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第一話 触手鎧姫 エレナ

子猫のようなエレナ

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「全く、エレナは何時もこうなんだから」

 満足そうな笑みを浮かべて眠るエレナを見てパリスは呟く。
 何度も絶頂し疲れ果てて、気持ちよさそうだ。
 だが最後に気絶しても、パリスの行為は終わらない。
 半ば自立的に動く触手達が更に襲ってきて、満足させなければならないのだ。
 襲いかかる触手を手で扱いたり、口に咥えてフェラをしたり、粘膜を舐めあげるなどして満足させなければならない。
 吸引型の触手など中に射精しなければ満足しない。
 しかも、これらの触手はエレナと神経が繋がっているため、彼らが絶頂する度にエレナもビクンビクンと動く。
 やってくる官能に喘ぐエレナを撫でて落ち着かせることも必要でパリスは休む暇が無かった。
 ようやく触手達も満足し、大人しくエレナの身体の中に戻っている。
 今は触手も鎧もなく、エレナは裸体のまま大地に寝そべっていた。
 その姿から目が離せない。
 芸術の髪が全身全霊を賭けて削り出し、魅了の術を付与したような、思わず視線が向かってしまう魅惑的な身体のライン。
 肌は白磁の様に艶やかで血のように赤い髪をよりいっそ際立たせて見せてくれる。

「ねえ、パリス」

 突然、話しかけられてパリスは驚いた。

「起きたの」

「うん、寒いから」

 流石に裸のままの放置は良くなかった。
 エレナの身体に見とれて服を掛けるのを忘れてしまった。
 すぐに近くの服を持ってこようとする。

「温めて」

「今服を持っていく」

「パリスが温めて」

 身体を小刻みに動かしながら、エレナはねだる。

「どうしたの」

 いつものエレナならパリスに尋ねずいきなり抱き付いてくる。

「凄すぎて腰が抜けちゃった。動けないから、抱き上げて」

 甘えるように頼み込む。
 時々、エレナは子供のように甘えることがある。
 こういうときは何をしても、言っても無駄なのでパリスは言われたままエレナを抱き上げる。

「あんっ」

 先ほどまでの激しいSEXの余韻が残っているのか、恵那の肌は敏感で、触っただけで艶声を上げた。
 パリスは慎重に抱き上げて、両腕を背中に回して抱きしめる。

「ううんんっっ」

 抱きしめられたエレナは気持ちよさそうに猫のような声を上げる。
 本当に寒いらしく、パリスの胸に潜り込むように顔を埋め身体を密着させる。
 腰が抜けたというのも、本当なのだろう。
 いつもならここでパリスを押し倒しに来る。
 珍しくしおらしく、嬉しそうな笑顔を浮かべるエレナを見て、パリスはそっと髪を撫でる。

「ううんんっ」

 気持ちよかったのか猫のように頭を回し声を上げる。
 その姿が愛おしかった。
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