い街から訪れた人間も多く、いきなり魔物が巣食う森の中に連れ出されて納得できない人間もいた。だが、大男はそんな彼等に言い放つ。
『言っておくが俺も魔法学園の教師だ!!君達が試験に合格すれば担当教師になるかもしれない!!目上の者に対する言葉遣いは注意するんだぞ!!』
『うっ……!?』
『さて、質問があるのなら早くするんだ!!のんきに話していると魔物に見つかるかもしれないからな!!おっと、その前に自己紹介をしておこう!!俺の名前はキニクだ!!』
キニクと名乗る男性は歯を煌めかせながら挨拶を行い、そんな彼に子供達は何とも言えない表情を浮かべる。しかし、ここで一人の生徒が質問を行う。
『この森を抜けるための手掛かりを教えてくれ』
『ほう、なるほど!!中々良い質問だな!!』
質問を行ったのは黒髪碧眼の青年だった。一見すると女性と見間違える程に整った顔立ちをしており、子供達の中では一番背が高かった。彼の手には青色の杖が握りしめられていた。
『いいだろう!!この森は奥に進めば進む程に危険な魔獣(獣型の魔物の通称)が生息している!!しかし、逆に言えば危険度が低い魔物と遭遇すれば外に近いことを意味する!!』
『なるほど……つまり、遭遇する魔物の種類によって自分達が森の奥に近いかどうか分かるということか』
『その通りだ!!さあ、他に質問はないか!?』
『しょ、食料は分けて貰えないんですか!?』
『安心しろ!!この森には食用になる魔物も多数生息している!!君達の力で獲物を捕獲するんだ!!』
『そ、そんなの無茶苦茶だ!?』
『甘ったれるな!!もう試験は既に開始している!!泣き言を言っている暇があるのなら足を動かせ!!こんなところでもたもたしていると襲われるぞ!!』
キニクは話しながら指差すと、彼が示した方向から茶色の物体が迫っていた。子供達は最初は何か分からなかったが、正体はボアだった。
――フゴォオオオッ!!
森の奥から唐突に出現したボアを見て子供達は悲鳴をあげて逃げ出す。この際に子供達は散り散りとなって逃げ出してしまい、キニクも何時の間にか姿を消していた――
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