・・その狂気は伝染する・・

第一章 狂気の根源

徳川忠長の秘密20

 「そんな事をしたらますます幕府からの嫌疑が深まり、殿は切腹申し渡されるやもしれんぞ？」

 「他に妙案はないであろう？致し方ないのだ・・他に手立てがあるものは申してみろ？」

一同他に案はなく、忠長の部屋へ行く藩士達を呼び寄せ事の顛末を説明した後に、忠長を取り押さえるために、忠長のいる二階の奥の部屋へと向かった。

　忠長のいる部屋の前についた途端に辺りは血の生臭い臭いが包み込んでいた。

行灯の火は消え真っ暗であった。

　「お・おい・・殿は何をなされてるのだろう・・」

家老の1人は恐怖心がこみ上げながら他の家老達に言った。

　そして、藩士2人を部屋へと突入させた。

　「サーッ！」
藩士の1人は障子を開けて中へと入る。