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もう少しだけブームは続きそうです。
6話 交流戦
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帝国アカデミーの訓練所の2階にある貴族用の見学席には、グリント帝国だけではなく、ミルミット王国からも招待された貴族が見学に来ている。
その見学席に新たな人物が現れた。
「あら、遅かったわね」
席に座っていた女性、テスタロッサが遅れてやって来たアルベルトに声を掛ける。
「はい、帝国の方との会談が少し長引いてしまいまして。
まだ、始まっていないようですね」
テスタロッサの近くの席に腰を下ろしたアルベルトは舞台の方に視線をやる。
そこにはアルベルトの娘を含めた10人の学生達が5対5で向かい合っている。
アルベルトが見たところ、10人は皆、同年代の中では突き出した実力かあると感じる。
中でも恩師の娘であるユリ、親友達の娘であるセレスティア、そしてアルベルトの娘、フラウの3人は個人としての戦闘力なら同年代トップクラスだろう。
審判役の教員が進み出て来て試合の開始を告げた。
「あら?」
「おおぅ?」
試合の開始と同時にセレスティアとフラウが飛び出し2人でユリを倒しにかかったのだ。
そうして、残りの4人を3人で抑える。
「ユリをセレスティア殿下とフラウの2人で先に倒してしまう作戦の様ですね」
「あの3人以外の7人の実力はそう変わらないみたいね。
それならユリを倒せば学院が有利になるかしら」
「そう簡単には行きませんよ」
テスタロッサの言葉に答えたのは新たにやって来た人物だった。
「あら、マーリン。
久しぶりね」
「お久しぶりです、テスタロッサ様。
アルも久しぶり」
「久しぶり、マーリン」
「それで、そう簡単には行かないって?」
「はい、ご覧下さい」
そう言ってマーリンは舞台を指し示す。
舞台上では、大剣を構えたセレスティアと両手に短槍を手にしたフラウがクレイモアを装備したユリと打ち合っている。
少し離れた場所では学院の3人とアカデミーの3人が戦っていた。
そして、アカデミーの3人のすぐ後ろで前衛の3人とユリに指示を出している魔族の少女。
「なるほど、指揮官の違いか」
「ええ、学院側で全体の指揮ができるのはセレスティアくらいよ。
リーダータイプの子は居るんだけど指揮官タイプは彼女1人、それに比べてアカデミー側のあの魔族の子は指揮官としてかなり有能よ。
しかも、支援魔法使い。
上手くユリと前衛の3人を指揮しつつ援護を飛ばしているわ」
確かに学院側には始めの勢いが無くなって来て、アカデミー側が押して来ている。
セレスティアの大剣を弾き返したユリは、召喚魔法でクレイモアを消し、新たに鞭を召喚すると、フラウが放った投げ槍を叩き落した。
更に鞭を薙刀に取り替えると再びセレスティアと斬り合い始める。
学院の狼人族の生徒が強力な身体強化で踏み込むが、アカデミーのドワーフの生徒がゴーレムを作り出して対抗している。
また、ハーフエルフの生徒は、大楯を器用に操り、大柄な生徒のメイスを受け流している。
魔法使いの生徒は次々と魔法を放つが両手に短剣を持った生徒がさ防ぎ切る。
拮抗していた実力を持っていた生徒達だったが指揮と支援の差が次第に出て来たのか数十分後、アカデミー側の勝利が決まった。
【おまけ:人物紹介】
○テスタロッサ・フォン・メルーシア
メルーシア侯爵夫人。
自身も伯爵位を持ち、色々と国の為に動いている。
未だに怪人108面相とやり合っている。
2人の子持ち。
マリルは現在妊娠中の為欠席。
○アルベルト・フォン・ガスト
ガスト辺境伯。
辺境の地を治める貴族。
ある日、《雷鳥の止まり木》を訪れた際、ユウとお茶を飲んでいた魔族の女性に一目惚れ、猛アタックの末、周囲の反対を押し切り妻に迎えた。
その見学席に新たな人物が現れた。
「あら、遅かったわね」
席に座っていた女性、テスタロッサが遅れてやって来たアルベルトに声を掛ける。
「はい、帝国の方との会談が少し長引いてしまいまして。
まだ、始まっていないようですね」
テスタロッサの近くの席に腰を下ろしたアルベルトは舞台の方に視線をやる。
そこにはアルベルトの娘を含めた10人の学生達が5対5で向かい合っている。
アルベルトが見たところ、10人は皆、同年代の中では突き出した実力かあると感じる。
中でも恩師の娘であるユリ、親友達の娘であるセレスティア、そしてアルベルトの娘、フラウの3人は個人としての戦闘力なら同年代トップクラスだろう。
審判役の教員が進み出て来て試合の開始を告げた。
「あら?」
「おおぅ?」
試合の開始と同時にセレスティアとフラウが飛び出し2人でユリを倒しにかかったのだ。
そうして、残りの4人を3人で抑える。
「ユリをセレスティア殿下とフラウの2人で先に倒してしまう作戦の様ですね」
「あの3人以外の7人の実力はそう変わらないみたいね。
それならユリを倒せば学院が有利になるかしら」
「そう簡単には行きませんよ」
テスタロッサの言葉に答えたのは新たにやって来た人物だった。
「あら、マーリン。
久しぶりね」
「お久しぶりです、テスタロッサ様。
アルも久しぶり」
「久しぶり、マーリン」
「それで、そう簡単には行かないって?」
「はい、ご覧下さい」
そう言ってマーリンは舞台を指し示す。
舞台上では、大剣を構えたセレスティアと両手に短槍を手にしたフラウがクレイモアを装備したユリと打ち合っている。
少し離れた場所では学院の3人とアカデミーの3人が戦っていた。
そして、アカデミーの3人のすぐ後ろで前衛の3人とユリに指示を出している魔族の少女。
「なるほど、指揮官の違いか」
「ええ、学院側で全体の指揮ができるのはセレスティアくらいよ。
リーダータイプの子は居るんだけど指揮官タイプは彼女1人、それに比べてアカデミー側のあの魔族の子は指揮官としてかなり有能よ。
しかも、支援魔法使い。
上手くユリと前衛の3人を指揮しつつ援護を飛ばしているわ」
確かに学院側には始めの勢いが無くなって来て、アカデミー側が押して来ている。
セレスティアの大剣を弾き返したユリは、召喚魔法でクレイモアを消し、新たに鞭を召喚すると、フラウが放った投げ槍を叩き落した。
更に鞭を薙刀に取り替えると再びセレスティアと斬り合い始める。
学院の狼人族の生徒が強力な身体強化で踏み込むが、アカデミーのドワーフの生徒がゴーレムを作り出して対抗している。
また、ハーフエルフの生徒は、大楯を器用に操り、大柄な生徒のメイスを受け流している。
魔法使いの生徒は次々と魔法を放つが両手に短剣を持った生徒がさ防ぎ切る。
拮抗していた実力を持っていた生徒達だったが指揮と支援の差が次第に出て来たのか数十分後、アカデミー側の勝利が決まった。
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ある日、《雷鳥の止まり木》を訪れた際、ユウとお茶を飲んでいた魔族の女性に一目惚れ、猛アタックの末、周囲の反対を押し切り妻に迎えた。
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