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第3章 罠

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「ハティ様ったら、もうお帰りになるのですか? 折角お茶の準備をしてまいりましたのに……」

 この雌狸、何事もなかったかのように出てきやがった――。
 アリカが着替えている間、部屋に滑り込んできたアンネリーゼにハティは目を細めた。
 ユリアンには皇帝へ謁見するのを承諾した旨を記した書面を作らせている。それを待っている間に来たのがこの女。

 今回の件は全てアリカに非があるとも言い切れない。侍女の真似事をさせている手前、アンネリーゼの誘いも断り切れなかったのだろうし、ユリアンに迫っていたのもバルドの為であって仕方なかったこと――そう言い聞かせなければ、今すぐにでもこの兄妹を斬ってしまいそうだった。
 色々と言いたいことは山ほどあったが、面倒なので簡潔に返す。

「もう用はない。呑気に茶を飲んでいられるほど、暇ではない」
「つれないこと。婚約者候補に対して、あまりにも冷たいではありませんか」

 アンネリーゼが涙を拭うような仕草をしてみせたが、ハティはそれを冷ややかに見つめた。
 ブラーヴ家の令嬢ともなれば、ハティともつり合いがとれる。皇族の魔法を次の世代につなぐためにも、皇族の姫は皇族に嫁がねばならない。魔力の質と魔法は母親から受け継ぐものであり、父親からは属性を引き継ぐことになる。

 セラフィト皇族の魔法はある種の『補助・支援』に分類される魔法である。所謂、能力強化だ。それだけ聞けば大して特別に思えないが、この魔法の特殊なところはただ能力強化するだけではなく、自身の経験値と能力を子へそのまま引き継ぐところにあった。代を重ねるごとに、成長補正が上乗せされ限界値が更新されていく。血筋が途絶えない限りは最強ともいえる。
 バルドが戦場に出たら、恐らく怪物になる。
 他の追随を許さないほどの強さを持っているが故に、他国も迂闊に侵攻できないのだ。
 だからこそ、皇族全体の存亡がかかっている今のセラフィトの状況は、良いものとは言えなかった。

 しかし、ハティとアンネリーゼの間に甘い雰囲気は存在しない。それどころか同じ空間にいるだけでどこか居心地の悪さがあった。
 基本的に相対する二人ゆえ、互いに苦手意識がある。血筋の為に抱けと言われても無理があった。
 ハティは呆れを含んだ溜息をつく。

「婚約者候補だなどと、よくも言えたものだな。アリカの前でその言葉を口にすれば即斬ってやったものを」
「まあ怖い。何故バルドとアリカ様以外には優しくなれないのか不思議だわ。従兄妹なのですから、わたくしにも優しく接していただきたいものです」
「わざわざそのようなことを言うために来たのか」

 苛立ちを込めて返せば、アンネリーゼは軽やかに笑った。

「まさか。折角、フローズヴァン公がいらっしゃったのですもの。おもてなしの一つもせねば失礼でしょうに」
「その虚言癖はどうにかならぬのか」

 アンネリーゼは悪びれもせずに微笑んだ。

「嘘は申しておりません。これでも少しは反省しているのです。ハティ様が聖女へ執着されていることは存じておりましたが、ここまでとは思っていなかったのですもの。わたくしの見通しが甘かったのです。……本当にアリカ様を大切にされているのですね」  

 当然だ、と冷たく返すハティにアンネリーゼは紅茶を勧めながら続ける。

「そこまで尽くしているのに全く相手にされていないのですから笑ってしまいますわ。気付かぬふりを決め込まれては、たとえハティ様でも手の打ちようがありませんもの。報われない想いほど辛いことはないでしょうに」 
「……今はまだ、相手にされずとも良い。傍にいるだけで。本来ならば遠く及ばぬお方だ」

 誰の手にも届かぬ、気高く美しい聖女――それは虚像にすぎない。実際は永遠に檻の中に囲われ、何処にも逃げられない囚人と同じだったが、誰もがそのことから目を背けていた。彼らにとって聖女は人非ざるものなのだ。
 絶望的な状況下にあったハティを信じ、夢を語った聖女は確かに血の通った一人の少女だった。
 アシュラム・ロゼ・マーニ=ドールにとって、あの時のハティは数多の罪人達の一人だったのかもしれない。それでもかつてのハティにとって、薔薇姫は闇を照らすたった一つの光だった。
 その光を必ず手中に収めてみせると誓ったあの時から、ハティはずっと探し続けていた。

「何人の男に走ろうと、最終的には必ずこの手の中に収めてみせる。身も心も全て。ただ、今はまだその時ではないだけのこと」
「なんと寛大なこと。身内と愛しの方に限っては相変わらず甘くていらっしゃる。もしわたくしなら、嫉妬に狂ってしまいそう」

 苦々しく眉を顰めたハティに、アンネリーゼは小さく笑った。

「一途なのは結構ですが、そうやって甘やかすから、何処へでも飛んで行ってしまうのですよ。危険な目に合わせたくないのでしたら、手段を選ばず繋ぎとめればよろしいのに」 
「それができれば苦労せぬな」

 いっそのこと手足を捥いでしまいたいと何度思ったことか。ハティは深い溜息をついた。
 ところで、とアンネリーゼは切り出して、向かい側の椅子に腰かける。

「屋敷の結界を破るのには、相当な時間がかかるはずでした。それなのに、一体全体どうやってこの短時間で侵入できたのですか?」
「宮廷魔術士が道を開いた、それだけのこと」
「ローレル・ハイランドが?」

 怪訝そうに眉を顰め、アンネリーゼは返した。

「ハティ様のことはいけ好かないですけれど、嘘を吐くとも思えませんね」
「バルド以外はどうでもいいと思っている卿が、そのような些細なことを気にするのは何故だ」
「彼がわたくしに進言したのですもの。バルドに残された時間はもう僅か、一刻も早く解呪せねばならない、宮廷魔術士の手にも負えないところまで来ていると」
「何だと」
「アリカ様がバルドに引き合わせるに足るものか、その力が本物かどうか直接確かめてみろと言ってきました。大事なバルドをどこの馬の骨とも知れないものに任せるのも嫌でしょう。たとえハティ様が連れてきたといっても、ね」

 ローレルの不可解な行動にハティは顔をしかめた。アンネリーゼはそのまま続ける。

「病魔を治せないとはいえ、彼が見立てを間違えるとも思えませんでしたし、その助言に従いました。わたくしはただ、バルドが助かればそれでよかった。ついでにお兄様の病魔が治れば文句の言いようもなかった」

 宮廷魔術士は現状において皇帝と最も接する機会が多く、バルドの状況を正しく把握しているはずだ。
 アンネリーゼは父を亡くしたばかりだった。次こそはバルドの番と焦る気持ちも分からなくない。そこへきての、最高峰の魔術士であるローレルの言葉。疑いようがない。

(ローレルは父上の頃から仕えてきた。ドールが送り込んできた刺客とは考えにくいが……)

 故意にハティ達をバルドから遠ざけたとしか思えない。
 アンネリーゼもそれに気付いたのか、不安げに表情を曇らせた。

「とにかく、お早くお戻りになられた方がよろしいようですね。わたくしも今回ばかりは本当に浅慮であったと反省しております。できる限り協力いたしましょう」
「如何する」
「お二人が揃って帰還されれば目立ちましょう。きっとローレルもすぐに察するはず。アリカ様はわたくしの侍女の一人として登城させ、ハティ様はアリカ様が内密に謁見できるよう、取り計らってくださいませ」
「嫌だと言ったらどうする」

 真面目な顔でハティは答えた。
 アンネリーゼは急を要するこの場面で何を言われているのか理解できず、一拍遅れて問い返す。

「仰ることの真意が知れませんわ……それはアリカ様がわたくしを拒絶するということですか?」
「……細かいことを気にするな」

 アンネリーゼはおかしそうに目を細めて、さらに追及した。

「もしかして、折角取り戻したところをまた引き離されるのが嫌で、駄々をこねているのですか?」
「何故そうなる。卿らが信用できないだけだ。アリカも容易く従うとも思えぬ」
「わたくし達が聖女を取り上げてしまうのではと危惧されておいでですのね」
「決めるのはアリカだ、俺がどう思おうが関係なかろう」

 不機嫌さを隠そうとしないハティに、アンネリーゼは肩を震わせた。

「それもそうですわね。ではアリカ様には、しっかりお伺いしなくては。わたくしはアリカ様のご意思を尊重いたしますわ」

 ハティの予測に反して、着替えを終えて戻ってきたアリカはアンネリーゼの提案をあっさりと受け入れた。
 その時のハティの顔をしかと目に焼き付けたアンネリーゼは、しばらくひとりで肩を震わせ続けた。

 
 ◇
  
  
 ようやく皇帝に会えるとあってアリカは心なしか落ち着かず、部屋の中をうろうろしていた。ハティは前触れの為に先に城へ戻っており、アンネリーゼと二人、待つしかなかった。
 待っている間に考えることはたくさんあり、数々の疑問も湧いて出る。
 皇族達への呪いに関連することは、ドールが絡んでいる。それは間違いないはず。
 だが、宮廷魔術士が何らかの思惑でアリカ達を遠ざけたのは確かなのだ。

 そしてアリカが気になっていたのは、ハティのことだった。
 どんなにハティの想いを無下にしても、意のままに動かなくても、必ず彼はアリカを取り戻しにくる。そこには執念すら感じるほどである。たとえ弟が大切だからといって、そこまでするかと。扱いにくい女など切り捨ても一考するのが普通だ。

「嫌にならないのかしら……」
「どうかされました?」

 暖炉の前でついひとりごちれば、アンネリーゼが首を傾げた。
 アリカは苦々しい表情のまま返す。

「ハティって昔から諦めが悪いの?」
「あの方が諦めたというお話は、わたくしが知る限り聞いたことがありませんけれど。一度決めたことは最後までやり遂げるような方ですからね」
「すごい精神力ね。挫折ってものを知らないようだわ」 
「そうでもありませんよ。あの方はあれでもご苦労なさっているのです」 

 アンネリーゼは苦笑を浮かべた。

「ただ、諦めてしまったらそこで終わってしまいますもの。ハティ様は誰よりもそのことをご存知なだけですわ。だからアリカ様のことも、バルドのことも、これから先諦めることはなさらないでしょう」

 思えば、ハティのことを知っているようでいて何も知らない。
 何故ここまでアリカにこだわるのか、その理由を知らない。一言で済むほど単純ではないと思う。ハティにとってアリカが特別なのだということは理解できる。

 ハティの傍は心地よい。それが、アリカには怖かった。
 この先心変わりしない確証はないのに、情に溺れてのめり込んでしまいそうになる。あと一歩でも踏み込めば、後戻りはできない。そんな予感がある。

(ハティならば、信じても大丈夫かもしれない。役目が終わっても変わらず守ってくれるかもしれない……)

 甘い考えが浮かび、アリカは戒めるように唇を噛んだ。
 もしもその手をとった瞬間にハティが変わってしまったら。アリカが信じて縋った途端に裏切られたら。これまでそうだったように、散々利用された挙句に捨てられたら。

 刹那のうちに、雪原に果てなく築かれた骸の山と、血だまりの中を彷徨った記憶が閃いた。
 彼は国の命運さえ左右する立場にある。普通の男ではない。
 また、あの惨劇を繰り返すことになったら、どうする。
 何も知らずに神殿の中で過ごし、誰かを疑うことも知らない純真無垢な少女の時間はとっくの昔に終わったのだ。
 浅はかな考えで、己の正義だけを貫いていればよかったあの頃とは違う。
 誰のものにもならず、何にも縛られることなく、全てを振り切って生きると決めたではないか。何事も利害得失の上で終らせて、これまでそうだったように後腐れなく離れるだけ。
 それなのに。
 欲しい、と思ってしまう。
 助けて、と言ってしまいそうになる。

 アリカが望んだ人達は皆、不幸になった。
 おにいさま、ロベリア、お父さま。
 彼らが全てだった。それ以外は何もいらなかった。

 大切だった人たちは瞬く間に手の届かないものになった。
 喪失感は計り知れず、しばらく心にぽっかりと大きな穴が開いていた。

 破魔の聖女アリカがいなければ、ロベリアがおにいさまを裏切ろうと思い立つこともなかったし、実の息子が父親を手にかけることもなかった。

 アリカは常に、災禍の中心にいた気がする。皮肉なことに、破魔の聖女の存在が、人に魔が差すきっかけになっていた。
 それは今でも変わっていない気がする。


「――アリカ様、大丈夫ですか? ご気分が優れませんか?」

 どれほど険しい表情をしていたのか、アンネリーゼが案じるようにアリカの顔を覗き込んだ。はっとして、アンネリーゼを押しとどめる。

「そろそろ侍従が来る頃でしょう、あたしは大丈夫よ」

 そこへ、控えめなノックの音が響いた。
 侍女の役目として扉を開けたアリカは思いがけない人物に言葉を失う。

「兄上からお話を聞いて、待ちきれずに来てしまいました……」

 彼は遠慮がちにアリカを見上げ、それから恥じらうように視線を逸らした。青白い頬は上気して薔薇色に染まり、伏せられた長い金の睫毛は翠玉の瞳に蔭を落とした。しかしその目は鮮やかに煌めいている。かつての翳りはなく、瑞々しい眩しさがある。
 バルド・フォン・アデレイド=セラフィト。間近で見て改めて思うが、なんと美しく可愛らしいのだろうか。天より舞い降りた神の使いだと言われても、何の違和感もない。
 室内で待機していたアンネリーゼは、僅かに息を呑んだ。

「まあ陛下。お一人でいらっしゃったのですか。よく侍従の目を振り切られましたわね」

 部屋に迎え入れると、アンネリーゼは嬉しそうに微笑んだ。アリカはそのまま彼女の背後に侍女らしく畏まって控える。
 好意的なアンネリーゼとは対照的に、バルドは身構えた。

「アンネリーゼ。久しぶりに会ったというのに、やはりそなたも小言を言うのか?」
「あら。わたくしはそのような無粋な真似はいたしませんよ。お元気になられた証ですもの。ここは陛下の居城、所在さえしっかりとお伝えいただければ、何をされようがご自由になさったらよろしいのです」

 緊張の糸が途切れたのか、バルドはそのままソファーに身を沈めた。

「それはそうなのだが、あまり皆に心配をかけるのも気が引ける。口うるさいことを言うのも、僕の為を思ってのことだ……。諫言ならば煩わしくとも受け止める用意がある」
「会わないうちにまた一段と逞しくなられましたのね」

 バルドは少しむっとして返した。

「いつまでもこども扱いしないで欲しい。そなたと最後に会ったのはいつだったか、それから随分と経っている。僕だって、昔のままではないよ」

 背後に控えていたアリカをちらりと見るバルドに気付いたアンネリーゼは、くすりと笑った。

「それは失礼いたしました。お詫び申し上げます」
「そなた、それは詫びを入れる顔ではない」

 苦言を呈するバルドに、アンネリーゼはまた笑う。

「申し訳ありません。陛下があまりにも可愛らしいので」
「可愛いと言われて喜ぶ男がいるか。もういい。アンネリーゼは下がってくれないか。その……話しにくいのだ」
「御心のままに、陛下」

 アンネリーゼが席を外すのを見届けたバルドは、どっと疲れたように溜息をついた。  
 それから改めて背筋を伸ばし、バルドは残されたアリカを正面から見つめる。
 彼は小さな声で訊ねた。 

「あなたが、アリカお姉さまですか?」

 確証がないのか、声は震えていた。
 アリカがバルドの前に進み出て是として頷くと、その顔は途端に輝いた。

「お初お目にかかります、陛下。アリカと申します」
「ずっとお会いしたかった。僕が最近元気になったのは、アリカお姉さまのおかげだと兄上がおっしゃっていました」
(アリカお姉さま……)

 ハティは一体、バルドにどう伝えたのだろう。皇帝にお姉さま呼ばわりされるなど、実に変な気分だった。
 アリカは疑問をそのまま口にする。

「陛下、何故アリカをお姉さまなどと呼ぶのです?」
「兄上が、あなたのことは姉だと思えとおっしゃったのです。いずれそうなるだろうから、と」
「陛下――」

 あの男、何を吹き込んでくれたのよ――心中で毒づいてからアリカは苦笑を浮かべた。

「それは殿下の戯言ですよ。アリカと殿下では、身分が違いすぎます。あまり真に受けられませんよう」
「でも、兄上は真剣でした。大切な方なのは間違いありません。それは僕にとっても同じです」

 真面目に返され、アリカは言葉に詰まった。その真っ直ぐで澄んだ瞳に見つめられると、如何に己が薄汚れているのか思い知らされる。
 バルドは立ち上がってアリカの前で膝をつくと、アリカの手をとって屈託なく笑った。

「あなたは僕の恩人です。敬意を込めてお姉さまとお呼びしているのです」
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