上 下
3 / 102
第1夜 敗戦国

3

しおりを挟む

 文字通り、血眼と形容するに相応しい形相で、ひとりの男が血塗られた剣を振りまわしていた。彼が通り過ぎた後は生臭く、恐怖に歪んだままの首がいくつも転がっている。
 男は大層美しかった。
 ただ、その見事な金の髪は血の色にくすみ、照りのある玉に似た青緑色の瞳は獰猛な獣のようにぎらついている。濃紺の軍服には点々と濃い染みが広がっており、そこからは錆びた鉄に似た匂いがする。
 日が陰り、城内は薄暗い。そこここを灯していたはずの光は消え失せ、窓の玻璃は無惨にも割れていた。

「魔女だ、青い目の魔女を探せ! 必ず城内にいるはずだ!」

 男の命に兵達が呼応する。怒声をあげながら扉を蹴破って押し入り、隠れ潜む者がいれば捕まえて引きずり出した。
 
 ウィスト侵攻よりひと月。魔封壁――防衛の要であり敵の侵入を許さなかった――を突破した第二皇子率いる帝国軍第一師団は、その手を、剣を、血に染め侵攻を続けていた。
 彼らの目的は、ベリアードを滅ぼした白竜と、それを自在に喚ぶことのできる召喚士――すなわち青い瞳の魔女の捕縛である。
 城の隅々まで調べつくした挙句、最後に妃を捕らえた。しぶとく付き従っていた女官をまず斬り捨て、怒りに震える妃を嘲笑うかのように夫――大公の首を投げ出す。壮絶な表情から、何をされたのか察して妃は青ざめた。
 だからと言って屈するものか――そう言わんばかりに、妃は冷ややかに野蛮極まりない男を見上げた。

「あなた方が魔女と呼ぶあの子の元へは、どうやってもたどり着けるわけがない。あなた方には絶対に見つけられない」

 凛として言い放ったその唇は震えている。恐れを知らぬ瞳で猛る男を射て、最期まで気高くあろうとしていた。
 欲しい情報が得られぬのであれば、もう妃に用はない。
 一切の躊躇いもなく、残忍な刃が振り下ろされた。


 ◇

 ――幻の島国、ウィスト公国を暴いた。
 その報せは瞬く間に大陸全土へと広がり、帝国も自国の力を見せつけるようにウィストへ数十万の軍勢を送ることを発表する。
 帝国はウィスト侵攻に全精力を注ぎ込むつもりだと新聞ではしきりに騒がれ、世の流れに便乗するように諸国で幻の国が見つかったことは話題となっていた。

「殿下、嫌な予感しかしません」
「奇遇だな。俺もだ」

 不安げに言う側近のルトに、レグルスは苦笑して返す。
 帰還の命を受け、帝都について三日。何の音沙汰もないかと思えば、皇帝の使者により登城の達しが届けられる。
 その間に耳に挟んだことと言えば、全てがウィスト公国のことばかりである。世間はただ、幻の国を暴いたという報せで湧きかえっていた。
 それもそのはず、かねてよりかの国は誰もその国に踏み入ったことがないにも拘わらず、魔法の国、竜の棲みか、魔女と召喚士の国等々、様々な逸話が語り継がれてきたのだ。それがまさか島ごとを人の目から眩ませられるほど、すさまじい魔力と技術を保持する国だとは誰も予想できなかったが。
 それまで地図上に存在せず、海路を旅するものの口上に時折上る程度の幻の国家の出現。まさに夢のような話である。

「ウィスト攻略は、皇帝のお気に入りの第二皇子があたっていると聞いたがな……」 
「はあ……でもあの方のことですから、その、何かやらかしたのでは……」

 レグルスの異母兄である第二皇子ルークは、皇帝の一番のお気に入りである。
 その性分はまさに残忍非道、欲望に忠実であり、己の思い通りに展開する為には屍の山を築くのも辞さない、過激な思想の皇子だった。
 力に対して並みならぬ執着を持ち、此度のウィスト攻略も兄皇子の発案で決行されたと聞き及ぶ。
 ウィストには竜が棲む――その噂が本当であるならば、世界を破滅させるほどの力が眠っていたとて不思議ではない。ルークはその巨大な力を欲したのだろう。
 皇帝は、貪欲なまでに力に固執する第二皇子に殊更目をかけているのだ。四人も息子がいても、心を砕くのは正妃の子のみ……そう思いながらレグルスは自嘲した。

「……やらかした、か。俺はその、尻拭いをさせられるということか」

 ルトは黙したままレグルスの着替えを手伝う。
 謁見するにあたって新調した白いシャツに袖を通し、濃紺の上着を羽織る。無駄な肉のない引き締まった細身の身体には無数の小さな傷が消えることなく今も残り、彼がひとりの皇子である前に、幾多の死線を潜り抜けてきた軍人であることを示していた。
 ルトは、レグルスの傷跡を見るたび視線をそらし、青緑色の瞳を曇らせる。

「もっとしっかり殿下の背中を守ることができれば、このような傷をつけることも……」
「何を言っている。お前がいたからこそ、俺は今生きてここに立っている。お前がいてくれてよかったよ、ルト」
「殿下、ありがとうございます。この先も、たとえ地獄の底だろうが殿下についていく所存です」
「馬鹿野郎、その言葉だけで十分だ。お前は、俺とともに地獄に落ちる必要などない」 

 背中にかかる暁の色をしたレグルスの髪を結び直し、ルトは首を横に振り神妙な顔つきで言う。

「いいえ殿下。どこへなりと御供いたしますよ。それくらいさせてくださらないと」

 真剣そのもののルトに、レグルスは真顔で答えた。

「それはいいが、さすがに宿屋までついてくるのはやめるように」
「なっ……!」
「何を赤くなることがある。大切なことだ。言っておかねば入ってきそうだからな、お前。この間も俺が女のところへ通った時に――」
「そ、それは違います! 忘れてください!」

 首まで赤くするルトを笑い、支度を整えたレグルスは踵を返し、己の身長よりも高い作りの扉に足を向ける。
 歩みを進めるたびに揺れる金髪は、濃紺の軍服によく栄えた。その姿はまるで、雄々しい獅子にも似て、ルトは眩しげにその背中を見つめる。

「さて、皇帝のご機嫌を伺いに参るとするか」

 赤い絨毯の敷かれた大理石の回廊を歩きながら、レグルスはこれから命じられることについて思いを巡らす。
 今回、ベリアードより呼び戻されたのは、間違いなくウィスト公国絡みのことであろう。
 かの国を落としにかかってからひと月。
 帝国の目的は幻の国を侵略することではなく、あくまでも、大陸各国で依然狙われ続ける召喚士の保護である――帝国の広報は繰り返し宣伝するが、それにどれだけの価値があるだろうか。
 たかが小さな島国の召喚士を保護するだけで数十万の軍勢を送るなど異様だ。それはまるで、無力な幼子を打って無理やり従わせるかのようであった。
 目的はあくまでも、竜を喚ぶほどの力を持った存在を手に入れること。
 本当に存在するかどうかも分からない者のために、人員を割いて無駄な血を流す必要があるのかという国内から上がる批判の声を握りつぶし、部隊を次々と送り込む。
 第二皇子は皇帝の期待に応えるように、各地の都市を制圧し占領下に置いているようだ。現地の者達の恐怖を思うと憐れでならない。
 帝国の優勢は変わらない、それならば何故己が呼ばれることがあるのか。それだけが、分からないことだ。
 そういえば、肝心の青目の召喚士――『魔女』は見つかったのか?
 一向に、それについての報せが入ってこない。
 つまり、見つからないのだろう。白竜を喚んだという、『白の魔女』は。

 目の前に、豪奢な細工の施された飴色の扉が現れる。扉一枚隔てたその先は玉座の間だ。
 背中と額に冷や汗が滲む。震えそうになる拳をきつく握りしめ、レグルスはその扉をくぐった。
 シャンデリアの光が眩しく、思わず目を細める。足を踏み入れた途端、レグルスの双肩には鉛でも乗せられたかのような重圧が押し寄せた。重い足取りで深紅の絨毯の敷かれた道を進み、遙か高みの王座にどっしりと構える人物を認めてから、膝をつき首を垂れた。
 蓄えられた口元の白い髭、もうすぐ六十を迎えようという人物とは思えないほどに精悍な顔つき。その青緑色の眼光は鋭い猛禽類のようで、今なお衰えることなく君臨する帝国の稀代の覇者。
 セラフィト皇帝、ラムザハードその人である。

「陛下。招致に応じ、参上いたしました」
「来たか、レグルス」

 その蔑みを滲ませた声で名を呼ばれる度、レグルスの中で何かが壊れる音がする。
 そして思い知らされる。どうあっても、父に認められることはない。どれだけの戦果をあげようとも、どれだけの事業を成功させようとも。
 ――今更、何を思う。もう、幼子ではないというのに。
 レグルスは頭を垂れたまま、嘲笑した。

「ベリアードでの働き、御苦労であった」

 ――何を白々しい。かけらもそのようなこと思ってなどいないくせに。さっさと本題に入ればよいものを。
 様々な言葉を飲み込んで、レグルスは冷静に答えた。

「お褒めの言葉、光栄至極に存じます」

 皇帝はすっと目をすがめ、探るようにレグルスを見下ろす。皇帝の間の気温が一気に下がり、周囲の士官たちはぶるっと身体を震わせる。しかしレグルスはその視線に慣れてしまったようで、気にも留めずに受け流す。

「賢しいお前ならば察しているかもしれぬが、此度お前を呼び戻したのは他でもない。ウィスト公国の件についてだ」
「かの国は、兄上の指揮の元、着実に各都市を我が国の制圧下に置いていると聞き及んでおりますが……」
「そう、あ奴は実によくやっている。ウィスト公国はもはや、わが国の手に落ちたも同然の状態……」

 嘲笑うかのような物言いで皇帝は答え、白い顎鬚をなでつける。

「しかしあれは愚の骨頂を絵にあらわしたような男。使える手駒であっても思い通りにならなければ、全て破壊するような愚か者だ」
「左様ですね」

 それには、同意せざるを得ないのだ。レグルスの素直な頷きに、皇帝はおかしそうに目を細める。
 寵愛する息子に対して愚かだと断じる冷酷さを父は持っている。
 だからこそレグルスは、皇子でありながらも激戦区へと駆り出され、度々捨て駒として扱われてきたのだ。
 焔に似た榛の瞳に、深い泉を彷彿とさせる青緑の瞳が絡む。お前は魔力がない癖に、罪人の裔の癖に、そうやって蔑まれているような心地になった。
 それは我が子を見る目ではなかろう、どれほど叫びたくとも耐えるしかない。
 皇帝は頬杖をつき、笑って言った。

「あれは、白の魔女を見つける前に、その手掛かりとなる王城に住む一族全てを虐殺したようだ」
「……は?」

 ――皇帝は、かの国の大公家を第二皇子が虐殺した、と言ったのか?
 何が面白いのか、皇帝はさらに笑みを深める。

「そして、手掛かりを失ったばかりか、国民を逆上させるに十分な働きをしてくれた」

 ――おまけに、島全土を幻術で隠せるほど、馬鹿みたいに魔力だけは高いと噂の国民を怒らせたと?
 愚か者だとは思っていたが、これほどだとは思わなかった。
 そんなことをしたら、いくらウィストを手に入れたとしても、すぐに反旗を翻すことは目に見えている。
 レグルスは、内心呆れていた。
 怒らせるより、こちらについて得をする条件を提示することが重要であり、たとえ目的の魔女が見つからずとも、国の統治をおこなっている大公家を殺すべきではなかった。
 ただでさえ、大陸から離れた南東の海に位置するかの国である。反乱分子の存在も感知しにくく事前の対策も練りにくい上、ひとたび反乱が起きれば、鎮圧するのは骨の折れることであろう。

「大公家は、殺すべきではありませんでしたね」
「そうだな、お前もそう思うか。ウィスト公国は、そのまま国家として残しておくべきであった。大公家は我が傀儡として据え、現地には我が国から士官を送り込む手はずだったが、潰えてしまった家系のことを今更どうこう言おうと仕方のないこと……そこでわしは考えた」

 話の雲行きが、怪しくなってきた。嫌な予感にレグルスは身構える。

「それならいっそ、これまでしてきたように国家を解体し、我が領地の一つとして管理すればよいと」
「それは名案です」

 その領地の管理者はさぞや苦労するだろう。
 たび重なる反乱に、遠い祖国からの援軍を今か今かと待つ日々。
 やがて日常茶飯事となる反乱の鎮圧に、皇帝は貴重な兵をこれ以上割けぬと言いだし、現地で何とかしろと言いだすに違いない。

「レグルスよ、お前に、魔女捜索と見つからぬ場合のウィスト公国の解体、その後の統治を命じる」
「ご命令のままに、陛下」

 ――ルト。俺達の嫌な予感は見事命中したぞ。見つかるわけのないものの捜索、それから……とても面倒なことを押しつけられた。
 レグルスは心の底で、深いため息をついた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】捨てられ正妃は思い出す。

なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」    そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。  人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。  正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。  人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。  再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。  デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。  確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。 ––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––  他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。  前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。  彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。  

【完結】お世話になりました

こな
恋愛
わたしがいなくなっても、きっとあなたは気付きもしないでしょう。 ✴︎書き上げ済み。 お話が合わない場合は静かに閉じてください。

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

婚約者から婚約破棄をされて喜んだのに、どうも様子がおかしい

恋愛
婚約者には初恋の人がいる。 王太子リエトの婚約者ベルティーナ=アンナローロ公爵令嬢は、呼び出された先で婚約破棄を告げられた。婚約者の隣には、家族や婚約者が常に可愛いと口にする従妹がいて。次の婚約者は従妹になると。 待ちに待った婚約破棄を喜んでいると思われる訳にもいかず、冷静に、でも笑顔は忘れずに二人の幸せを願ってあっさりと従者と部屋を出た。 婚約破棄をされた件で父に勘当されるか、何処かの貴族の後妻にされるか待っていても一向に婚約破棄の話をされない。また、婚約破棄をしたのに何故か王太子から呼び出しの声が掛かる。 従者を連れてさっさと家を出たいべルティーナと従者のせいで拗らせまくったリエトの話。 ※なろうさんにも公開しています。 ※短編→長編に変更しました(2023.7.19)

【完結】愛とは呼ばせない

野村にれ
恋愛
リール王太子殿下とサリー・ペルガメント侯爵令嬢は六歳の時からの婚約者である。 二人はお互いを励まし、未来に向かっていた。 しかし、王太子殿下は最近ある子爵令嬢に御執心で、サリーを蔑ろにしていた。 サリーは幾度となく、王太子殿下に問うも、答えは得られなかった。 二人は身分差はあるものの、子爵令嬢は男装をしても似合いそうな顔立ちで、長身で美しく、 まるで対の様だと言われるようになっていた。二人を見つめるファンもいるほどである。 サリーは婚約解消なのだろうと受け止め、承知するつもりであった。 しかし、そうはならなかった。

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました

結城芙由奈 
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】 私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。 2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます *「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています ※2023年8月 書籍化

王子は婚約破棄を泣いて詫びる

tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。 目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。 「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」 存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。  王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

処理中です...