・・その狂気は伝染する・・

第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断66

　・・神戸新政府庁舎・・

 旧幕府軍と新政府軍との戦いの最中に起こった急な狂人騒動に同様をみせる若き帝は侍従に対して説明を求めていた。そして、侍従は岩倉具視に此度の顛末に対しての早急な解決を求めた。


　「陛下にはくれぐれもご安心をお伝えください。この２つの大きな問題を解決する策は既に立案されていると。」

 四国や薩摩からは続々と最新式の艦船や兵器、歩兵が神戸港へと到着していた。

　「イギリス軍から大量に買いこんだ兵器の数々。訳の分からない狂人とかいう人間なんぞ、旧幕府軍の残党共々粉々に粉砕してくれるわ！」

 新政府軍参謀総長山県有朋は強気に語る。

新政府軍の計画は極めて短期間において着々と進んでいた。計画の立案者は新政府内で軍略に最も優れた大村益次郎が立案。

大いに拡大しているであろう大阪、京、その周辺の国々においての狂人一掃及び、江戸進行後江戸城陥落、徳川慶喜処刑までに至る軍事計画の一切の作戦計画書を作成し、それを総司令官西郷隆盛に届けた。