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第7章 シャル リー ロッテ
シャル リー ロッテ 6
しおりを挟む「ノア様、詳しく教えてもらえますか?」
私は我慢できずにノアに問いかけた。
ちる様を人間にする。 その意味が私には全くわからなかった。
「あぁ、勿論だ。 元々そう言う約束だったしな」
穏やかな笑顔で答えるノアに私は再び申し訳ない気持ちになる。
初めて会った日から二ヶ月程経ったが、ノアの本音を聞くのは今日が初めてになるのだから。
そんな私の気持ちを悟ってかノアは再び呼吸を整えてからゆっくりと話を始めた。
「ちるを人間にしたいってのは少し言い方が間違っていたかも知れない、ちる自身を神から人間に変える事なんて俺には出来ないしな」
「どう言う事ですか? つまりノア様が変えようとしているのはちる様本人じゃなくて他の何かって事でしょうか?」
「あぁ、俺が変えようとしているのは今のこの世界に生きる者達全てのちるに対する認識さ」
「認識? それって……」
「そう、千年前ベルの先祖にあたるソフィアがこの世界にした事。
する事はその逆だけどな。 ちるが神様であると言う認識を、その大前提を覆す。 世界中の人間や獣人にちるを普通の人間だと思わせる事が出来れば、ちるは本当に只の女の子になれると思わないか?」
ノアは声を張り上げて力強く言った。
た、確かにノアの言っている事も一理あるかも知れない。 一体いつからここまでの事を考えていたのだろうかと私は素直に感心する。
だけど、本当にそんな事で上手く行くのだろうか? ノアの能力は確かに特殊かも知れないけど世界中の者達の認識を変える程の力は無いだろう。
それにこの世界にはソフィア様の能力が今なお息付いている。
それを消し去さる事が出来ない事にはそもそも……いや、それは出来るかも知れない。 なんたって私達はそれをさせない為に今迄行動して来たのだから。
「……ユーノ、貴方の意見を聞かせて貰えないかしら?」
ベル様も気づいたみたいだ、このノアの計画にはユーノの力が必要不可欠である事に。
「私はベル様やこの男の邪魔をするつもりはありません。 当初の予定通りちる様に頼まれた事を成し遂げるまでです。
ソフィア様の力を消し去りちる様に関する記憶をこの世界の住人から消し去ります。 それがちる様の願いですから」
ユーノは表情を変える事なく淡々と答えた。
「そう、安心したわ。 貴方はちる様に頼まれた事を成し遂げなさい。 私達も今度はちる様の願いを叶えつつ少しだけ邪魔させて貰う事にするわ」
ベル様はユーノに笑顔を見せてそう返す。
久しぶりに見る迷いの無いベル様の笑顔は私にはとても眩しく見えた。
「あっ、ユーノにはもう少しだけ聞きたい事があったわ」
「何でしょうか?」
「貴方の能力もノアの能力もちる様の力を使って底上げする事になるのよね? それ自体は平気な事なのかしら? まさか命をかける事になったりしないでしょうね?」
「これはこれは、ベル様は私を心配してくださるのですか?」
「なっ! ち、違うわよ! 私が心配しているのはノアの方であって、貴方はついでよ!」
「ふふ、まぁそうですね。 かなりの体力を使う事になるでしょうが死ぬ事は無いと思いますよ、殆どはちる様の力を頼りに使用する事になりますからね。 それにもし私が死ぬ様な事になるのならちる様は最初からこの様な頼みをしないと思いますが?」
ユーノの言う通りだ。 ちる様が誰かを犠牲にして自分の願いを叶えるとは思えない。
「そう、それなら安心したわ」
「まぁあくまでちる様の力に頼った場合ですけどね。 仮にちる様の力に頼らず自身の能力以上の事をしようと思えば間違えなく死に近くのは確かでしょう」
ノアに視線を向けてユーノは答える。 まるでこれからノアがしようとしている事を牽制する様に。
「そう言うものなのかしら? まぁ能力の事は私にはさっぱりわからないけど……ノア、無茶はしないでね?」
「死ぬ様な無茶はしないさ。 約束するよ」
ベル様の視線にノアは観念した様に口を開く。 その言葉にベル様は納得出来ないのか大きく溜息を吐いた後に小さく「約束したからね」っと呟いた。
「ユーノ、もう一つだけ聞きたい事があるわ」
「何でしょうか?」
「……ちる様はどうしてこのタイミングでこの世界から消える事を選んだのかしら?」
ベル様は下唇を噛みながら悔しそうにユーノに尋ねる。
自分が不甲斐ないせいでちる様に消えてしまいたいと思わせてしまったのでは無いかと考えているみたいだ。
そしてこのベル様の質問は私も気になっていた事でもあり、同時に聞くのが怖かった質問でもあった。
「すいません、ベル様。 私も詳しくはわからないのです、ちる様がどうしてこの世界から消えようとしているのか、その胸の内までは理解していないのです」
「……そう」
「ですが、どうしてこのタイミングじゃなきゃ駄目だったのかはわかります」
「そ、それは一体何なのかしら?」
ベル様が恐る恐る口を開いてユーノに尋ねる。 それと同時に私の心臓の鼓動も早くなっていった。
「ちる様が生まれてからもう直ぐ二千年が経つからです」
「……え?」
「これはちる様から聞いたのですが、ソフィア様がちる様を生み出した時に咄嗟に呟いた一言、それが『これから幾千年、この世界を守る神であって欲しい』であったそうです」
「そ、それがどうかしたの?」
「幾千年、言わば何千年もの間この世界の神として君臨して欲しいと言う願い。
ですが裏を返せば千年経つ毎にその願いは達成されていくと言う事です。
そしてその言葉に比例する様にちる様の力は千年に一度少しだけ力が弱まる、それが今この時期と言う訳なのです」
「ソフィア伯母様がそんな事を?」
「ええ、今より千年前にも同じ事を経験したとちる様がおっしゃっていた以上間違いないでしょう。
そして幸か不幸か、ちる様にとって都合の良い能力を持った人間が丁度この時代に生まれた。
ちる様にとってはこれが最初で最後の好機だと感じたのでしょう。 今を逃すとまた千年の間待たなくてはいけないし、何よりその時に私と同じ様な力を持った人間がいるとは思えない。
だからこそ今、このタイミングで消える事をちる様は願った、それがちる様が今消えようとしてる理由です」
いつもの冷静さを忘れたかの様にユーノは声を荒らげ言葉の信憑性を高める。
「ちる様の力が少しだけ弱まると言うのは信じるわ。 だけど弱まっていないとちる様を消す事が出来ないと言うのはどう言う事なのかしら?
ユーノの力があればいつでも実行する事は可能にも思えるのだけれど?
それにユーノやノアはちる様の力を使うのよね? 弱まっている力よりも普段のちる様の力を借りる方が都合が良いんじゃ無いの?」
「確かに普段のちる様の力を借りた方が私達にとっては都合が良いかも知れません。 ですが我々にはどうしてもちる様の力が弱まっている時にしか超えられない問題があるのです」
「越えられない問題?」
「ええ、他でも無いちる様本人が作り出した大きな問題。 五大国を隔てる不可視にして不可侵の壁、この壁の効力が弱まらない限り私やノアの能力が世界の者達に影響を与える事は出来ないのです!」
ユーノの声に熱が篭る。
その口振りにユーノも必死だったのだと、やり場のない悔しさや苛立ちを溜めていたのだと私はようやく気づいた。
ベル様もユーノにこれ以上何かを尋ねる事はせず、頭を下げてお礼と謝罪の言葉を口にした。
そんなユーノを見て奥で佇むリリィが微笑えみユーノの元へ近づく。
「ふふ、少しは本音が出たみたいで安心しました。 貴方が本当にしたい事が何なのか、それを知る事が私の目的でしたがどうやら達成できたみたいですね」
「俺の情けない姿を見たかったって事か? 嫌味な女だ」
「これは失礼。 そんなつもりでは無かったわ、ただ個人的に素直になった貴方を見てみたかっただけですよ。
まぁどっちにしろこれで貸し借りは無しですね。 大分話は纏まってきたみたいですし、これから先私が手伝える事は何も無いでしょうから、約束通りこれからは自由にさせて貰います」
「約束?」
リリィとユーノの会話に私は思わず口を挟んだ。
リリィとは今回の件で初めて顔を合わせた、一体ユーノと何の繋がりがあるのか私はずっと不思議に思っていたから。
「大した事ではありませんよ、シャル様。 ただ昔この男には少し助けてもらった事がありましたので、その時に私が勝手に約束したのです。
いつの日か一つだけ言う事を聞いてあげようとね」
今までとは随分違う優しい雰囲気を身に纏ってリリィは言った。
それにしてもまさかこの女にシャル様と呼ばれるとは……リリィには悪いけど言い表せないむず痒さを感じてしまう。
「俺は一回もそんな約束聞いた事ないんだが?」
「はぁー、だから言ったでしょう? 勝手に私が決めた事だと」
呆れた様に頭をふるい、今度はノアの方へリリィは足を動かす。
「貴方も結構面白い男でしたがユーノには少しだけ及びませんでしたね。 ですが私の願いを叶えてくれた事には感謝していますよ。 ありがとうございました」
「少しどころじゃ無いよ。 あんなとんでも超人に元々勝つつもりはないしな、俺はただの舞台の駒としてあいつの筋書きの一部に徹するだけだよ。 まぁ確かに少しだけ悔しい気持ちもあるから、ちょっとだけ嫌がらせしようとは思うけどね」
「嫌がらせ?」
「あぁ、まぁ見てなよ。 リリィにはお世話になったからな。 もう少しだけ素直なあいつを見せてあげるよ」
私にも聞こえる声でノアはリリィにそう告げた後続け様にユーノに言葉を投げかけた。
「俺もユーノがしたい事は全面的に賛成だ。 勿論上手く行くかはやってみなきゃわからないけど、ベルが言った様にちるがこの世界に居た痕跡さえ消えてしまうのは俺にとっても納得出来ないからな」
「それはつまり私に協力してくれると言う事ですか?」
「勿論さ。 俺はベルとシャルにこの世界に呼ばれたんだ。 二人がそう願うなら俺も協力は惜しまないし何より俺自身の願いの為でもあるからね」
「それは良かったです。 貴方の協力無しではどうしようもありませんから」
「だけどその前に俺からも一つだけ質問しても良いか?」
安堵した様に肩を撫で下ろすユーノにノアは続けて話す。
「何でしょうか?」
「ちるが居なくなった後の世界でお前は何をつもりなんだ?」
ノアの質問にユーノが一瞬で身を強張りさせる。
その仕草だけでユーノにとって聞かれたくない質問だった事はすぐに理解できた。
「全く本当に厄介ですね。 人の心を読める人間と言うのは」
「俺もそう思うよ。 まぁお前の心は読めないけどね」
「それが本当かどうかも疑わしい。 こうも的確に私にとって嫌な質問を聞いてくるんだからな」
ノアに対する敬語を取っ払い、苛つきを隠す事なくユーノは話す。
「ちる様が居なくなった後の事なんて私にもわからない。 壁が無くなった事で他の国との戦争に発展する可能性もあるかもな。 だけどそんな事を今考えていても仕方がないと思うが?」
「あぁ、その後の世界の事はその時代に生きる者達が決める事だからな。
何が起ろうが俺にとってはどうでも良いんだけど、俺が聞きたいのは世界がどうなるかじゃない。 お前が何をしようとしているかって事だ。
勘違いして欲しくないのは俺は別にお前を責めようとしている訳じゃないんだ。 不可侵の壁が無くなって、もしお前が他国に攻め入る事を計画してたとしてもそれを悪い事だと非難するつもりもない。 ただ聞いておきたいだけさ」
ノアの言葉にユーノは口を紡ぐ。
何かを考える様に額に手を当て、やがて観念した様に小さく溜息を吐き出した。
「はぁー、他国の侵略など考えていませんよ。 ですが私にはちる様の願いを叶えた後に、もう一つだけやる事が残されているのも事実です」
「やる事?」
ベル様が心配そうにユーノに視線を向ける。
「えぇ、ベル様。 私は責任を取らないといけないのです、彼らに嘘を吐き続けた責任をね」
「なるほど。 ニクスやテイミー、トラ達の事ですか。 私は兎も角、確かに彼らは貴方が世界を取ると言った事を本気で信じていたみたいですからね」
「あぁ、その通りだ。 あいつらは俺の嘘をずっと信じてついてきてくれたからな。 全てが終わったらあいつらには謝らないといけない。
勿論許してくれるとは思ってないし、最悪殺される事になるかも知れないけどな……それにもしあいつらが俺抜きで他国に攻め入ると言った時は逆に俺があいつらを殺さなきゃいけないだろう。 そうなったらその後に俺も後を追うつもりだ。
愚かな夢を見させたのは俺なんだから」
悲哀に満ちた表情を浮かるユーノに私もベル様も、味方であったリリィでさえ何も言う事は出来なかった。
ユーノは本気で彼らを殺すつもりなのだと、彼らに殺されるつもりなのだとわかってしまったから。
「ちるに関係する記憶を消すんだろ? その時に一緒に彼らの記憶も消したら駄目なのか?」
「そんな事はしないさ、ちる様との約束を破る事になるからね。 それに俺にとってはあいつらと過ごした記憶は大切なものなんだ。 例え死んでも無かった事に出来るもんじゃないのさ」
穏やかな声でユーノがノアの問いかけに答える。
この言葉がユーノの本心なのだとしたら、不謹慎かもしれないが昔の優しいユーノから何も変わっていないんだと私は何処か嬉しくなってしまう。
「そこまで決意が固いとはね、それにしても少しは人間らしい所が見えて安心したよ。 なぁ? お前らもそう思うだろ?」
ノアは私達が入ってきた扉の方へ声を投げかけた。
その声が響き渡ると同時にゆっくりと扉は、開き賑やかな声と共に大勢の人が私達の前に姿を見せる。
「ちょっとトラ! 私より前に歩かないでよ! 図体がでかいんだから一歩下がりなさい!」
「あー? 俺がでかいんじゃなくてお前が小さいだけだろうが!
それにそもそも順番的には俺が一番でおかしく無いだろうが! お前らは俺の後ろを歩いてりゃ良いんだよ!」
「トラもニクスも黙って歩け無いのか? 知能が幼稚だと黙って歩く事も出来ないだな。 同情するよ」
「「あぁん?」」
先頭に立つ三人の言い争いがこの者達が一体何の集まりなのかを私に知らせる。
ノアがこの部屋に呼びこんだのは今までユーノに仕えてた者達だった。
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