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第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断96

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それで、近藤勇は板橋の刑場に着き、そこから別の新政府の人間に引き渡されたのだが・・厳しい取り調べに、食べものもろくに与えられず、看守兵から暴行され近藤勇は日に日に衰弱していったそうな。

 そこに、刑場の近くで別の業務をしていた有馬が個人的感情で近藤勇という男をなんとか罪を軽くしてもらいたいと思い、刑場に面会に行ったんだ。

 そして、刑場の責任者であった香川敬三という男に助命嘆願をしたんだが、土佐藩の谷干城という男に阻止され、そのまま死刑宣告をされた。

 その報告をしに近藤勇のもとへと会いにいった有馬はそのやつれかっての精悍な顔つきじゃなくなった近藤勇を見て涙が流れたと言っていた。

 有馬は暴行の痕を見てすぐさま看守兵らに同じ暴行を繰り返すなという警告を出した後に、独断で温かい味噌汁とおにぎりを直接近藤勇の元へと届けた。

 そして、去り際に頭を下げて立ち去ろうとした有馬に声をかけた近藤勇は深々と礼を言うと、自分の形見として刀がある場所を伝えたそうな。
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