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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
113話 次の目的地
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交渉の結果、塩や鉄製品と引き換えに魔力操作の指導を受ける事になったのですが……
「間違っている……ですか?」
「ああ、嬢ちゃんの『黒鱗』って奴は魔力操作の順序が違う。
嬢ちゃんは『魔力を放出する』『魔力を凝縮する』『属性を変換する』の順で『黒鱗』を発動させている。
だが本来、身体の外に放出した魔力は自然界の魔力程ではないが、操作し辛いものだ。
なので、負担を考えれば『魔力を変換する』『魔力を放出する』『魔力を凝縮する』この順で行う方が良いはずだ」
わたしの『黒鱗』はリゼさんの『エア』を参考にした物です。
リゼさんは上手く扱えて居たのでアレが正しいと思っていましたが、そもそもリゼさんが非常識な存在ですからね。
ここは正しい知識を持つ人のアドバイスを受け入れるべきですね。
「わかりました。やってみます」
わたしは言われた通り、魔力を深淵属性に変換してから両手の間に集めて行きます。
結構気合を入れなければ行けませんが黒い鱗を生み出せました。
確かに操作は難しいですが、負担はこちらの方が軽い気がします。
「あ、ホントだ。
こっちの方が楽だわ」
わたしの隣でリゼさんが赤い剣を創り出しています。
コレだから天才って奴は!
何度か黒鱗を創りその都度魔力の流れを見てもらい指導を受けます。
そして、訓練方法を教わり広場を後にしました。
教わった訓練方法を毎日実践するのが1番の近道なのでしょう。
その日から数日、広場で指導を受ける日々を過ごしていましたが、家具が完成したとの連絡を受けたので、受け取ったら次の目的地へ向かう事になりました。
セシルさんに案内されたのは大きなツリーハウスです。
どうもここが家具の工房の様です。
「ユウ、コレが報酬の家具だ」
「おお!」
テーブルに椅子、ベットや本棚などの家具が一揃い、全て繊細な細工が施された素晴らしい出来です。
「こんなに沢山良いのですか?」
「もちろんだ」
わたしの質問に答えたのはセシルさんではなく、工房から出てきたハイエルフの職人さんでした。
「俺の息子が嬢ちゃんの治療を受けたらしくてな。
ありがとよ」
わたしが治療した人の中に職人さんの息子さんがいた様ですね。
職人さんと握手を交わしたわたしは有難く家具をアイテムボックスにしまって行きます。
「………………ねぇ、ずっと思っていたけどユウちゃんのそれってマジックバッグじゃないわよね?」
ギクッ!
「な、何を言っているのか、わ、わたしにはさ、さっぱり……」
「…………まぁ、良いわ。
無理に聞くつもりは無いわよ」
流石Sランク冒険者、なんて鋭いのでしょう!
気をつけねば!
家具を受け取ったわたし達はセシルさんに別れを告げてハイエルフの里を旅立ちました。
次の目的はエンシェントドラゴンの血液です。
…………果たして生きて帰れるでしょうか?
これはかなりの報酬を貰わなければ行けませんね。
ところで報酬は誰が払ってくれるのでしょうか?
取り敢えず王家にでも請求しておけば良いですかね?
「エンシェントドラゴンの血液ですが、何処に行けば手に入るのですか?」
「分からないわ!」
ハッキリと言い切りましたよこの人!
「取り敢えず、龍の渓谷と呼ばれる場所を目指しましょう」
「そこにドラゴンが居るのですね?」
「さぁ?」
…………こんな調子で大丈夫なのでしょうか?
「間違っている……ですか?」
「ああ、嬢ちゃんの『黒鱗』って奴は魔力操作の順序が違う。
嬢ちゃんは『魔力を放出する』『魔力を凝縮する』『属性を変換する』の順で『黒鱗』を発動させている。
だが本来、身体の外に放出した魔力は自然界の魔力程ではないが、操作し辛いものだ。
なので、負担を考えれば『魔力を変換する』『魔力を放出する』『魔力を凝縮する』この順で行う方が良いはずだ」
わたしの『黒鱗』はリゼさんの『エア』を参考にした物です。
リゼさんは上手く扱えて居たのでアレが正しいと思っていましたが、そもそもリゼさんが非常識な存在ですからね。
ここは正しい知識を持つ人のアドバイスを受け入れるべきですね。
「わかりました。やってみます」
わたしは言われた通り、魔力を深淵属性に変換してから両手の間に集めて行きます。
結構気合を入れなければ行けませんが黒い鱗を生み出せました。
確かに操作は難しいですが、負担はこちらの方が軽い気がします。
「あ、ホントだ。
こっちの方が楽だわ」
わたしの隣でリゼさんが赤い剣を創り出しています。
コレだから天才って奴は!
何度か黒鱗を創りその都度魔力の流れを見てもらい指導を受けます。
そして、訓練方法を教わり広場を後にしました。
教わった訓練方法を毎日実践するのが1番の近道なのでしょう。
その日から数日、広場で指導を受ける日々を過ごしていましたが、家具が完成したとの連絡を受けたので、受け取ったら次の目的地へ向かう事になりました。
セシルさんに案内されたのは大きなツリーハウスです。
どうもここが家具の工房の様です。
「ユウ、コレが報酬の家具だ」
「おお!」
テーブルに椅子、ベットや本棚などの家具が一揃い、全て繊細な細工が施された素晴らしい出来です。
「こんなに沢山良いのですか?」
「もちろんだ」
わたしの質問に答えたのはセシルさんではなく、工房から出てきたハイエルフの職人さんでした。
「俺の息子が嬢ちゃんの治療を受けたらしくてな。
ありがとよ」
わたしが治療した人の中に職人さんの息子さんがいた様ですね。
職人さんと握手を交わしたわたしは有難く家具をアイテムボックスにしまって行きます。
「………………ねぇ、ずっと思っていたけどユウちゃんのそれってマジックバッグじゃないわよね?」
ギクッ!
「な、何を言っているのか、わ、わたしにはさ、さっぱり……」
「…………まぁ、良いわ。
無理に聞くつもりは無いわよ」
流石Sランク冒険者、なんて鋭いのでしょう!
気をつけねば!
家具を受け取ったわたし達はセシルさんに別れを告げてハイエルフの里を旅立ちました。
次の目的はエンシェントドラゴンの血液です。
…………果たして生きて帰れるでしょうか?
これはかなりの報酬を貰わなければ行けませんね。
ところで報酬は誰が払ってくれるのでしょうか?
取り敢えず王家にでも請求しておけば良いですかね?
「エンシェントドラゴンの血液ですが、何処に行けば手に入るのですか?」
「分からないわ!」
ハッキリと言い切りましたよこの人!
「取り敢えず、龍の渓谷と呼ばれる場所を目指しましょう」
「そこにドラゴンが居るのですね?」
「さぁ?」
…………こんな調子で大丈夫なのでしょうか?
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