・・その狂気は伝染する・・

最終章 世界の終焉

松本義徳首相の国家非常事態宣言50

　井上巡査がマイクで呼びかけた瞬間にその男達は振り返ると、奇声を上げながら井上巡査の元へと全力で走ってきた。その男達の顔は青白く、あるもの首から、あるものは腹から、あるものは腕から血が流れていた。

　「なんなんだよこいつら。止まれいいい、そこで止まれ！！」

 井上巡査はバイクから降りてホルスターから拳銃を取り出すと、空に向けて一発撃つと、3人の走ってくる男達に向け警告した。

　「撃つぞ！！！！とまれ！！！！」

井上巡査が最後の警告をしても男達は奇声を発しながら走ってくる。


　"パーン！パーン！！パーン！！！パン！"4発の弾丸が走ってくる男達の胸に命中した。その衝撃で3人の男達は怯み、走るのをやめた。しかし、間をおくと再び奇声を発しながら井上巡査の元へと走りはじめた。

　井上巡査は再び銃を撃つが既に5発入りの弾は使い尽くしていた。

　「なんなんだよ、こいつらは。」

 井上巡査はエンジンがかけぱなしのバイクに跨るとそのまま男達にフルスロットルで突っ込んだ。3人の男達は跳ね飛ばされた衝撃で散り散りに倒れた。そのまま井上巡査は軽自動車の元へと向かうと、車内で震えてる若い女の子を車から下ろすとバイクの後ろへと乗せて、そのまま安全な場所を探して走りだした。