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もう少しだけブームは続きそうです。

7話 新たな冒険

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  地図、方位磁針、ロープを20メートル、毛布、カンテラ、雑用ナイフが3本、枝払い用の鉈、一応火打ち石も入れておきましょう。
  それと、ポーション、解毒薬、煙玉、虫除け、火傷薬。
  あ!
  この解熱薬、もう傷んでいますね。

ポイ
  変色してしまっていた解熱薬を他の処分品と同じ場所に置きます。

  擂鉢、フラスコ、アルコールランプ、小鍋、三脚。
  わたしは、ベッドに広げられた品々を次々とマジックバッグに詰め込んで行きます。
  干し肉と干し野菜、堅パンなどの保存食、水2樽、塩と砂糖、そして香辛料を少し…………やっぱり香辛料はもう少し持って行きましょう。
  時間が停止するお母さんのアイテムボックスが羨ましいです。
  最後に武器を確認したわたしは不用品を処分して3年間暮らした部屋を後にしました。
  

   クラスメイトのみなさんと合流したわたしは、アカデミーの門の前までやって来ました。

「では、わたしはこの辺で」

「ああ、元気でな」

「ちゃんと会いに来いよ」

「またね、ユリ」

「ロックドック王国に来る事があったら是非、訪ねて来て下さい」

  口々に別れを告げる友人達に頷きを返します。

「はい、必ずまた会いましょう」

   こうしてわたしはアカデミーを卒業したのです。
 
  グルガスとダガンは実家の領地へ戻り、ピューリーも故郷のロックドック王国に帰るそうです。
  そして、ルクラなのですが……彼女はグルガスと婚約したのです。
  1度、魔国に帰ってから改めて帝国に来て嫁入りするらしいです。
  結婚はおそらく数年後、式には呼んでもらうつもりです。
  
  さて、肝心のわたしなのですが、わたしは冒険者として旅に出るつもりです。
  お母さんも色々と旅をしていろんな経験を積んだと聞きます。
  そこで、わたしも旅に出る事にしたのです。
  

  その第一歩としてやって来たのがここ、冒険者ギルドです。
  スイングドアを通り中に入ります。

「ふぅ」

  中はガストのギルドとあまり変わりませんね。
  右の壁際に依頼板クエストボード、左はギルドが運営する酒場、そして正面には受付があります。
  早速、冒険者として登録するとしましょう。
  わたしは手の空いている受付嬢さんの所に向かいます。

「すみません」

「はい、ご依頼ですか?」

「いいえ、冒険者登録をお願いします」

「はい、ではこちらに……」

「おいおい、俺の聞き間違いか?
  今、このガキが冒険者になるって聞こえたぞ?」

  おお!
  冒険者ギルドに入ると早速絡まれました。
  お母さんが言っていた通りです!

「この距離で聞き取れなかったのなら治療院に行って診て貰う事をお勧めしますよ」

「ああん?
  調子に乗ってんじゃねぇぞ?
  てめぇみてぇな裏切り者が冒険者に慣れるとでも思ってんのか?」

  わたしは絡んで来たアホを無視して受付嬢さんが取り出した書類に記入して行きます。

「おい、こら、無視かてめぇ?」

「おい、何の騒ぎだ?」

「あ、兄貴、す、すいやせん。
  このガキに世の中のジョーシキって奴を教えてやろうと……」

  様子がおかしいのでチラリと見ると兄貴とやらがわたしを見て若干顔色を悪くしています。

「兄貴?」

「ちっ、くだらねぇ事してんじゃねぇ」

「ちょ、兄貴!」

  兄貴とやらは、踵を返すとスタスタとギルドを出て行きます。
  
「いいからやめとけってんだろ!
  おい、俺は止めたからな」

  何やらわたしに自分は無関係だとアピールした男はさっさとギルドを出て行きました。
  何だったのでしょうか?

「何なんだ?
  まぁ、いいか。
  おい、裏切り者のガキ、さっさと消えろ」

  ふむ、さっきの男については良く分かりませんがこのアホが喧嘩を売っている事は分かります。
  こういう場合の対処法もお母さんからしっかりと教わりましたからね。
  わたしは薄く笑みを浮かべながら喚いているアホに手を伸ばすのでした。



【おまけ:人物紹介】

○バラン
  Bランク冒険者、裏組織幹部。
  慎重で用心深い冒険者。
  たまたま、ギルドで見かけた少女が、かつて関わったAランク冒険者の関係者だと一目で見抜くと速やかに退避した。
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