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第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断137

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 明治政府軍が八王子の町の中を威風堂々と闊歩している様子を町の人達は静かに見ていた。誰一人逆らう者などいなかった。

 「八王子千人同心てのはもうすでに解散されとるでごわすな。おいたちに刃向かう者などもう一人もおらぬ。大久保どん、江戸まですぐでごわすな。もし、江戸城で我等に刃向かう者いたら誠に笑い事でごわす。」

 そんな西郷隆盛率いる軍の目の前に一人の男が正座をしながら待っていた。

 「おい、なんだ貴様!!そこをどけ!!この錦の御旗が目に入らなんかぁーーー!!!!」

 先頭を歩く歩兵が銃身でその男の頭を叩いた。男の額は割れ鮮血が吹き出た。

 「頼み申し上げます。私は徳川慶喜公より使わされた山岡鉄舟という者です。是非、総大将西郷隆盛様にご面通りさせて下さりませ。どうか宜しく頼みます。」

 殴られ蹴られて血が吹き出でながらも大声で叫ぶ山岡鉄舟。
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