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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

2話 異世界とわたし

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 いつの間にかわたしは1人、森の中に立っていました。

「此処が異世界でしょうか?」

まずステータスを開いてみます。

楠木 優香  15歳

異世界人

魔法適正 【水】 【木】 【闇】
               【召喚魔法】

料理人《調理》《味覚強化》《解体術》
薬師   《調薬》《診断》《魔力付与》
          《乾燥》《粉砕》

スキル
・速読術
・家事
・基本礼法

付与スキル
・アイテムボックス【時間停止】
・異世界言語
・マッピング
・危機察知
・鑑定
・身体強化
・魔力増加
・精神強化
・異常状態耐性
・武芸百般

!?
 何故か年齢が15歳になっています。
 たしかに定番ですがまさか若返るとは思いませんでした。

 わたしは自分の身体を確認します。
身につけているのは少しゴワゴワした丈夫そうな服とマントです。
 肩から大きめのカバンを下げていました。
 腰には剣があります。ショートソードと言うやつだと思います。

剣を軽く振ってみます。
 剣を振るったのは初めてですがかなり鋭い一撃が出せました。
 恐らくスキル《武芸百般》の効果です。

わたしは剣に《鑑定》を使ってみました。

《ショートソード》

中級品ノーマル

鋼で作られた量産品の剣

特殊効果
・なし

剣の詳細を見る事が出来ました。
どうやら普通の剣らしいです。
次にアイテムボックスの中を確認します。

「数日分の食料と包丁や鍋、擂鉢やフラスコとかの料理人、薬師として使う道具に幾らかのお金」

わたしはひとつひとつ並べていきます。
 お金は鉄貨、小銅貨、銅貨がそこそこ、小銀貨、銀貨が数枚、小金貨が一枚だけありました。
 神様に頂いた知識によると贅沢をしなければ数ヶ月は生きて行ける位の金額です。
そしてわたしはアイテムボックスからスロットで貰ったローブを取り出して《鑑定》します。
 
《夜天のローブ》

伝説級レジェンド

闇属性の魔力が込められたローブ。

特殊効果
・対物対魔防御上昇
・闇属性上昇
・温度調整
・隠蔽

 どうやらかなり高性能なアイテムの様です。
早速マントをアイテムボックスに仕舞い、夜天のローブを身につけます。
肌触りがとてもいいです。

今度は魔法を使ってみようと思います。
 属性魔法は体系化された汎用魔法スタンダードと自分で作成する固有魔法オリジナルの二つに分けられます。
そして属性魔法とは異なる性質を持った特殊魔法ユニークが有ります。
 わたしの適正は【水】【木】【闇】です。
適正が無い魔法は使えない訳では無いですが適正がある魔法に比べると極端に扱いが難しくなる様です。

「水よ 集え ウォーターボール」

水属性の初級魔法を唱えてみました。
 わたしの右手に集まった水が手を向けた先の木当たり、大きく揺らします。

「おぉ!」

 初めての魔法に感動します。
その後、木属性、闇属性の魔法を試しました。
次に特殊魔法ユニークです。
 錬金術や死霊術、仙術など属性魔法以外の魔法を特殊魔法ユニークと呼びます。
わたしの魔法は召喚魔法です。
本来、召喚魔法は魔物と戦って屈服させたり、信頼関係を築いたりした上で契約を結ぶ物なのですが、わたしはすでに4体の魔物を召喚出来る様です。

・Aランク  サンダーバード
・Cランク  サイレントオウル
・Eランク  バードランナー
・Eランク  ソニックフェザー

以上の4体が召喚出来る様です。
わたしは早速Aランクのサンダーバードを召喚してみる事にしました。

「契約により 扉を開く 羽ばたく雷光を我が元に  召喚サモン 雷鳥サンダーバード

わたしの目の前に直径3メートル位の魔方陣が現れました。

「え!あれ!?」

  ところが上手く魔力が制御できず魔方陣は光となって砕け散って仕舞いました。 
  どうやらまだわたしではAランクのサンダーバードは召喚出来ないようです。

「契約により 扉を開く 地を駆ける翼を我が元に 召喚サモン 走鳥バードランナー

改めてEランクのバードランナーを召喚してみました。
直径1メートル位の魔方陣から体格の良いダチョウのような魔物が現れました。
  さて、まずは名前を付けなくてはいけません。
  チョ○ボと名付けたい所ですがやはり此処はオリジナリティのある名前を付けてあげるべきでしょう。

わたしはバードランナーの体を見つめます。

カモノハシの様な平たい嘴

円らな瞳

白い翼は羽根先に行くほど赤みが差してピンク色になっていきます。

「白…ピンク…モモ!モモと言う名前はどうかな?」
「ぐぁ~」

 どうやらわたしのオリジナリティ溢れるネーミングを気に入ってくれた様です。

「これからよろしくね、モモ」
「がぁ!」

 それではいよいよ街に向かおうと思います。
街の場所は分かりませんが《マッピング》に街道が表示されています。
街道沿いに進めば何処かの街に着くはずです。

早速モモの背中に乗って頭の中に浮かんだ《マッピング》の地図を頼りに森の中を駆け出しました。
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