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第四話 姫騎士 セシリア
庇うセシリア
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セシリアがエレナの前に出てきてくれたこと、庇ってくれたのは純粋にパリスには嬉しい。
しかし、最悪の事態でもあった。
ただでさえエレナはセシリアを敵視しているのに、パリスを庇うなど挑発行為だ。
惚気ではないがエレナはパリスの事を自分のモノだと思っている。
そしてエレナは執着心が強い。
庇おうものなら、更に怒る。
実際、エレナの額と頬の青筋が更に増えた。
「裸のママ、出てくるのが淑女のすること」
「やましい事がないのに、恥じるような事はしませんわ。色欲を満たすためだけに裸になる痴女と一緒にしないでくださいます」
「ほう……自分が色欲ではないと」
「失礼。あなたは色欲のために卑猥なものを身につけるのでしたわよね」
「露出しているのに恥じらいもないの」
「わたくし、あなたと違って身体に自信がありますから」
そう言ってセシリアは、胸を張って堂々と自分の裸体を見せつけた。
透き通った肌に、スラリとした長い足のため腰の位置は高く、くびれている。
逸らした背筋のため胸の双丘は張りもあって天を向いており、金色の髪が流れ落ちる水のようにはらりとかかり美しさに華を添えている。
あまりに堂々とした姿にセシリアも少し物怖じする位だ。
「……あんたなんかに負けている訳ないでしょう」
「では、どうして触手など使うのですか? 自分の身体に自信があるなら、卑猥な触手など使わずとも、武器に出来るでしょう」
「しょ、触手は私の体の一部よ。大体、人の従者をテントに連れ込んで裸になるなんて常識外よ」
「常識のないあなたに言われたくありません。そのような方などパリス様に相応しくありません」
「どういうことよ」
「わたくし、パリス様のお人柄に惹かれました。ここに結婚を求めます」
「なっ」
突然の求婚に、周囲は驚いた。
特にエレナは激しい衝撃を受けた。
「ちょっと! 何を言っているのよ」
「パリス様をお慕いしているのです」
「パリスは私の従者よ」
「だからといって婚姻は自由でしょう」
「主人の許可など不要でしょう」
「絶対に認めないから。とっとと失せろ、口だけ女。さもないと首と胴を分断するぞ」
「お、落ち着いてよエレナ。今回は此方にも非があるし」
もとはと言えば、エレナがセシリアにちょっかいを出したから起きたことだ。
なのに攻撃を加えては此方が悪役だ。
本気で襲いかかりそうなエレナをパリスは止めようとする。
「パリスは黙ってて!」
しかし激しく苛立つエレナは聞く耳を持たない。
対照的に余裕のある、セシリアが答える。
「卑劣な手を使う主人の悪事を糺した方を叱るなどみっともないですわ」
「なら主人の意向に従者が逆らうのは禄でもない事ね。連れ戻して言い聞かせないと」
「正統な理由なく、いたぶるのはよしなさい。主だろうと人として正しき道というものがありますわ。その行いを正そうとしたパリスは素晴らしいわ。まあ、魔物の合いの子では理解出来ないのでしょうけど」
「うぷ」
そう言って、セシリアはパリスを守るように抱きしめた。
しかし、最悪の事態でもあった。
ただでさえエレナはセシリアを敵視しているのに、パリスを庇うなど挑発行為だ。
惚気ではないがエレナはパリスの事を自分のモノだと思っている。
そしてエレナは執着心が強い。
庇おうものなら、更に怒る。
実際、エレナの額と頬の青筋が更に増えた。
「裸のママ、出てくるのが淑女のすること」
「やましい事がないのに、恥じるような事はしませんわ。色欲を満たすためだけに裸になる痴女と一緒にしないでくださいます」
「ほう……自分が色欲ではないと」
「失礼。あなたは色欲のために卑猥なものを身につけるのでしたわよね」
「露出しているのに恥じらいもないの」
「わたくし、あなたと違って身体に自信がありますから」
そう言ってセシリアは、胸を張って堂々と自分の裸体を見せつけた。
透き通った肌に、スラリとした長い足のため腰の位置は高く、くびれている。
逸らした背筋のため胸の双丘は張りもあって天を向いており、金色の髪が流れ落ちる水のようにはらりとかかり美しさに華を添えている。
あまりに堂々とした姿にセシリアも少し物怖じする位だ。
「……あんたなんかに負けている訳ないでしょう」
「では、どうして触手など使うのですか? 自分の身体に自信があるなら、卑猥な触手など使わずとも、武器に出来るでしょう」
「しょ、触手は私の体の一部よ。大体、人の従者をテントに連れ込んで裸になるなんて常識外よ」
「常識のないあなたに言われたくありません。そのような方などパリス様に相応しくありません」
「どういうことよ」
「わたくし、パリス様のお人柄に惹かれました。ここに結婚を求めます」
「なっ」
突然の求婚に、周囲は驚いた。
特にエレナは激しい衝撃を受けた。
「ちょっと! 何を言っているのよ」
「パリス様をお慕いしているのです」
「パリスは私の従者よ」
「だからといって婚姻は自由でしょう」
「主人の許可など不要でしょう」
「絶対に認めないから。とっとと失せろ、口だけ女。さもないと首と胴を分断するぞ」
「お、落ち着いてよエレナ。今回は此方にも非があるし」
もとはと言えば、エレナがセシリアにちょっかいを出したから起きたことだ。
なのに攻撃を加えては此方が悪役だ。
本気で襲いかかりそうなエレナをパリスは止めようとする。
「パリスは黙ってて!」
しかし激しく苛立つエレナは聞く耳を持たない。
対照的に余裕のある、セシリアが答える。
「卑劣な手を使う主人の悪事を糺した方を叱るなどみっともないですわ」
「なら主人の意向に従者が逆らうのは禄でもない事ね。連れ戻して言い聞かせないと」
「正統な理由なく、いたぶるのはよしなさい。主だろうと人として正しき道というものがありますわ。その行いを正そうとしたパリスは素晴らしいわ。まあ、魔物の合いの子では理解出来ないのでしょうけど」
「うぷ」
そう言って、セシリアはパリスを守るように抱きしめた。
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