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第1章 運命と出会い
第二話 心の戦いと出会い
しおりを挟む僕は地竜に向かって駆けていた。
体が軽い。
今までの僕、リオ・クロードから生まれ変わったという錯覚をおこしそうなくらいに……
尾による攻撃を紙一重でかわす。
そしてすれ違いざまに腹に向かって小太刀で斬りつけた。
殺った! そう思ったのも、つかの間……
”キーン”と乾いた音を鳴らして小太刀がはじかれる。
斬りつけたはずの地竜の鱗には傷一つない。
それどころか、小太刀がはじかれた隙を突かれ、地竜の攻撃が僕の身に直撃した……
ヤバい、と思う間もなく身体は宙を舞う。
程なくして体に強烈な痛みと衝撃が走る。
それと同時に弱気な考えが頭をよぎる
”俺はここで死ぬのか…”
”こんな格上の相手に、敵うはずないじゃないか”
”こんなに魔物相手に、生き残れる可能性は皆無だと、分かっていたはずだろう”
”運命だと割り切るんだ”
そんな僕の、心の葛藤をよそに地竜は一直線に僕の方へと向かってくる。
弱気な考えを押し殺して僕は頭と体を無理やり再起動させた。
僕は懸命に地竜を倒す方法を考える
地竜の特徴はドラゴンの中でも飛べないこと。
しかしながら、その巨体を生かして攻撃してくる。
ならば、その攻撃を全て見切れば負けることはない。
しかし、攻撃が通らない以上、勝つこともできない……
どうやって倒す?
まず考えたのは、地道にHPを削ること。
しかしそれは今の自分の能力からして現実的ではない。
ならば、残る手段はたった一つ…
魔物の体内のある魔石を破壊することだけだ!
ドラゴンの魔石はどこだ・・・
考えろ! 思い出せ!
心臓か、腹か…
いや、どれも違う……
思い出した!
頭だ! それも、人間でいう眉間だ!
でも、どうやってドラゴンの魔石を破壊する?
攻撃が通らない中で、どうやって……
『剣に、魔力を流せ』
『自分の想いを乗せて』
その声と同時に、僕は走り出していた。
何かに突き動かされるように、僕の目は地竜の眉間というたった一点を見つめている。
『口元に注意しろっ! ブレスが来るぞ!』
しかし、僕の耳には入らない。
『よけろ------------!』
その声でやっと自我を取り戻す。
が、しかし、ブレスは目の前まで迫っていた。
「ああ、死んでしまった……」
「結局、僕はここまでの人間だったんだなぁ…」
人間の生存本能なのだろうか、恐怖心で目をつぶる。
1秒 2秒・・・
いつまでたってもその時はおとずれない。
ふっと目を開けるとひとりのエルフの女剣士が戦っていた。
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