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第二章 狂気に憑かれし者達との戦いが始まる

8代将軍吉宗の戦い33

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 見張りの番兵に何か変わった事はないか尋ねる川上。

 「ここしばらくあの鎖に繋がれてる狂人に何か変わったことはないか?」

    「特に異常はありませぬが、ただ夜更けを過ぎると、壁を爪で引っ掻きまわすくらいでございまする!」

 川上は狂人の牢屋の前に立ちその壁を見た。

 「これは凄まじい爪痕。しかもこやつの爪は全て剥がれ落ちている。これは、ここを出るための行為なのか・・だとしたら頭を使い始めたのかもしれぬ・・」

     「うううーぐぁぁああ!!ガシャ!!」

 狂人は川上を見ると鉄格子にうめきながら走りこんできた。

 「なんという凄まじき殺気・・この狂人の腕力も常人の2倍はあろうか。」

 しばらく考えた後川上は牢屋の外にいる番兵に一言いった後に牢獄を後にした。

 「何か変わった事あれば、即刻教えよ!そして、牢屋の前には決して近づくなよ。警備を怠るな。」

     「はっ!」


 その夜、城から離れた牢獄の近くに一人の女が忍び込もうとしていた。その女は行方不明になった侍葛城の妻であった。


 
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