【R18】俺は変身ヒーローが好きだが、なったのは同級生の女子でした。一方の俺は悪の組織に捕らえられマッドサイエンティストにされた

瀬緋　令祖灼

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第三話　新たなギアレンジャー　ギアブルー参上

優子の心

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　襲撃があった翌日だったが、高校は休校にはならなかった。
　アセンデッドの襲撃が多すぎて、襲撃があったくらいで休みにしていては授業が進まないのだ。
　そのため生徒達は、文句を言いながら登校する。
　当然、大輝と優子も同じだ。

「おはよう」

「お、おはよう」

　優子は明るい声で嬉しそうに大輝に声をかけるが、大輝はぎこちなく応えた。
　昨日の今日で、あんな事があったのに明るく声をかけるなんて大輝には無理だった。
　確かにここのところ毎日のようにしているが、未だに気恥ずかしさを感じる。
　意識すると余計に、いや無意識でも優子との絡みを思い出して仕舞い、身体が熱くなり視線を向けられない。
　と言うより優子はなぜ明るく声をかけることが出来るのだろうか。
　意識されていないのかと大輝は思ってしまう。

「早く行こう」

　だが優子はお構いなしに大輝の手を握り、学校へ向かう。

「えっ？」

　突然の事に大輝は驚いてしまった。
　登校途中の高校生の中で行われる事だから当然、同級生達に見とがめられる。

「おい、何があったんだよ」

「い、いや何でもないよ」

　殺意の籠もった男子の同級生から視線を浴びて大輝は、誤魔化すように言う。

「小川さんとどんな関係なんだよ」

「特にいいわけではないよ」

　流石に性交渉をしたとは言えない。
　同級生に殺されるだろうし社会的にもアウトだ。
　優子がギアレッドで変身して戦っていて、それを支えるためにマッドサイエンティストの知識を使っているということも言えない。
　言ったら頭がおかしいと言われるだろう。
　だから、大輝は誤魔化すしかなかった。
　しかし、過剰に反応した人物がいた。

「特にないの……」

　手を繋いだ優子だった。
　身体が硬直し、瞳からは光りが消え、目には涙が浮かんでいる。
　これには大輝も流石に驚き慰めようとする。

「いや、そんなことないけど」

「そう、だよ、ね……」

「おい、そんな事ないってどういうこどだよ。あったのか」

「いや、あったというか、なかったというか」

「なかったの」

　男子の追及に曖昧に応えようとする大輝。それを見て再び涙を流しそうになる優子。
　流石の男子達も追及を控える。

「ちょっと、何やっているの！」

　それを女子が見とがめる。

「優子を虐めたの！」

「大丈夫？　優子？」

「この獣に何かされたの」

「変なことして泣かしたの」

　男子達は女子達に追及を受ける。
　特に家中の大輝は激しく問い詰められる。

「だ、大丈夫だよ」

　優子は取り繕おうとして声を出す。
　勿論、優子も世間体や今後の交友関係を考えて大輝があのように言ったのは分かる。
　だが、理解していても感情が追いつかず自然と涙が出てしまった。
　その事を悪いと思っている、しかしどうしようもなかった。
　何とか、この場を収めようとしても涙が流れて仕舞った。
　どうしようかと悩んでいると、警報が鳴り響いた。

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