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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
120話 怪しい少女
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「ここが龍の渓谷ですか」
私の目の前には大きな渓谷が広がっています。
左右の切り立つ崖の間を急流が駆け抜けて行来ます。
「何だか寂しい所ね」
リゼさんのいう通りこの辺りには緑は少なく岩肌が剥き出しとなっています。
「ここは龍の渓谷と呼ばれているらしいんだけど…………ドラゴンは見当たらないわね」
「そうですね。
取り敢えず少し辺りを調べてみましょうか」
私とリゼさんは周囲を探索する事にしました。
川に沿って上流に向かって歩き始めました。
たまに森の中から水を飲みに現れる魔物を討伐しながらドラゴンが居ないか探しますが、目視はもちろんマッピングスキルにも反応は有りません。
何も起ころないまま、太陽が頂点へと達してしまいました。
ちょうど良い感じの木陰に陣取ったわたし達は昼食の用意を始めました。
…………訂正します、わたしは昼食の用意を始めました。
名前の分からない魔物のお肉をミンチ状にして、キノコやタケノコっぽい木の芽を炒めます。
謎のお肉を使っていますがちゃんと鑑定と診断スキルを使って毒は無いと確認したので大丈夫です。
……多分。
醤油と味噌で辛めの味付けをして、アイテムボックスから作り置きして置いた生地を取り出し包んで行きます。
出来上がった小籠包を蒸籠に入れてしばらく蒸します。
小籠包が蒸しあがるまでにもう数品作りましょう。
キノコと薬草をたっぷり入れた鳥(っぽい魔物)ガラのスープに片栗粉を溶きとろみを付け、昨日の夜、見張りの時に仕込んで置いた唐揚げを揚げ始めます。
アイテムボックスは便利ですが唐揚げなどを漬け込むと染み込まないのが問題です。
なので、この唐揚げは普通のマジックバッグに入れて置いたのです。
「ユウちゃんって本当、料理上手よね」
「料理人スキルを持っているって教えたじゃないですか?」
「何を言っているのよ。
職業スキルを持っているって事はそれを得るだけの経験を積んだという事よ。
それをユウちゃんは薬師と料理人の2つも持ってるのよね。
若いユウちゃんがそれでだけの職業スキルを持っているなんて信じられないわ」
「………………天才ですからね。わたしは」
「…………まぁ、そう言う事にしてあげるわ」
最近は長い間一緒にいる所為か、リゼさんがたまにわたしの経歴を怪しんでいるかのような言動をする時が有ります。
気をつけねばなりません。
完成した中華風の昼食をリゼさんと2人で頂きます。
「この蒸たパンは良いわね。
細かく叩いた肉の肉汁とキノコの旨味、木の芽の食感がすごくマッチしているわ」
「小籠包って言う料理です。
久し振りに作りましたが美味しいですね。
今度、風切羽のバントさんに教えてメニューに入れて貰いましょうか?」
「良いわね、私も食べに行くわよ」
昼食を終えたわたし達は再び探索を続けようと歩き始めた時です。
近くから小さな悲鳴が聞こえた気がしました。
「「 ⁉︎ 」」
リゼさんの顔を見るとリゼさんも驚いた顔をしてわたしを見ていました。
わたし達は声のした方に慎重に進みました。
しばらく進むと前方にオオカミの様な魔物に襲われている見た目12歳くらいの少女を見つけました。
茂みに身を隠し隣のリゼさんに声を掛けます。
「子供ですね?」
「子供ね」
「女の子ですね?」
「女の子ね」
「不自然ですよね?」
「やっぱりそう思う?」
ここは魔境の奥深く、龍の渓谷と呼ばれる超危険地帯です。
そんな場所に少女がいる筈が有りません。
白い肌をしていますしツノも有りませんから魔族では有りません。
耳も普通ですからハイエルフでもないです。
怪しいです。
「グルルルゥ!!」
「ひっ!」
目に涙を浮かべた少女にオオカミの魔物が迫ります。
「怪しいですが見捨てる訳には行きませんね」
「そうよね」
わたしとリゼさんは茂みから飛び出し、少女と魔物の間に割り込むのでした。
私の目の前には大きな渓谷が広がっています。
左右の切り立つ崖の間を急流が駆け抜けて行来ます。
「何だか寂しい所ね」
リゼさんのいう通りこの辺りには緑は少なく岩肌が剥き出しとなっています。
「ここは龍の渓谷と呼ばれているらしいんだけど…………ドラゴンは見当たらないわね」
「そうですね。
取り敢えず少し辺りを調べてみましょうか」
私とリゼさんは周囲を探索する事にしました。
川に沿って上流に向かって歩き始めました。
たまに森の中から水を飲みに現れる魔物を討伐しながらドラゴンが居ないか探しますが、目視はもちろんマッピングスキルにも反応は有りません。
何も起ころないまま、太陽が頂点へと達してしまいました。
ちょうど良い感じの木陰に陣取ったわたし達は昼食の用意を始めました。
…………訂正します、わたしは昼食の用意を始めました。
名前の分からない魔物のお肉をミンチ状にして、キノコやタケノコっぽい木の芽を炒めます。
謎のお肉を使っていますがちゃんと鑑定と診断スキルを使って毒は無いと確認したので大丈夫です。
……多分。
醤油と味噌で辛めの味付けをして、アイテムボックスから作り置きして置いた生地を取り出し包んで行きます。
出来上がった小籠包を蒸籠に入れてしばらく蒸します。
小籠包が蒸しあがるまでにもう数品作りましょう。
キノコと薬草をたっぷり入れた鳥(っぽい魔物)ガラのスープに片栗粉を溶きとろみを付け、昨日の夜、見張りの時に仕込んで置いた唐揚げを揚げ始めます。
アイテムボックスは便利ですが唐揚げなどを漬け込むと染み込まないのが問題です。
なので、この唐揚げは普通のマジックバッグに入れて置いたのです。
「ユウちゃんって本当、料理上手よね」
「料理人スキルを持っているって教えたじゃないですか?」
「何を言っているのよ。
職業スキルを持っているって事はそれを得るだけの経験を積んだという事よ。
それをユウちゃんは薬師と料理人の2つも持ってるのよね。
若いユウちゃんがそれでだけの職業スキルを持っているなんて信じられないわ」
「………………天才ですからね。わたしは」
「…………まぁ、そう言う事にしてあげるわ」
最近は長い間一緒にいる所為か、リゼさんがたまにわたしの経歴を怪しんでいるかのような言動をする時が有ります。
気をつけねばなりません。
完成した中華風の昼食をリゼさんと2人で頂きます。
「この蒸たパンは良いわね。
細かく叩いた肉の肉汁とキノコの旨味、木の芽の食感がすごくマッチしているわ」
「小籠包って言う料理です。
久し振りに作りましたが美味しいですね。
今度、風切羽のバントさんに教えてメニューに入れて貰いましょうか?」
「良いわね、私も食べに行くわよ」
昼食を終えたわたし達は再び探索を続けようと歩き始めた時です。
近くから小さな悲鳴が聞こえた気がしました。
「「 ⁉︎ 」」
リゼさんの顔を見るとリゼさんも驚いた顔をしてわたしを見ていました。
わたし達は声のした方に慎重に進みました。
しばらく進むと前方にオオカミの様な魔物に襲われている見た目12歳くらいの少女を見つけました。
茂みに身を隠し隣のリゼさんに声を掛けます。
「子供ですね?」
「子供ね」
「女の子ですね?」
「女の子ね」
「不自然ですよね?」
「やっぱりそう思う?」
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そんな場所に少女がいる筈が有りません。
白い肌をしていますしツノも有りませんから魔族では有りません。
耳も普通ですからハイエルフでもないです。
怪しいです。
「グルルルゥ!!」
「ひっ!」
目に涙を浮かべた少女にオオカミの魔物が迫ります。
「怪しいですが見捨てる訳には行きませんね」
「そうよね」
わたしとリゼさんは茂みから飛び出し、少女と魔物の間に割り込むのでした。
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