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第二話 レッドピンチ 驚異の女幹部レディスコルピオン

寝ぼけた優子 大輝に抱きつく

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「ううん……」

 レッド、優子の治療で疲れ切った大輝は眠っていた。
 捕まった状態から助け出したはよいが、大量の毒液を浴びせられ、注入されており危険な状態だった。
 一刻を争う状態で、懸命に治療をした。
 ドクターの知識と機材のお陰で、容体は安定し、回復に向かいつつある。
 安全と分かると大輝は緊張の糸が切れて、ソファーに座るとそのまま眠ってしまった。
 途中で目覚めたが、温かい感触が身体に当たる感覚が気持ちよくて再びまどろむ。
 気持ちよすぎて、抱きしめてしまいたい。
 手を動かして抱き寄せると軟らかい感触、ほどよい反発のある、心地よい感じがする。
 もっと触りたいと自然と手に力が入る。

「あうっ」

 すると耳元で艶声が聞こえた。
 幼く初々しく、その分、純粋に官能に反応して仕舞った声。
 いけないと分かっていながらも、気持ちよすぎて求めてしまう背徳的な行為。それを求めてしまっている声。
 実に聞き心地が良い上に、自分を求めているようで、さらに聞きたくなり、感触を楽しむ。

「あああんっっ」

 官能に震える、それを得られて兎Rしそうな声が響き更に抱き寄せる。
 撫で心地が良く、しかも甘い香りまで漂ってくる。
 大輝にとって至福だ。
 だが同時におかしいと思う。
 何処かで嗅いだことのある香りだ。

「まさか」

 大輝は目を覚まし、自分に抱きつく者の正体を確かめる。

「うううんんっ」

 嬉しそうに身体を擦り付けるレッド、いや優子だった。

「ゆ、優子! それにどうして裸!」

 一糸纏わぬ姿で大輝に抱きついていた。

「ああ、そうか、治療をしたんだ」

 毒液でスーツはボロボロになった上に全身を洗浄し、治療するために、裸にしたのだ。
 治療が終わるとそのまま寝てしまい、優子は裸のママ放っておいてしまった。

「リリアンの奴、何か着せれば良いのに」

 気の利かない助手のブラックナース・リリアンの事を大輝は怒る。
 やむなく、自分の上着を掛ける。

「ううんんっ」

 背中が寒かったのか、優子は顔まですっぽり埋めるほど上着を握りしめた。
 まるで赤子のような無垢な笑みを浮かべており、あまりにも純粋すぎて大輝は顔を逸らして仕舞った。

「しかし、どうしてここに」

 治療台で眠っていたはずなのに、ここにいるのはおかしい。
 多分、途中で目覚めてトイレなどに行ったのだろう。
 そして帰ってきて寝ぼけていたため大輝のソファーに入って仕舞ったのだろう。

「ううんっ」

 暫くすると優子は目を開けた。
 まだ眠気が強く、瞼が重い感じだ。
 身体を起こし上げて瞼を擦る。
 その姿は猫か、無垢な赤子で、大輝は視線を引き込まれるが、再び逸らして仕舞う。
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