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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
87話 鍛冶と芸術の国
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さて、後やっておく事は…………ああ、コレが有りましたね。
わたしはアイテムボックスから数本の短剣を取り出しメリンダさん達に差し出しました。
「わたしは復讐は悪い事だとは思いませんよ。
こっちのアホはフレイド辺境伯様に引き渡すのでダメですが、あっちのバカなら構いません」
わたしはバカールを指差します。
メリンダさん達は少し驚いた顔をしました。
「アホール以外は生死問わずと言われていますからね。
出来れば生かしてある方が良いですがバカールなら最悪死んでも良いです。
勿論、無理にとは言いません」
わたしの言葉に戸惑っていたメリンダさん達でしたがメリンダさんを始め元冒険者の3人はすぐに短剣を手に取りました。
もう1人の女性は村娘だったらしく、血生臭いのは苦手な様です。
短剣を手にした3人はバカールにゆっくりと近付きます。
「ひっ、ひっ、や、止めろ!
お前ら、俺が誰か分かっているのか!
止めろ、く、来るな!
来たら殺すぞ!
や、止めがぁぁあ!」
哀れですね。
バカールは3人に滅多刺しにされています。
あの3人はみんな元冒険者、すぐに死なない様に急所を避けて苦しめる様に刺していますが、わざとでしょう。
特に身体中に鞭の痕が有った女性、カムパネルラさんが笑顔でナイフを振るう姿は、見ているだけのわたしも恐怖を覚えます。
アホール男爵は息子が血塗れになるって行くのを見て、恐怖に震えている。
因果応報って奴ですね。
わたしは屋敷を包囲しているであろうフレイド様の騎士達に連絡を取るべく、召喚したままだったハクを向かわせるのでした。
===========================
ドワーフの国であるロックドック王国はいくつもの山脈が連なる険しい土地に存在する。
その王都には、巨大な岩『母なる岩』を繰り抜く様に造られた王城を中心に頑丈な石造りの街並みが広がっていた。
この街を構成する建物は皆、遠目には無骨な石造りに見えるが、よく見ると細部に精緻な彫刻が施されていたり、優美な飾り掘りが刻まれている。
そして、王都の至る所から煙がたちのぼる。
それらは殆どが鍛冶師の工房である。
一見、岩だらけで無骨なこの国こそ、名剣や名槍の生まれる職人の国であり、大陸中の芸術家の憧れの聖地なのだ。
王都の門でジョバンニと別れた俺達は、精霊の庭について情報を得る為、冒険者ギルドへと向かう事になった。
スイングドアを抜けると見慣れた冒険者ギルドが目に入る。
冒険者ギルドの作りは何処のギルドでも大して変わらない。
何か決まりでもあるのかと聞いた事もある。
冒険者は旅から旅への生活をしている者も多い。
そう言った冒険者が初めて入る冒険者ギルドでも不自由なく仕事を受けられる様にと、ギルドの作りは統一されているのだと言う説明が受付嬢から帰って来た。
カウンターに向かい歩いて行くとギルド中から値踏みする視線を感じる。
新参者の技量を見極めようと言う視線だ。
ここでビビったりすると舐められてしまう。
俺はヘソの下辺りに力を込めてカウンターへ向かった。
「いらっしゃいませ、ロックドック王国王都の冒険者ギルドにようこそ。
初めて来られた方ですね」
「はい、俺達はDランクパーティ《精霊の紋章》です。
しばらくこの国に留まるつもりなのでよろしくお願いします」
「私はターナと言います。
よろしくお願いします」
ドワーフ族の女性、ターナさんからこの国のギルドの決まりを説明してもらう。
だいたい他の国のギルドと変わらないな。
説明が終わったので早速精霊の庭についてきいてみる事にした。
「はい、精霊の庭ですか、少々お待ち下さい」
ターナさんは1度、裏に引っ込むと何かのファイルを持って帰って来た。
「精霊の庭は王都から5日ほど……」
「ちょっと!
なんでダメなのよ!」
ターナさんの説明を遮る様に大きな声がギルドに響いた。
「私はDランク冒険者よ!ギルドの出している条件は満たしているわ!」
「ですからザネリさん。
精霊の庭は危険地帯ですからDランク冒険者でもソロは認められないんです。
もっと高ランクの冒険者なら別ですが、Dランク冒険者が単独で精霊の庭に行くなんて危険過ぎます」
どうやらトラブルみたいだ。
そして、精霊の庭はその名に似合わずかなり危険な場所の様だった。
わたしはアイテムボックスから数本の短剣を取り出しメリンダさん達に差し出しました。
「わたしは復讐は悪い事だとは思いませんよ。
こっちのアホはフレイド辺境伯様に引き渡すのでダメですが、あっちのバカなら構いません」
わたしはバカールを指差します。
メリンダさん達は少し驚いた顔をしました。
「アホール以外は生死問わずと言われていますからね。
出来れば生かしてある方が良いですがバカールなら最悪死んでも良いです。
勿論、無理にとは言いません」
わたしの言葉に戸惑っていたメリンダさん達でしたがメリンダさんを始め元冒険者の3人はすぐに短剣を手に取りました。
もう1人の女性は村娘だったらしく、血生臭いのは苦手な様です。
短剣を手にした3人はバカールにゆっくりと近付きます。
「ひっ、ひっ、や、止めろ!
お前ら、俺が誰か分かっているのか!
止めろ、く、来るな!
来たら殺すぞ!
や、止めがぁぁあ!」
哀れですね。
バカールは3人に滅多刺しにされています。
あの3人はみんな元冒険者、すぐに死なない様に急所を避けて苦しめる様に刺していますが、わざとでしょう。
特に身体中に鞭の痕が有った女性、カムパネルラさんが笑顔でナイフを振るう姿は、見ているだけのわたしも恐怖を覚えます。
アホール男爵は息子が血塗れになるって行くのを見て、恐怖に震えている。
因果応報って奴ですね。
わたしは屋敷を包囲しているであろうフレイド様の騎士達に連絡を取るべく、召喚したままだったハクを向かわせるのでした。
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ドワーフの国であるロックドック王国はいくつもの山脈が連なる険しい土地に存在する。
その王都には、巨大な岩『母なる岩』を繰り抜く様に造られた王城を中心に頑丈な石造りの街並みが広がっていた。
この街を構成する建物は皆、遠目には無骨な石造りに見えるが、よく見ると細部に精緻な彫刻が施されていたり、優美な飾り掘りが刻まれている。
そして、王都の至る所から煙がたちのぼる。
それらは殆どが鍛冶師の工房である。
一見、岩だらけで無骨なこの国こそ、名剣や名槍の生まれる職人の国であり、大陸中の芸術家の憧れの聖地なのだ。
王都の門でジョバンニと別れた俺達は、精霊の庭について情報を得る為、冒険者ギルドへと向かう事になった。
スイングドアを抜けると見慣れた冒険者ギルドが目に入る。
冒険者ギルドの作りは何処のギルドでも大して変わらない。
何か決まりでもあるのかと聞いた事もある。
冒険者は旅から旅への生活をしている者も多い。
そう言った冒険者が初めて入る冒険者ギルドでも不自由なく仕事を受けられる様にと、ギルドの作りは統一されているのだと言う説明が受付嬢から帰って来た。
カウンターに向かい歩いて行くとギルド中から値踏みする視線を感じる。
新参者の技量を見極めようと言う視線だ。
ここでビビったりすると舐められてしまう。
俺はヘソの下辺りに力を込めてカウンターへ向かった。
「いらっしゃいませ、ロックドック王国王都の冒険者ギルドにようこそ。
初めて来られた方ですね」
「はい、俺達はDランクパーティ《精霊の紋章》です。
しばらくこの国に留まるつもりなのでよろしくお願いします」
「私はターナと言います。
よろしくお願いします」
ドワーフ族の女性、ターナさんからこの国のギルドの決まりを説明してもらう。
だいたい他の国のギルドと変わらないな。
説明が終わったので早速精霊の庭についてきいてみる事にした。
「はい、精霊の庭ですか、少々お待ち下さい」
ターナさんは1度、裏に引っ込むと何かのファイルを持って帰って来た。
「精霊の庭は王都から5日ほど……」
「ちょっと!
なんでダメなのよ!」
ターナさんの説明を遮る様に大きな声がギルドに響いた。
「私はDランク冒険者よ!ギルドの出している条件は満たしているわ!」
「ですからザネリさん。
精霊の庭は危険地帯ですからDランク冒険者でもソロは認められないんです。
もっと高ランクの冒険者なら別ですが、Dランク冒険者が単独で精霊の庭に行くなんて危険過ぎます」
どうやらトラブルみたいだ。
そして、精霊の庭はその名に似合わずかなり危険な場所の様だった。
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