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第四章
45 〜どうにもならないから〜!!
しおりを挟む朝ちゅん
──────────────
智美は途中から記憶がなかった。
一度出したカイはそれで落ち着いたのか、催淫効果が未だ残る智美を、カイは指や舌でイカせまくったし、カイの欲望を吐き出させる手伝いも、幾度もなし崩しにする事になり、怒濤の様な情事に智美は翻弄された。
気がついた時は、次の日の朝になっていた様なのだが、日の光が入らない部屋は時間がよく分からなかった。
目が覚めたというべきなのか、眠りの意識の中から浮上し、薄っすらと目を開けるが、何かに拘束されていると寝惚けた頭でぼんやりと考え、全身に熱いぐらいの人肌を直に感じる事で、意識がやっとはっきりして身体が硬直した。
恐るおそる、自分を拘束している相手の顔を見ると、薄明かりの中、鼻筋の通った自分好みの麗しい顔の男が目を瞑って寝ていた。
ちょっとの間、智美がカイの寝顔に見惚れていたら、部屋の外からミエルに声を掛けられて驚いた。
ミエルの声にカイも目覚める。
後から聞いたが、部屋の結界が青龍様の意志で解かれた様だ。
声を掛けてきたのはミエルだったが、中に入ってきたのは、予想に反して侍女頭のミシェルだった。
彼女はぐったりしている私を確認すると、外から侍女達を呼び入れ、ほぼ無抵抗の智美に、衣服を纏わせてから連行するかの様に、別の部屋に連れて行く、カイが抵抗して何か言っていた様だが、ミシェルに叱責されて黙った所を、有無を言わさず連れ出されていた。
その後抵抗する間も無く、一人用の風呂に入れられ、数人にかしづかれながら身体を磨かれていた。
(ひーやめて~、こんな身体磨いても、どうにもならないから~!!)
ムチっとした二の腕を洗われ、ぽっこりしたお腹も揉まれる様に洗われる。
服を着た人達に身ぐるみ剥がされて、自分は何もつけてない状態は、より恥ずかしい。
おまけに、カイに付けられた色々な跡がありすぎて、いたたまれない。
何よりそこは女として、人としても見られたく無いと言う場所を、ミシェルに確認された。
何度も、入れられてないから!!と叫ぶ様に言ったのだが聞き入れてもらえず、医者に診察される様に確認されて智美は涙目だ。
ほぼ放心状態の智美を、侍女達が着飾らせるままにし、気付いた時には、何処かのパーティーに行くのかと言うほど、着飾らされていた。
その後、連れてこられた部屋は最初に皆と会った部屋で、入った部屋には既にあの時と同じ面子がそこにいた。
智美は最初の時と同じ様に、何故か拗ねた様にそっぽを向いている愛子の隣の席に着くと、ついてきていたミシェルが、アル皇子の側へ行き何か耳打ちをする。
其れを聞いたアル皇子は少し驚いた様子だったが、カイを睨んでいるミエルに目を向けて、少し安堵した様に話し出した。
『ミエル大丈夫だった様だから、そんなにカイを責めるな。』
その言葉に、最初に反応したのはジーサだった。
『ええ、マジに!』
そう言って、智美の側により手を取った。
カイが即座に反応して、声を上げようとした時、やはりジーサの声が上がる。
『うわ!!ホントだ!周りにべったりカイの魔力有るけど、中には無い!』
言われた事に、智美は顔を引きつらせた。
『ジーサ…配慮した意味がないでしょうが』
そう言って、ジーサの頭をタンザが叩く、いたたまれない智美は、無表情を貫いた。
『いったーっ、叩かなくてもいいじゃんか!
しかっし、良く我慢出来たね』
『…痛がったから』
ジーサの文句は最後の方は呟きに近かったのだが、いつまでも手を握っているジーサに焦れたのか、カイが智美の側来てジーサを押しやり、呟きに答えた。
カイの言葉に、流石に智美は涙目でカイを睨んだ。
確かに智美が余りにも痛がったので、入れられはしなかったが、それ以外のとても初心者相手にする様な事じゃない事もされ、智美は頭が沸騰しそうだった。
『…それで、此処に呼んだ件だが、ミエル』
睨む智美に、あくまで甘い雰囲気で接しているカイに、これ以上何か言っても仕方がないと思ったのか、アル皇子が声を発して場の雰囲気を変えた。
呼ばれたミエルが話し出しだす。
『今朝、禊中に青龍様より泉信がありまして、
`【清き乙女】を【アイの泉】へ連れて来る様に´
と』
『青龍様はどちらか仰られなかったか?』
ミエルの言葉にアル皇子が聞いたが、ミエルは首を振る。
『いいえ、青龍様から先の言葉の泉信が来たのみで、私の泉信には答えてもらえませんでした』
ミエルは青神泉へ行き、青龍へ何度か問うたが返してもらえず、今この時は智美がカイの結界の中に囚われているので、智美を連れて行けないと思ったし、連れ出せてもカイと心身共に泉侶となってるだろうと思うと、愛子が【清き乙女】なのかと絶望的な気持ちで、一応智美とカイが居る部屋の前に来てみると、結界が解かれていた。
ミエルが昨日目の前で張られた結界は、とても1日で解ける様なものではなかったのだが、疑問に思いつつ扉に触ると、青龍様の気配が残っていた。
そのまま、断りを得て入ろうかと思ったが、しばし考え、アル皇子へ思ったことを伺うべく改めて、出直した。
昨日のうちに、アル皇子にはカイ皇子の事は報告してあり、智美の事は同じ女性に頼むべく、ミシェルが全て手配していた。
これまでの事を考え深く思い出しつつも、ミエルは言葉を紡ぐ。
『サトミ様、…アイコ様、お二方を【アイの泉】へご案内致します。』
──────────
後書き
前回、処女に、ならし指一本で入れようとしたカイは…よく考えると鬼畜だよね。
まあ、当人も泉侶の色香にテンパって、本能のまま突き進もうとしたと言う事で(実際入らなかったし)おおめに見てやってくださいσ(^_^;)
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