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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》
88話 貴族とわたし
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オーガの討伐証明を回収したわたしのところに貴族っぽい男性が騎士風の男達を伴ってやって来ました。
貴族だと面倒です。
最近、何度か貴族に「配下になれ」とか「薬を作れ」とか絡まれました。
辺境伯家のメダルを見せて、フレイド様を通してくれと伝えると逃げて行きます。
1人だけ、本当に困っていたのかフレイド様を通して薬の調合を依頼してきましたので、その依頼は受けました。
報酬も良かったですし。
この貴族(多分)はどう出るのでしょうか?
想定できるのは……
1、「我々の獲物を奪うとは、下賎な冒険者風勢が!」パターン。
2、「なかなか腕が立つではないか、私の部下にしてやろう。光栄に思うが良い」パターン。
3、「ぐへへへ、なんて美しい女性なんだ!私の妾にしてやろう」パターン
4、「巻き込んでゴメンね」パターン
以上の4パターンです。
本命は3ですね。
わたし、罪な女です。
「君、怪我は無かったか?
済まない、まさか森に人が居るとは思わなかったんだ」
大穴の4でしたか。
意外ではありますが、フレイド辺境伯の様に尊敬に値する貴族も存在する事は分かっています。
「はい、大丈夫ですよ。
このオーガはわたしが頂いても良いですか?」
「もちろん、君が討伐したのだからね。
我々は追い払うのがやっとだった」
「ありがとうございます」
「それで君は何者だい?」
「わたしはユウと言います。Bランク冒険者です」
「Bランク! そうか、わたしはミルガン子爵家の当主、ラクガン・フォン・ミルガンだ。
この度は危険な目に合わせてしまって済まなかった」
ラクガン子爵はフレイド様と同年代くらいの紳士です。
わたしの様な平民にわざわざ馬車から降りて来て謝るとは、なかなか出来た貴族です。
「オーガくらい何ともないですから気にしないで下さい。
ところでラクガン子爵様の護衛は3人だけなのですか?」
わたしは気になった事を聞いてみました。
貴族家の当主が旅をするのには護衛が少なすぎます。
普通はもっと多くの騎士や従者などを引き連れて移動するものです。
別に無駄にお金を掛けて移動している訳ではありません。
旅をすれば、当然、途中に立ち寄る町や村で宿を取ったり、食料などを購入する必要があります。
貴族の移動ともなれば、かなりの経済効果があるのです。
お金を民に回す為に必要な行為なのです。
しかし、ラクガン子爵のお供は、馬車の御者を入れても4人しか居ません。
「ああ、急ぎ、ガストに用が有ってな。
素早く移動する為、我が領でも腕の立つこの3人を連れてきたのだ。
オーガ1、2体くらいなら問題ないのだが、強行軍で疲労している所に5体の群れだからな。
追い払うのがやっとだった」
「そうでしたか、大変でしたね。
では、わたしはこの辺で失礼します」
「待ってくれ」
う、離脱に失敗しました。
この後の展開は数々の小説で目にして来ました。
「ガストの街まで護衛に加わってくれないか?」
そうですよね。
定番です。
どうしましょうか?
別に断っても良いのですが、なかなか誠実な貴族の様ですし、わたしも別に急いでいる訳ではありませんからね。
「分かりました、良いですよ」
「有り難い、よろしく頼む」
わたしは貴族の護衛に加わってガストに戻る事にしたのでした。
貴族だと面倒です。
最近、何度か貴族に「配下になれ」とか「薬を作れ」とか絡まれました。
辺境伯家のメダルを見せて、フレイド様を通してくれと伝えると逃げて行きます。
1人だけ、本当に困っていたのかフレイド様を通して薬の調合を依頼してきましたので、その依頼は受けました。
報酬も良かったですし。
この貴族(多分)はどう出るのでしょうか?
想定できるのは……
1、「我々の獲物を奪うとは、下賎な冒険者風勢が!」パターン。
2、「なかなか腕が立つではないか、私の部下にしてやろう。光栄に思うが良い」パターン。
3、「ぐへへへ、なんて美しい女性なんだ!私の妾にしてやろう」パターン
4、「巻き込んでゴメンね」パターン
以上の4パターンです。
本命は3ですね。
わたし、罪な女です。
「君、怪我は無かったか?
済まない、まさか森に人が居るとは思わなかったんだ」
大穴の4でしたか。
意外ではありますが、フレイド辺境伯の様に尊敬に値する貴族も存在する事は分かっています。
「はい、大丈夫ですよ。
このオーガはわたしが頂いても良いですか?」
「もちろん、君が討伐したのだからね。
我々は追い払うのがやっとだった」
「ありがとうございます」
「それで君は何者だい?」
「わたしはユウと言います。Bランク冒険者です」
「Bランク! そうか、わたしはミルガン子爵家の当主、ラクガン・フォン・ミルガンだ。
この度は危険な目に合わせてしまって済まなかった」
ラクガン子爵はフレイド様と同年代くらいの紳士です。
わたしの様な平民にわざわざ馬車から降りて来て謝るとは、なかなか出来た貴族です。
「オーガくらい何ともないですから気にしないで下さい。
ところでラクガン子爵様の護衛は3人だけなのですか?」
わたしは気になった事を聞いてみました。
貴族家の当主が旅をするのには護衛が少なすぎます。
普通はもっと多くの騎士や従者などを引き連れて移動するものです。
別に無駄にお金を掛けて移動している訳ではありません。
旅をすれば、当然、途中に立ち寄る町や村で宿を取ったり、食料などを購入する必要があります。
貴族の移動ともなれば、かなりの経済効果があるのです。
お金を民に回す為に必要な行為なのです。
しかし、ラクガン子爵のお供は、馬車の御者を入れても4人しか居ません。
「ああ、急ぎ、ガストに用が有ってな。
素早く移動する為、我が領でも腕の立つこの3人を連れてきたのだ。
オーガ1、2体くらいなら問題ないのだが、強行軍で疲労している所に5体の群れだからな。
追い払うのがやっとだった」
「そうでしたか、大変でしたね。
では、わたしはこの辺で失礼します」
「待ってくれ」
う、離脱に失敗しました。
この後の展開は数々の小説で目にして来ました。
「ガストの街まで護衛に加わってくれないか?」
そうですよね。
定番です。
どうしましょうか?
別に断っても良いのですが、なかなか誠実な貴族の様ですし、わたしも別に急いでいる訳ではありませんからね。
「分かりました、良いですよ」
「有り難い、よろしく頼む」
わたしは貴族の護衛に加わってガストに戻る事にしたのでした。
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