・・その狂気は伝染する・・

第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断33

　さっそく近藤勇と土方は伊藤暗殺及び御陵衛士壊滅計画を練った。

　「歳、総司にはなんて言う？あいつの親友でもある藤堂平助を斬るのだからな・・あいつには辛いだろうが、我等新撰組は幕府を守るのが務め。逆賊は例え誰であれ許しはしない。」

 土方はしばし考えたが、おもむろに立ち上がると近藤勇に言った。

　「今総司を呼んでくる。やっぱりよ、直接言うのが一番だろうよ。」

 そう言うと土方歳三は沖田総司を呼びに行った。

　残った近藤勇は後に立て掛けてる愛刀の長曾根虎徹を手に持ち、刀身を半分出すと、そこに顔を覗きながら思った。

　「新撰組の敵は誰一人、これまで逃さなかった・・総長山南さんも鉄の規律において切腹もさせた。筆頭局長だった芹沢先生を始めとする水戸の者達もだ。全ては幕府のため・・」

 新撰組局長近藤勇の決意は堅かった。