・・その狂気は伝染する・・

最終章 世界の終焉

松本義徳首相の国家非常事態宣言88

　研究施設から次々と逃げ出す人々の中に奇跡的にラボの中の特殊な大きな容器に入って難を逃れた研究員がいた。彼は野田博士の死亡を確認すると、手にしたマスクを装着し、そして、周りにいる感染し発狂した仲間達に気付かれずに、ラボからある物を持ち出して命からがら逃げ出した。

　「まってくれーー！俺も乗せてくれーー！！」

　自衛隊車両の後ろから手を振る研究員。

　それに気が付いた自衛官は車を止めるように指示を出した。

　「おい、止めろ！！あのマスク姿の研究員はまだ生きてるぞ。」

 研究員を助けだした。自衛官らはそのまま臨時に設けた自衛隊基地へと向かう。

　「よくご無事で。もはや我々自衛隊はああするしかなかったのです。どうかお許しを。」

    「研究施設はもう駄目だし、あの秘密の感染源とされる物を持ち出す事ができなかったのは我々自衛隊の責任でもありす。しかし、また部隊を再編成してからあのラボがある研究施設へと向かうのでご安心を。」

 そう話す自衛官に研究員の飯塚は静かに話した。
　
　「その感染源のパーツと、そして・・もっと"驚くべき物の"記録映像をラボから私は何とか持ち出してきました。」