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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第3部《交錯する戦場》
11話 ガスト辺境伯領領主代理 ユーリア・フォン・ガスト
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メイドのラピスはユーリアの髪を編み上げて行く。
長い髪を邪魔にならない様にまとめるとユーリアはラピスを伴い部屋を出る。
そこには執事長であるシルバが待っていた。
「ユーリア様、本当に行かれるのですか?」
ユーリアに深く頭を下げた後、シルバは問い掛けた。
「はい、私はお父様やお兄様にこの街を任されたのです。
だから…………私も戦います」
連合軍と魔族軍の戦端が開かれた翌日、ガストの街にも魔物の軍勢が迫っていた。
騎士団や義勇兵を率いてグリント帝国へ向かったガストの街の領主、フレイド辺境伯と長男のアルベルトの代わりに領主代理を任されたのは、フレイド辺境伯の娘であるユーリアだった。
そんなユーリアは、辺境の崖を乗り越えた魔物がもう直ぐこの辺りまでやって来ると言う報告を受けた。
ユーリアは直ぐに残っていた騎士と冒険者を集めると街の防衛の為に布陣した。
そして、ユーリア自らが戦線に加わろうと言うのだ。
周囲の人々は勿論止めた。
ユーリアは武術の鍛錬を積んでいる訳ではなく、むしろ常人よりも体力的にハンデのあるホビット族の血を多く継いだハーフホビットだ。
確かに住民に人気のあるユーリアが戦場に立てば、多くの冒険者や腕に覚えのある者達が集まるだろう。
しかし、当然リスクも高い。
だが、同時に大きなメリットもある。
士気が上がる事は勿論、ユーリアは強力な魔法使いなのだ。
実践では試した事は無いが、得意な土属性魔法なら最上級魔法にも成功している。
多数の魔物を相手にするのに強力な魔法は非常に有効なのだ。
「街の中で隠れていても撃退出来なければ同じです。
それに、後ろから魔法を撃つだけですから大丈夫ですよ」
「…………分かりました。
ただ、一つだけ。
決して私の側を離れないとお約束下さい」
「はい、よろしくお願いしますね、シルバ」
ガストの街から少し離れた平原に簡易的な砦が作られている。
しっかりと作られた物ではなく、ユーリアが土壁の魔法でつくった壁に街の男達が少し手を加えた簡易的な物だが問題ない。
この防衛戦の間保てば良いのである。
「ユーリア様!」
「ユーリア様だ」
砦に居た者達はユーリアの到着気付くと笑顔を浮かべる。
そんな人々にユーリアは笑顔を返し、時には声も掛けて回る。
1番大きな天幕に入ると2人の人間がユーリアを待っていた。
今回、直接冒険者達を指揮する予定のAランク冒険者リュミナスだ。
「ユーリア様、すでに先頭の魔物は危険地帯を抜け、世界樹がある崖に到達しているようです。
今日の昼にはここにやって来ると予想されます。
また、少数ですが魔族の姿も確認されています」
「そうですか、私は魔物の群れに魔法を放つ事しか出来ません。
冒険者様達の指揮はリュミナス様にお任せしてよろしいでしょうか?」
「はい、お任せ下さい」
ユーリアの何倍もの年月を生きているエルフのリュミナスだが、ユーリアに頼られた為か、嬉しげに返事を返すのだった。
長い髪を邪魔にならない様にまとめるとユーリアはラピスを伴い部屋を出る。
そこには執事長であるシルバが待っていた。
「ユーリア様、本当に行かれるのですか?」
ユーリアに深く頭を下げた後、シルバは問い掛けた。
「はい、私はお父様やお兄様にこの街を任されたのです。
だから…………私も戦います」
連合軍と魔族軍の戦端が開かれた翌日、ガストの街にも魔物の軍勢が迫っていた。
騎士団や義勇兵を率いてグリント帝国へ向かったガストの街の領主、フレイド辺境伯と長男のアルベルトの代わりに領主代理を任されたのは、フレイド辺境伯の娘であるユーリアだった。
そんなユーリアは、辺境の崖を乗り越えた魔物がもう直ぐこの辺りまでやって来ると言う報告を受けた。
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そして、ユーリア自らが戦線に加わろうと言うのだ。
周囲の人々は勿論止めた。
ユーリアは武術の鍛錬を積んでいる訳ではなく、むしろ常人よりも体力的にハンデのあるホビット族の血を多く継いだハーフホビットだ。
確かに住民に人気のあるユーリアが戦場に立てば、多くの冒険者や腕に覚えのある者達が集まるだろう。
しかし、当然リスクも高い。
だが、同時に大きなメリットもある。
士気が上がる事は勿論、ユーリアは強力な魔法使いなのだ。
実践では試した事は無いが、得意な土属性魔法なら最上級魔法にも成功している。
多数の魔物を相手にするのに強力な魔法は非常に有効なのだ。
「街の中で隠れていても撃退出来なければ同じです。
それに、後ろから魔法を撃つだけですから大丈夫ですよ」
「…………分かりました。
ただ、一つだけ。
決して私の側を離れないとお約束下さい」
「はい、よろしくお願いしますね、シルバ」
ガストの街から少し離れた平原に簡易的な砦が作られている。
しっかりと作られた物ではなく、ユーリアが土壁の魔法でつくった壁に街の男達が少し手を加えた簡易的な物だが問題ない。
この防衛戦の間保てば良いのである。
「ユーリア様!」
「ユーリア様だ」
砦に居た者達はユーリアの到着気付くと笑顔を浮かべる。
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「はい、お任せ下さい」
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