・・その狂気は伝染する・・

第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断46

　ついに火ぶたをきった戦いは旧幕府軍による制圧射撃からだった。

　「ほうほう、さすがに旧幕府軍といえども最新式のフランス軍訓練を受けた戦い方をしてくるでごわすな。しかし、その戦いかただけではな。」

 薩摩軍は幕府が洋式訓練を受ける前から、既に近代的な戦術、装備、訓練をしていたため。まだ最新式の武器を使い慣れてない旧幕府軍の攻撃を3倍返しでやり返し、さらに、最新式の戦術で、旧幕府軍の側方から隠れて近づいて一斉射撃し、薩摩軍兵士の腰元に付けてる銃剣を着剣し、接近戦のラッパの吹く合図で、突撃を敢行、たちまち旧幕府軍は多大なる損害を出した。

　伏見方面の旧幕府軍も同じく以前から近代的な洋式訓練を受けている長州軍によってほぼ撃滅させられかけていた。

　長州の後に続く土佐藩らも最新式のミニエー銃や大砲によってさらに旧幕府軍を叩く。

　鳥羽伏見の戦いに参戦した新撰組や見廻り組もほぼ旧幕府軍とともに全滅した。見廻り組隊長佐々木只三郎も戦死、かろうじて残った隊士らも新撰組の生き残りと合流して、土方の一端退却命令によって戦線を離脱していた。

　さらに追い討ちをかける事態が起こった。薩長軍に錦の御旗が翻ったのだった。これにより正式に天皇の軍である官軍となった薩長に対して徳川方は賊軍となり、生き残った旧幕府軍の兵士らは戦場から離脱し、ほぼ旧幕府軍は壊滅した。