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第四話 姫騎士 セシリア
第四話 プロローグ
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「ぐおおおおおっっっっ」
巨大な魔獣が森から現れ吠える。
隊列を組んでいた兵士達は怯えた。
「怯むな! 進め!」
隊長が命じても兵士達は怯えたままで前進しない。
だが兵士達が怯えても、いや怯えているからこそ、魔獣は近づく。兵士達を餌にするために。
なのに魔獣に背を向ける兵士もいる。あれでは、後ろから襲ってくれと言っているようなものだ。
このままでは兵士達に被害が出る。
どうしようかと隊長は悩んだ。その時、赤い影が駆け込んで来た。
「はああっっ」
エレナは白い鎧を纏い、ハーフアップにした赤い髪をひらめかせ、兵士の一群と魔獣の間に入ると持っていた大剣を振り回す。
「ぎゃあっっ」
振り抜いた後、魔獣は悲鳴と共に身体を両断され、地面に倒れた。
「ふんっ! たいしたことないわね!」
魔獣を倒した一滴の血さえ付いていない剣を振ると赤い髪が揺れた。
身体のラインに合わせて覆う鎧を纏った美女が兵士に振り向いて。
「ほら! 怯まないで! それでも私の国、ファーマン王国の兵士なの!」
斬り倒したのはファーマン王国王女エレナだ。
魔獣を相手に一騎当千の戦いをする事で有名だった。
エレナは兵士達を鼓舞するように剣を掲げて言う。
「他の国の兵士も来ているんだから無様な所を見せないで! ファーマン王国が強いところを見せつけて!」
「そうだ! 姫様の言うとおりだ! 他国の者に笑われるな!」
隊長は兵士達を鼓舞する。
今日は大遠征の日であり、周辺諸国から魔物討伐の兵が集結している。
魔物への防備を担うファーマン王国だが、一国では手に余る。
一方の諸国としても魔物討伐の手柄、魔物から出る素材をファーマン王国のみに独占されるのは悔しい。
そこで、年に数回遠征を行い、共同で魔物を狩っているのだ。
今日は、その遠征の日であった。
「そうだ! これくらいの魔物! 俺たちは何時も相手にしているんだ!」
「ファーマン王国の力を見せてやる!」
「俺たちの力を他の国の連中に見せてやる!」
兵士達もやる気になり突撃していく。
「大丈夫そうね」
普段から魔獣の襲撃があるファーマン王国は、兵士達も魔獣の討伐になれている。
通常より大きな魔獣を相手に怯んでしまったが、恐怖心さえ抑えれば大丈夫だ。
「問題は、他の国ね」
他の国の連中は魔物になれておらず、苦戦しやすい。
見ている間にも、一部の兵士が魔物に襲撃され隊列を乱している。
「仕方ない、助けに行くか」
エレナは素早く駆けつけ、魔物を狩って行き、倒す。
「おお!」
「ファーマン王国のエレナ姫だ」
「凄い! 魔物を一刀両断だ!」
「ふふん、たまにはこういうのも良いわね」
エレナは嬉しそうに言う。
プライドの高いエレナにとって、他人から称賛を受けるのは嬉しいのだ。
だが、その時だった。
新たに獲物を見つけて、襲撃しようとしたが、横から銀の影が駆け込んで来た。
「な」
驚いていると、銀の影はエレナが獲物と見定めていた魔獣を突き破った。
「はっ」
「なっ」
一撃で魔獣を両断した技量にエレナは驚いた。
それだけではなく、倒したのが自分と同じ女性である事にエレナは驚いた。
巨大な魔獣が森から現れ吠える。
隊列を組んでいた兵士達は怯えた。
「怯むな! 進め!」
隊長が命じても兵士達は怯えたままで前進しない。
だが兵士達が怯えても、いや怯えているからこそ、魔獣は近づく。兵士達を餌にするために。
なのに魔獣に背を向ける兵士もいる。あれでは、後ろから襲ってくれと言っているようなものだ。
このままでは兵士達に被害が出る。
どうしようかと隊長は悩んだ。その時、赤い影が駆け込んで来た。
「はああっっ」
エレナは白い鎧を纏い、ハーフアップにした赤い髪をひらめかせ、兵士の一群と魔獣の間に入ると持っていた大剣を振り回す。
「ぎゃあっっ」
振り抜いた後、魔獣は悲鳴と共に身体を両断され、地面に倒れた。
「ふんっ! たいしたことないわね!」
魔獣を倒した一滴の血さえ付いていない剣を振ると赤い髪が揺れた。
身体のラインに合わせて覆う鎧を纏った美女が兵士に振り向いて。
「ほら! 怯まないで! それでも私の国、ファーマン王国の兵士なの!」
斬り倒したのはファーマン王国王女エレナだ。
魔獣を相手に一騎当千の戦いをする事で有名だった。
エレナは兵士達を鼓舞するように剣を掲げて言う。
「他の国の兵士も来ているんだから無様な所を見せないで! ファーマン王国が強いところを見せつけて!」
「そうだ! 姫様の言うとおりだ! 他国の者に笑われるな!」
隊長は兵士達を鼓舞する。
今日は大遠征の日であり、周辺諸国から魔物討伐の兵が集結している。
魔物への防備を担うファーマン王国だが、一国では手に余る。
一方の諸国としても魔物討伐の手柄、魔物から出る素材をファーマン王国のみに独占されるのは悔しい。
そこで、年に数回遠征を行い、共同で魔物を狩っているのだ。
今日は、その遠征の日であった。
「そうだ! これくらいの魔物! 俺たちは何時も相手にしているんだ!」
「ファーマン王国の力を見せてやる!」
「俺たちの力を他の国の連中に見せてやる!」
兵士達もやる気になり突撃していく。
「大丈夫そうね」
普段から魔獣の襲撃があるファーマン王国は、兵士達も魔獣の討伐になれている。
通常より大きな魔獣を相手に怯んでしまったが、恐怖心さえ抑えれば大丈夫だ。
「問題は、他の国ね」
他の国の連中は魔物になれておらず、苦戦しやすい。
見ている間にも、一部の兵士が魔物に襲撃され隊列を乱している。
「仕方ない、助けに行くか」
エレナは素早く駆けつけ、魔物を狩って行き、倒す。
「おお!」
「ファーマン王国のエレナ姫だ」
「凄い! 魔物を一刀両断だ!」
「ふふん、たまにはこういうのも良いわね」
エレナは嬉しそうに言う。
プライドの高いエレナにとって、他人から称賛を受けるのは嬉しいのだ。
だが、その時だった。
新たに獲物を見つけて、襲撃しようとしたが、横から銀の影が駆け込んで来た。
「な」
驚いていると、銀の影はエレナが獲物と見定めていた魔獣を突き破った。
「はっ」
「なっ」
一撃で魔獣を両断した技量にエレナは驚いた。
それだけではなく、倒したのが自分と同じ女性である事にエレナは驚いた。
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