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解決編

50.

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(side 黒崎悠真)

蓮と晴人君のやりとりは、良く覚えてない。

あまりにも悲痛で、直視できなかったから。

啓太君は顔を覆って肩を震わせてたし、相川ちゃんと木村さんは地面にへたり込んで泣いてた。

段々晴人君の声が悲鳴に近くなって、蓮の意識が無くなって。

警察の人が呼んだ救急車が到着した時は、晴人君を蓮から離すのに苦労した。

泣きじゃくって縋るその姿に、警察や救急隊員まで涙ぐんで。


後で聞いた話だけど、その中の1人がこう言ってたそうだ。

『職業柄様々な場面に遭遇してると、本当に稀にいるんです。親子や夫婦を超えた、まるで運命共同体のような強い絆で結ばれた2人が。』と。


啓太君と一緒になんとか引き剥がすと、晴人君が地面に崩れ落ちる。

その服は、蓮の血で紅く染まっていた。

「晴人、しっかりしろ!切藤が頑張ってるのに、お前が応援してやらなくてどうするんだ!」

涙を流しながらも力強い親友の一喝に、晴人君がハッと顔を上げる。

そして、救急隊員に同乗するか聞かれると、震えながらもハッキリ答えた。

「俺がいきます!」

張り詰めたその表情に不安が募って、思わず声を上げる。

「啓太くん、一緒に行って!」

本当は俺だって行きたい。

だけど、今蓮に必要なのは晴人君で、その晴人君には支えが必要だ。

頷いて後を追う背中を見つめながら、痛いほど拳を握りしめる。

救急車のドアが閉まる寸前、大声で叫んだ。

「蓮!絶対帰って来い!!」

サイレンを鳴らして去って行く車体が見えなくなると、力が抜けてしゃがみ込んだ。


俺にとって、生まれて初めて「上には上がいる」と思った相手が蓮だった。

圧倒的な能力と、オーラと、完璧な見た目。

口は悪いしぶっきらぼうだけど、それすらも格好よくて。

くだらない話にノッてくれるのが嬉しかった。

恋に不器用な姿に呆れつつ、それを見守るのが楽しかった。


そんな蓮と、もう話せなかったら…?

泣くな、馬鹿!

今まさに生死の瀬戸際で闘ってるであろう親友を思って、必死に嗚咽をこらえる。

そんな俺の肩を、年配の警察官が優しく抱いてくれた。



現場での事情聴取の後、俺達3人はパトカーで警視庁に送り届けられた。

明らかに重要な会議が行われるみたいな部屋では、50代くらいの精悍な男性が待ち構えていて。

「私が霊泉家案件に関しての責任者だ。君達には、今日の事を包み隠さず話して欲しいと思っているよ。」

そう言われても、俺は深い事情までは知らない。

チラリと横目で相川ちゃんを見ると、彼女は瞬時に甘えたような表情を作った。

「えぇっとぉ、陽菜達、あんまり知らないんですぅ。お友達の晴ちゃんがストーカーに監禁されてるって知って、皆んなで助けに行っただけで。」

か弱くて、ちょっとおバカで、可愛い女の子。

自分の容姿を最大限利用した、彼女の必殺技だ。

アパートまで警察官を大勢連れて来れたのもこれのお陰で、相手が男なら大抵は上手くいく。

ここで繰り出したのは多分、彼女の警戒心の現れ。

うん、危機管理能力バッチリだね。

俺もその考えに賛成だ。

どうやら警察のお偉いさんみたいだけど、信頼に足る相手なのかなんて分かんないし。

霊泉家が蓮の敵なら尚更、癒着とかありそうだし。

そんな考えを気取られないように、注意深く観察する。

生きる為に子供の頃から大人の顔色を読みまくって来た俺にとっての得意分野だ。

…と、思ってたんだけど。

「当然だけど、警戒しているね。君もそんなに観察しなくて大丈夫、私は味方だよ。」

相川ちゃん、俺、の順に目を合わせて苦笑される。

やば、全部バレてる。

「先に名乗るべきだったね。私は駿河誠司、階級は警視監だ。」

え!それってトップのすぐ下じゃん。

確かに貫禄はあるけど、物腰の柔らかさからそこまで大物だったとは思ってなかった。

「それから切藤拓也の友人で、蓮の師匠でもあるんだ。」

その言葉に、いつかの記憶が甦る。

あれは高校の頃、蓮が空手黒帯なだけじゃなくて、他の格闘技もできるって知って。

『そんなん、どこで習ったの?』

そう尋ねた俺に対して、蓮はこう答えた。

『ガキの頃、親父の知り合いに叩き込まれた。』

しかも、その人が警察関係者だとも言ってた。


「…じゃあ貴方が、蓮を戦闘民族みたいにした人?」

思わず溢れた言葉に、彼は快活に笑った。

「あまりにも素質があるから、楽しくなって次々と教えてしまってね。翔には怒られたよ『俺の弟をサイヤ人にするな』と。」

俺達はひとまずこの人を信用する事にした。

深く沈むソファに腰かけて向き合う。

「蓮の容態は、どうなんですか?」

現場での事情聴取中、どんなに訪ねても明確な答えは返って来なかった。

だけど、この人なら知ってる筈だ。

俺達の真剣な表情を見て、駿河さんは痛ましげな表情をする。

「…あの現場を見てる君達に誤魔化しは通用しないだろうな。現状を包み隠さず話すと、出血が多くかなり危険な状態だそうだ。」





(side 中野啓太)

シンと静まり返った待合室には、俺と晴人の2人きり。

切藤がオペ室に運ばれて行ってから、既に2時間が経過している。

処置が行われる救急車の中では押し黙っていた晴人。

だけど、切藤の身体が離れていくとパニックを起こした。

『嫌だ!蓮を連れてかないでッ!!』

ストレッチャーに縋りつこうとするのを、羽交締めで抑える。

叫ぶ晴人の心情を思うと辛くて、涙を懸命に堪えた。


「晴、落ち着きなさい。」

凛とした声が響いて見やると、そこにはスクラブを着た小柄な女性の姿。

って言うか、この人…

「…母さん……?」

母親の登場に呆然とする晴人。

更にその後ろには、翔さんの姿があった。

「晴、大丈夫だからな。俺達が蓮を死なせる訳ないだろ?」

「翔君の言う通りよ。晴は、蓮君が頑張れるように祈ってあげて。」


後で聞いた話だと、翔さんと晴人のお母さんは実は同じ病院に勤務してるらしい。

病棟が違うとかで、院内では1回しか遭遇した事が無いらしいけれど。

弟の状態を聞いて直ぐに駆けつけた翔さんは、脳神経外科のドクター。

一方晴人の母親の美香さんは、救命救急のエキスパート看護師。

彼女は旅行で京都にいたが、東京に戻った筈の息子の行方が知れないと知ってすぐに帰って来たらしい。

南野が京都に留まるように説得してた筈だけど、どうやら我慢できなかったようだ。

そして、家に帰る途中で切藤の事を知り、その足で病院に駆け付けた。

息子と、その幼馴染を助ける為に。

因みに美香さんに連絡したのは切藤の父親だったそうだ。

ヒーローみたいに登場した2人に、安心感が広がっていく。

それは、晴人も同じだったらしい。

兄と慕う存在と、実の母親を前に、力が抜けたかのように座り込む。

「中野君、こっちは頼んだぞ。」

すれ違い様に声をかけられて頷くと、翔さんは少し笑った。

「後でもう1人、助っ人が来るから。」

そして真剣な表情に戻ると、美香さんと連れ立ったオペ室の方へ消えて行った。

「晴人、こっちで待とう。」

腕を持ち上げて待合室のイスに座らせると、自分もその横に腰を下ろす。

焦れるように時間が経過して、それでも何の知らせも無くて。

2時間が経過する頃には、再び不安感が押し寄せてきた。

もしかして、思ってるよりも悪い状態なのか…?

そんな思いを、気合いで振り払う。

「晴人、お茶飲むか?」

時折晴人に水分を勧めるけど、祈るように俯いたままピクリとも動かない。

このままじゃ晴人の方が先に参ってしまう。

何とかしないと…でも、どうやって?

自分の無力さに唇を噛み締めた、その時だった。

「晴!」

息を切らした、聞き覚えのある声。

のろのろと顔を上げた晴人の表情が、やがて驚きに変わる。

「…はる…か…?」

長い黒髪をフワリと靡かせた南野が、晴人に突進した。

抱き締められた晴人は、呆然としていて。

良く考えれば晴人は、今も切藤と南野の関係を誤解してる筈だ。

ここで恋敵の登場は、どうなんだ?


だけど、そんな心配は無用だった。

「はるか…はるかぁ…!どうしよう、蓮が…血がいっぱい出て…蓮が死んじゃったら、どうしよう…!」

ギュッとその背を抱き締め返した晴人が、子供みたいにわんわん泣いて。

「泣かないの、晴。大丈夫よ。」

張り詰めていた緊張の糸が切れたようなそれを、南野は平然と受け入れる。

まるで本当の姉と弟みたいに。

「俺の…せいで、蓮が…!俺を庇ったから…!」

「晴、こっち見て。」

しゃくりあげる晴人を少し離した南野が、その顔を自分に向けさせる。

その行動に既視感を感じて、気が付いた。

切藤が晴人を落ち着かせる時にするのと同じだ…。


『はる、こっちみて』

そう言う小さな手が、さらに小さな手を取る姿が重なって見えた。

きっとそうやって、泣き虫な幼馴染をあやしてきたんだろう。

2人で、大切にーー。

ずっと隣で過ごしてきたその歴史を感じて、胸が熱くなる。

もしも本当に恋敵だったとしても…その前に2人は家族で、それはどんな時でも変わらないんだな。

その絆が尊くて、少しだけ羨ましい。

「晴のせいじゃない。悪いのは、蓮を轢いた奴だけ。」

「でも…」

「晴が蓮の立場だったらどう?蓮が轢かれそうになってるのを見たら、絶対助けようとするでしょ?
その時、蓮が責任感じて泣いてたらどう?」

「嫌だ…けど…」

ベショベショに泣く晴人の頬をンカチで拭って、南野が明るい声を出す。

「でしょ?逆の立場だったらどうして欲しい?」

「…元気で…待ってて欲しい…」

「そうね。じゃあ、晴も元気でいないと。ほら、ちゃんと水分とって。」

コクンと頷く晴人の姿に、南野への称賛を禁じ得ない。

彼女は、そんな俺に急に水を向けた。

「晴の気の利く親友が、用意してくれてるみたいよ?」

振り返った晴人が、俺と手の中のペットボトルを見て眉を下げる。

「啓太…ありがとう…。啓太がいてくれなかったら、俺…」

「当たり前だろ、相棒。」

少しでも力になれてた事に安堵して、その肩を軽く叩く。


そこからは、3人でひたすら待った。

「遅くなってごめん。拓也さんから『晴ちゃんを支えて欲しい』って連絡もらったんだけど、笹森さんが迎えに行くまでは絶対家を出ちゃダメって言われて。」

晴人が水分補給してる隙に囁かれた内容は、霊泉家の残党を警戒するものだった。

各方面で動いている笹森さんが迎えに来るのに、少々時間がかかってしまったらしい。

南野は時折晴人をリラックスさせるように話しかけてるけど、その視線はチラチラとオペ室に向かっていて。

絶対に不安を悟られないようにする強い『姉』の表情が歪んだのは、何日も経ったかのような感覚に陥り始めた時だった。

「翔君!!」

扉が開いて出てきた翔さんに、一斉に駆け寄る。

「…手術自体は成功した。まだ会えないけど、止血して今は骨折の処置中。」

マスクとゴーグルを外しながらそう言う姿に、一瞬理解が追いつかない。

つまり、一命は取り留めたって事か…?

「正直油断はできないけど…奇跡的に脳に大きな損傷は無かった。本当に奇跡だよ。」

そう言うと、晴人を手招く。

「これ、晴が持っててやって。」

そう言って渡したのは、晴人がいつも首から下げていた御守り。

竹田先輩とのゴタゴタの後で、いつの間にか切藤が回収してたらしい。

血がついててもおかしくなさそうなのに、飾り紐は切れてるけど御守り自体は綺麗なままだ。

そう言えば、何年も晴人が身に付けてるのにずっと新品みたいだよな…。

それと、もう一つ。

キラリと光を反射するそれは、桜の片割れ。

「良かっ…た…蓮…、…蓮…」

切藤の想いの証である『HARU』を胸に抱き締めて泣く晴人を、全員が優しく見守る。

「…ただ、少し懸念があるんだ。」

硬くなった翔さんの声に、視線を向ける。

そう言えば、さっき曖昧な言い方をしてた。

『手術成功した』って…。

「脳の損傷は少なかったけど、全くゼロでもなかった。あれだけ強く打ったから当然なんだけど…もしかしたら…目覚めるのに時間がかかるかもしれない。」

時間がかかる?

それって、どの位の期間の事を言ってるんだろう。

「…数日…とかでは…ないのよね?」

翔さんの表情を読みつつ尋ねる南野に、彼は一つ大きく息を吐くと、意を決したように言った。

「分からないんだ。数日後かもしれないし、数ヶ月後、数年後…下手したら、数十年後かもしれない。」







(side 黒崎悠真)


「たった今連絡が入った。蓮が命の危険を脱したそうだよ。」

誰かに呼ばれて席を外していた駿河さんは、戻って来るなりそう告げた。

安堵のあまりヘナヘナと椅子に沈み込む俺達に、詳しく説明してくれる。


蓮は切藤総合病院ではなく、近くの大学病院に搬送されたらしい。

打ち付けた頭部からの出血が激しく、検査の後すぐにオペが開始されたそうだ。

「搬送先は、偶然だが翔が勤務する病院だった。
霊泉家対策で休暇を取っていたけど、慌てて駆け付けたそうだ。」

オペは脳神経外科医である翔さん立ち会いのもと、万全の体制で行われた。

しかも、ベテラン看護師である晴人君のお母さんも登場したそうだ。

そんなアベンジャーズみたいな事ある?

つくづく思うんだけど、蓮と晴人君の周りって凄い人が多いよね。

話を戻すと、奇跡的に脳の損傷は軽度だったらしい。

「恐らく、咄嗟に急所を守ったんだろう。でなければ…即死だったそうだ。」

息を呑む音が3人分聞こえて、駿河さんは少し表情を和らげる。

「一瞬の出来事だっただろうに、本当に良くやったよ。蓮の左手の損傷は、頭を庇った時のものだ。」

不自然な方向に曲がり、肉が抉れたような傷があったその腕を思い出す。

あの酷い怪我が、蓮の命を守ったんだ…。

そう反芻して、クラリとしそうになるのを懸命に堪えて先を促した。


結局、頭は20針縫ったらしい。

縫合にも種類があって、針数が多いからと言って大怪我とは限らないって聞いた事はある。

でも蓮の場合、相当大規模な手術だったのは明らかだ。

それと同時に左手の骨折の手当てと、傷の縫合までしたらしい。

それから、外傷性気胸も見られたって話で。

そこまで詳しい訳じゃないけど、折れた骨が肺に刺さって穴が空くってやつだ。

息苦しそうだったのは、その所為だったのか。

「今は呼吸器を付けている。容体が安定したらドレーン手術が行われる予定だ。」

その他にも裂傷や打撲は相当な数あったらしい。

それでも、蓮は持ち堪えた。

ちゃんと、生きてるーー。


「…ただし、意識が戻るのがいつになるかは分からないそうだ。」

付け加えられた一言に、背筋が凍る。

致命傷を避けたとは言え、頭を打った事に変わりはない。

その影響がどんな風に出るかは未知数。

それって、このまま意識が戻らない可能性もあるって事だよね…?


「…晴ちゃんは、大丈夫ですか?」

隣からの声にハッとして、俯いた顔を上げた。

相手ちゃんは真っ青になりながらも、その瞳は強い。

そうだ、俺よりもっとショックを受けてる筈の恋人がいる。

俺達が晴人君を支えないと…!

その一心で、どうにか心を強く保つ。

「晴人君は…蓮がオペ室に運ばれて行くのを見た時は軽いパニック状態だったそうだ。
だけど、今は落ち着いてるらしい。
勿論、かなり憔悴はしているが…。」

晴人君の心情を思うと、辛くて仕方ない。

相川ちゃんと木村さんの目からボタボタ大粒の涙が溢れる。

「俺達、病院に行く訳にはいきませんか?」

何もできないのは分かってる。

だけどせめて、近くにはいてあげたい。

「申し訳ないが、先に蓮が轢かれた状況の聴取が先だ。竹田の件も含めて、犯人を殺人未遂で逮捕するには君達の証言が重要になる。」

静かで断固とした言い方の奥に、犯人に対する深い怒りを感じる。

この人も、心から蓮の身を案じてる。

それでも自分のやるべき事をやろうとしてるんだ。

俺達が今、蓮の為にできる事はなんだ?

祈るのは、蓮にとっては百人力の晴人君がいる。

それならーー。

「分かりました。協力します。」

強く頷くと、駿河さんは目元を緩めた。

「ありがとう。それが終わったら直ぐに病院まで送り届けよう。それに…」

ほんの少し安堵を滲ませた声音で、こう続ける。

「未来の義理の息子の為に、拓也アイツは強力なサポーターを送ってる筈だよ。」

それが誰の事なのか思い至る前に、単純な疑問が浮かんだ。

「蓮のお父さんは、蓮のオペには関わらなかったんですか?」

「……あぁ、そうだね。拓也には手が離せない用事があって。」

まぁそうか、何科が専門なのか分からないし、ましてや他の病院でオペとかできないよね。

でも、息子の危機より大事な用事って何だかなぁ。


そんな風に内心でモヤモヤしてた俺は知らなかった。


この時蓮のお父さんもまた、命の危機に晒されてたなんて。








●●●

医療の知識不足なので、その辺りは薄目で見てください…!笑





































妻と入れ替わりで弟が意識不明とか、翔もかなり不憫。





















































































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