そこに入ったら二度と出られない

廃トンネル1

　健太らはそのままパトカーを気にせず脇をそのまま走りぬいた。するとしばらくしてからそのパトカーも健太らの車の後を尾けてくるように一定の間隔を空けながら尾いてきた。

　「ねー、あのパトカーうちらの後を追いかけてくるよ。」

 真由子が不安気にそう言うと、健太は言った。

　「気のせいだよ。普通のパトロールだろ。さあ、もうすぐ旅館に着くぞ。」

 健太らの乗る車が旅館田所屋の駐車場に着くとパトカーはゆっくりとその場所を確認しながら、そのまま走りさった。

　「ねー今の2人の警察官こっちをじっくりと見てたね。」

    「あー見てたな。気持ち悪いな。まったくよ。この地域の奴らてなんか変だぞ。」

春樹と真由子をなだめながら健太が言った。

　「だから気のせいだって、さ、旅館で風呂入って飯でも食ってゆっくりとしようぜ。トンネルは夜にでもこっそり旅館抜け出してまた探索しょう。」

 そう話すと健太らは旅館に入った。旅館に入るなり宿主の老婆が不機嫌そうに健太らを出迎えた。