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第二話 レッドピンチ 驚異の女幹部レディスコルピオン

日常の登校風景

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「おはよう」
「おはよう」

 今日も学校に生徒達の元気な声が響いた。

「昨日、またアセンデッドの襲撃があったな」

「レッドに撃退されたから早く済んで良かったな」

「それより、聞いたか、担任の先生、休職だって」

「子供がいるから大事を取って休職だって」

「教職って過酷だからな」

「新しい先生が来るらしいぜ。何でも美人みたいだ」

 先日はヴァレリーの襲撃があったが、最早慣れっこだ。
 毎回レッドが倒してくれることもあって、生徒も町の人達も安堵しており、生徒達も安心して学校に登校したわいない話をいた。

「おはよう、優子」
「よお、大輝、誘拐されずにすんでよかったな」

 その中の一人として大輝も優子も学校に登校し同級生から挨拶を受ける。

「おはよー」
「おう、おはよう」

 二人は、それぞれの友人に返事をした。
 表面上は、二人とも今まで通りの同級生のように振る舞う。
 だが、秘密の関係もあって、ヒーローと悪の科学者であり協力関係という歪な関係。
 しかも身体を重ね合わせている。
 おかげで、ついつい互いを意識してしまう。
 特に大輝は気が気ではなく、しきりに優子の方を見てしまう。

「おい、小川さんを狙っているのか」

「ああ、あの子も特撮好きだもんな」

「にしては熱視線だな」

 それを見た同級生たちが、はやし立てる。

「ち、違うよ」

 大輝ははぐらかそうとするが、視線が向いてしまっては無意味だ。
 しかし、気を逸らすことなど出来ない。
 優子の体が気になっていたからだ。

「レッドの体が活発になっており、通常以上のエネルギーが満ちています」

 学校へ向かう前、研究所でリリアンから知らされて大輝は驚いた。

「小川さんは元からエネルギーが多いんじゃ」

「確かに、平均より多いのですが、ここ数日で数倍に上昇しています。これは異常です」

 思い当たることは多い。
 新しいギアを渡したが、研究中のため、エネルギー消費が多い。
 通常なら途中でエネルギー切れで止まってしまう可能性もある。
 なのに、レッドは、優子は存分に活用している。

「どうしてこうなっているの?」

「原因は不明です」

 大輝に分からないことをリリアンが分かるはずがない。
 高校生だがドクター・エクシリオンの知識と技術を注ぎ込まれたため、リリアンより遙かに状況を掴んでいる。
 その知識に基づいても、優子の状況が異常である事は分かる。
 今のところ、身体に異常な反応は見られず問題はない。
 だが今後続けば、どのような支障が出るかわからない。
 だから、大輝はついつい優子に目が向いてしまっていた。

「やっぱり、小川さんの事、見ているよな」

「違うって」

「気になるなら、話しかけろよ」

「また特撮の話がしたいんだろ。なら話して来いよ」

「……そうだな」

 気になっているのなら話しかけて聞いた方が良い。
 特撮の話を切っ掛けにするのも良いだろう。
 そう思って大輝は優子に近づいた。
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