・・その狂気は伝染する・・

第三章 狂気と共に明ける明治維新

15代将軍徳川慶喜の決断18

　「若いの命を粗末にするな！長州藩は既に幕府に恭順の意を示した。主君の命に従うが武士ではないのか。」

 高杉晋作に西郷隆盛は優しく諭す。

　「俗論党の奴らに殿様は騙されてるんだぁよ！！貴様ら薩摩の腰抜けどもはこのまま異国に良い様に利用されて平気なのか？薩摩だってイギリス人を斬り捨てただろうがよ。なんで幕府の腰巾着に成り果ててるんだ？」

 「おのれ、聞いておれば、西郷様に向かいこの無礼者がぁ。ちぇすと～」

 血の気の多い薩摩藩士の1人が刀を抜き高杉晋作に斬りかかる。

　「やめんかぁー！こんのばかものがぁ！！」

 西郷隆盛が止めに入った、

　「こんの闘いは既に幕府の勝ちでごわす。お主の事は見逃すゆえ、黙って引き下がれ。その傷じゃ、わしらとは戦えまい。」

 「覚えておけ！！俺の名前は長州藩騎兵隊隊長高杉晋作だぁ！！また近いうちに挙兵してやるからなぁ。覚悟しておけ。」

 そう言うと高杉晋作は引きあげた。

　「騎兵隊の高杉晋作でごわすか。覚えておこう。また会いもんぞ！」