・・その狂気は伝染する・・

最終章 世界の終焉

松本義徳首相府国家非常事態宣言10

　松本総理らはプラスチック再資源化工程をひと通り見学した後に、プラスチックで作られた衣服らを近々行われる世界環境サミットに参加する国々の首脳にプレゼントし、そして日本の再生資源商品の魅力をプレゼンしようと話しあった。

　「当工場の製品をですか？それはそれは日本の再生資源化を世界へアピールできれば、また、世の中がより一層リサイクルに興味を持って頂ければ私どもとしても是非協力したいと思います。」

 京都のプラスチック再資源会社と国家レベルで緊急に仮の官民協力協定書が結ばれた。

　松本総理らはこうして2日間の環境問題取り組み見学ツアー公務を終えて帰ろうとした時に女社長が声をかけてきた。

　「総理、せっかく京都に来られはったんでついでに岩倉具視邸跡地にでも行かれはったらどうです？あそこも近年改築工事が始まり、再資源物がふんだんに使われてはるんどすよ。」

 「岩倉具視かぁ。ああ、あの明治維新の立役者の1人で公家の出身の。」

 あやふやな総理の記憶にすかざす山下が突っ込みを入れた。

　「総理、五百円札の肖像画として使われてたお人ですよ！！」

 思わずその場にいる全員の顔が緩んで笑いに包まれた。