aからeに変わると

厘斗

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aからeに変わると

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私の名はヒマワリ。
××教の教祖なの。
私の宗教はa神を信仰するの。
私はこの宗教の神様を物凄く信じているの。
だからa神様にずっと祈るの。
a神様に祈ると救われる。
そしてこの近くに○○教の国がある。
○○教は勢力が強い宗教だ。
○○教はe神を信仰しているの。
まあ、私は何があってもe神様を裏切らないけど。

やばい、今日もa神様に祈っていたらこんな時間。
急がないと。
「お嬢様」
後ろから声を掛けられた。
後ろを見るとイケメンの男性だった。
「ハンカチを落としました」
あ、いつの間に!?
「ありがとうございます」
男性はハンカチを返した。
て、あれ?
いつもならその後その場を離れるけど、
足が動かない。
顔は男性に向けたままだ。
もしかして私・・・。
「髪型可愛いですね」
「えっ」
ドキッとした。
ほっぺたが真っ赤になった。
「わたくしはゲッケイジュです」
握手した。
手はあたたかい。
あれその指輪って・・・。
私と同じ××教の信者の証、鉄でつくられた指輪だ。
「わたくし、引っ越してきたばかりで、
この国が異教徒だったらとそわそわしていましたが、
同じ××教だったのでとても安心しました・・・て、」
ゲッケイジュ様は私を見つめて、
「貴方はもしや××教の教祖、ヒマワリ様じゃないですか!」
目を輝かせてた。
「ええ」
私は頷いた。
「お会いできて、光栄です。
よかったら、今夜うちに来ませんか」
私はオロオロしながら頷いた。

数ヶ月後

私はすっかりゲッケイジュ様が好きになった。
ゲッケイジュ様も私のことが好きだ。
つい最近、ゲッケイジュ様に告白されてしまった。
勿論OKした。
「よーし」
私はお祈りを始めた。
「今日で何回目ですか?」
ゲッケイジュ様は目を丸くして見つめた。
「それほどa神様を信仰しているのですね」
「ええ」
私は人一倍祈っている。
でも彼は一日しか祈らない。
するとゲッケイジュ様が口を開いた。
「じゃあ、もしも突然eになったらどうしますか?」
「どういう意味です?」
「aからeに変わったら・・・」
しかし途中で口を閉じてしまった。
最近そんな感じだ。
おかしくなってしまったのかしら?

ある日のこと

私はいつもどおり教会に行った。
そして戸を開けた瞬間、
「教祖様!!!!」
信者達が飛び出してきた。
「何事です?」
「攻めてきました。○○教が・・・!」
「なんですって!!!」
私は急いで外に出た。
辺りが燃えている。
そんな・・・
「取りあえず、中に避難してください!!」
信者たちに呼びかけた。
そうだ、ゲッケイジュ様は?
急いで探しに行こうとした瞬間。
「見つけたぞ、捉えろー!」
聞き覚えのある声と同時に、
○○教の信者たちがいっせいに私を取り押さえた。
「どうだい?eになった気分は」
私はハッとして顔を上げた。
声の主はゲッケイジュ様だった。
「どうして・・・どうして・・・こんなことを」
ゲッケイジュ様は指輪を投げ捨てた。
指輪はアルミでできた偽物だった。
ちょっとまって。
ずっと前から聞いたことがある。
ゲッケイジュって・・・・・。

そうだ!○○教の教祖だ。
「計画通りになりましたね、教祖様」
「ヒマワリ、俺はこの国に戦争を仕掛けるため、
××教の信者に偽造していたのさ」
「よくも・・・よくも・・・」
「そもそも、てめえは祈るばかりの日常だ。
だから、存在を変えてあげたのさ。
我々の獲物に」
そんな・・・そんなことあるの・・・?。
私はショックで何も喋れない。
「でも忠告した」
「え?」
「祈るから、獲物に」
どういうこと?
忠告なんて・・・・。
「aからeに変わるとどういう言葉になる?」
「!!!!!」

                                                      (私の日常)
                                                          pray
                    ↓                                           
                  aをeに変える
                    ↓
                                                           prey


やっと気づいた。
「ヒマワリ、
お前は我々の獲物になることを伝えてやったのに・・・。」
「ゲッケイジュ様、信者を全員捕まえました」
「よろしい。皆の者、異教徒の命をe神様に捧げるぞ!」




               〔言ったでしょ?aからeに変わると・・・〕
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