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中学生編 side晴人
11.抱擁と動揺
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お疲れ会を終えて家に帰るとリビングに蓮がいた。
父さんと母さんと談笑してる蓮の前にはマルコリーニ。
イケメン好きの母さんは蓮に甘くて、蓮が来ると自分の秘蔵のお菓子を惜しみなく提供する。
実の息子の俺がコッソリ食べた時は、俺のゲームのデータを消すって言う人間とは思えない制裁を下してきたくせに!
「「「おかえり。」」」
な、なんか3人で言われると照れるな。
だって蓮が家族の一員みたい…なんてね。
うそうそ、そんな事思ってないよ。うん。
「蓮、来てたんだー。あ、試合結果聞いた?」
母さんは仕事で観に来れなかったけど、父さんは来てたはずだ。
父さんから聞いてるかなと思って話しを振ったら、以外な答えが帰ってきた。
「晴、蓮君は観に来てくれたんだよ。」
「え?」
「会場でバッタリ会ったんだよね。」
ニコニコする父さんの視線の先の蓮はちょっと照れたように頷いた。
「あー、だって中学最後だろ。高校で続けるか分かんないって言ってたし。」
という事は。
俺の最後の勇姿になるかもと思って来てくれたって事か。
めちゃめちゃいい奴じゃん。
「蓮ー!!ありがとな!!」
さっきまでのお疲れ会で、泣いたり抱擁したりしまくってた俺は距離感がバグってた。
そのテンションのまま、椅子に座る蓮に抱きついちゃったんだもん。
なんなら肩にぐりぐり頭を押し付けてた。
「あらあら、昔みたいで可愛いショットね。」
「酔っ払いみたいな言動だなぁ。間違えて飲んだりしてないよね?」
母さんがスマホで連写する横で、父さんは俺の誤飲(酒)を心配してる。
「母さんやめて。それに酒は飲んで無い!
だって終わっちゃったんだもん。寂しいじゃん。」
蓮は分かってくれるよなと顔を覗き込もうとした時だった。
「帰る。」
急に立ち上がった蓮に俺はよろめいた。
「え、帰って来たばっかなのに⁉︎」
「お邪魔しました。」
俺の両親にキッチリ挨拶すると、蓮は本当に玄関ドアを出て行ってしまった。
俺は慌てて追いかける。
外は夏の蒸し暑い夜だ。
「ちょっ、待てよ!」
「それ本当に言う奴いるんだな。」
違う!別に某有名人を意識した訳じゃないから!
「本気で帰んの?もうちょっといいじゃん。」
俺は蓮の腕を掴んで見上げる。
本格的に身長差が開いてきてるよなぁ。
「ッ……‼︎あー、もう!お前、御守りは?」
何か葛藤してる?
てか急な話しの切り替えにキョトンなんですが。
「御守り?着けてるよ?」
そう言って制服のシャツの胸元をガバッと広げた。
「バッーー!!こんなとこで見せんな!!」
すぐさまシャツを閉じられた。
ボタン留めてくれるのはいいんだけど1番上まで締めるのはやめて。
「なんだよ、蓮が言い出したんだろ。」
「確認しただけで見せろとは言ってない!
…はぁ。マジ無理お前疲れる…。」
「何だよその言い方…。」
疲れるってのはちょっと傷付く。
もういいよと背を向けた俺の腕を蓮が掴んだ。
「怒んなよ。そう言う意味で言ったんじゃねーから。」
じゃあどう言う意味なんだよと思ったけど、蓮の顔がちょっと必死だったから飲み込んだ。
蓮の口の悪さは昔からだもんな。
しょうがない、ここは俺が大人になろう。
「蓮さ、そう言うの俺以外に言うなよ?」
「…あ?」
「あ?じゃねーのよ。俺は蓮の表情とか仕草で本気でそんなつもり無いんだって分かるけどさ、他の奴からは誤解されーーー。」
言葉は続かなかった。
蓮が俺の頬に手を添えてきたから。
「俺はお前にだけ伝わればそれでいい。」
真剣な眼差しでそう言われて顔が熱くなる。
心臓がドクドクと音を立てて煩い。
「な、なんだそれ!変なやつだなー!」
耐えられなくて俺はワザとおちゃらけた態度で蓮の手から離れた。
蓮の視線が俺に向いてるのを感じて居た堪れない。
「そ、そう言えば遥って…その…いつから留学するんだっけ?」
何とか話題を変えようと絞り出したのが遥の話しとか!!
しかも蓮に留学のこと聞くなんて無神経かよ俺!
「聞いてないのか?卒業式の次の日には日本を立つらしい。」
遥、俺には教えてくれなかったのか…じゃなくて、蓮には誰よりも先に伝えたって話しだろう。
遥の話題で失敗したかと思ったけど、蓮の態度が普通に戻ったから結果オーライだ。
「そうなんだ。蓮…。」
大丈夫?と問いかけそうになってやめた。
遥と付き合ってることを俺に隠してるんだから、知ってるような素振りは見せない方がいいよな。
「えと、見送り行くよな?」
急いで方向転換したけど見送りって…。
そんなん二人だけで過ごしたいに決まってるじゃん。
「行こうぜ。兄貴にも来るように言っとくわ。」
あれ?いいの?????
●●●
次回ちょっとだけイチャイチャします♡
父さんと母さんと談笑してる蓮の前にはマルコリーニ。
イケメン好きの母さんは蓮に甘くて、蓮が来ると自分の秘蔵のお菓子を惜しみなく提供する。
実の息子の俺がコッソリ食べた時は、俺のゲームのデータを消すって言う人間とは思えない制裁を下してきたくせに!
「「「おかえり。」」」
な、なんか3人で言われると照れるな。
だって蓮が家族の一員みたい…なんてね。
うそうそ、そんな事思ってないよ。うん。
「蓮、来てたんだー。あ、試合結果聞いた?」
母さんは仕事で観に来れなかったけど、父さんは来てたはずだ。
父さんから聞いてるかなと思って話しを振ったら、以外な答えが帰ってきた。
「晴、蓮君は観に来てくれたんだよ。」
「え?」
「会場でバッタリ会ったんだよね。」
ニコニコする父さんの視線の先の蓮はちょっと照れたように頷いた。
「あー、だって中学最後だろ。高校で続けるか分かんないって言ってたし。」
という事は。
俺の最後の勇姿になるかもと思って来てくれたって事か。
めちゃめちゃいい奴じゃん。
「蓮ー!!ありがとな!!」
さっきまでのお疲れ会で、泣いたり抱擁したりしまくってた俺は距離感がバグってた。
そのテンションのまま、椅子に座る蓮に抱きついちゃったんだもん。
なんなら肩にぐりぐり頭を押し付けてた。
「あらあら、昔みたいで可愛いショットね。」
「酔っ払いみたいな言動だなぁ。間違えて飲んだりしてないよね?」
母さんがスマホで連写する横で、父さんは俺の誤飲(酒)を心配してる。
「母さんやめて。それに酒は飲んで無い!
だって終わっちゃったんだもん。寂しいじゃん。」
蓮は分かってくれるよなと顔を覗き込もうとした時だった。
「帰る。」
急に立ち上がった蓮に俺はよろめいた。
「え、帰って来たばっかなのに⁉︎」
「お邪魔しました。」
俺の両親にキッチリ挨拶すると、蓮は本当に玄関ドアを出て行ってしまった。
俺は慌てて追いかける。
外は夏の蒸し暑い夜だ。
「ちょっ、待てよ!」
「それ本当に言う奴いるんだな。」
違う!別に某有名人を意識した訳じゃないから!
「本気で帰んの?もうちょっといいじゃん。」
俺は蓮の腕を掴んで見上げる。
本格的に身長差が開いてきてるよなぁ。
「ッ……‼︎あー、もう!お前、御守りは?」
何か葛藤してる?
てか急な話しの切り替えにキョトンなんですが。
「御守り?着けてるよ?」
そう言って制服のシャツの胸元をガバッと広げた。
「バッーー!!こんなとこで見せんな!!」
すぐさまシャツを閉じられた。
ボタン留めてくれるのはいいんだけど1番上まで締めるのはやめて。
「なんだよ、蓮が言い出したんだろ。」
「確認しただけで見せろとは言ってない!
…はぁ。マジ無理お前疲れる…。」
「何だよその言い方…。」
疲れるってのはちょっと傷付く。
もういいよと背を向けた俺の腕を蓮が掴んだ。
「怒んなよ。そう言う意味で言ったんじゃねーから。」
じゃあどう言う意味なんだよと思ったけど、蓮の顔がちょっと必死だったから飲み込んだ。
蓮の口の悪さは昔からだもんな。
しょうがない、ここは俺が大人になろう。
「蓮さ、そう言うの俺以外に言うなよ?」
「…あ?」
「あ?じゃねーのよ。俺は蓮の表情とか仕草で本気でそんなつもり無いんだって分かるけどさ、他の奴からは誤解されーーー。」
言葉は続かなかった。
蓮が俺の頬に手を添えてきたから。
「俺はお前にだけ伝わればそれでいい。」
真剣な眼差しでそう言われて顔が熱くなる。
心臓がドクドクと音を立てて煩い。
「な、なんだそれ!変なやつだなー!」
耐えられなくて俺はワザとおちゃらけた態度で蓮の手から離れた。
蓮の視線が俺に向いてるのを感じて居た堪れない。
「そ、そう言えば遥って…その…いつから留学するんだっけ?」
何とか話題を変えようと絞り出したのが遥の話しとか!!
しかも蓮に留学のこと聞くなんて無神経かよ俺!
「聞いてないのか?卒業式の次の日には日本を立つらしい。」
遥、俺には教えてくれなかったのか…じゃなくて、蓮には誰よりも先に伝えたって話しだろう。
遥の話題で失敗したかと思ったけど、蓮の態度が普通に戻ったから結果オーライだ。
「そうなんだ。蓮…。」
大丈夫?と問いかけそうになってやめた。
遥と付き合ってることを俺に隠してるんだから、知ってるような素振りは見せない方がいいよな。
「えと、見送り行くよな?」
急いで方向転換したけど見送りって…。
そんなん二人だけで過ごしたいに決まってるじゃん。
「行こうぜ。兄貴にも来るように言っとくわ。」
あれ?いいの?????
●●●
次回ちょっとだけイチャイチャします♡
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個人サイトでの連載開始は2016年7月です。
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