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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
78話 強敵との邂逅
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エレインさんに修行を付けて貰ってから10日、俺達は虚無の洞窟へと潜入していた。
虚無の洞窟への旅の間もずっと修行を続けていた。
続けていたと言うか、今も続いている。
エレインさんには次の依頼があるらしく、これ以上時間を割く事は出来ないそうだ。
それでもエレインさんの指導によって、この短期間で俺達はかなり実力を伸ばす事が出来た。
「精霊剣!」
光の精霊の力が融合した魔力を剣に乗せる。
力強い光を帯びた剣の一振りは群がるゴブリンを一気に薙ぎ払う。
光の精霊の力を少し借りて放てる技だ。
「蛇炎!」
カートの剣に蛇のように巻き付いた炎が、空中を自在に走りオークを焼く。
ソフィアやマーリンもより強力な技や魔法を会得している。
虚無の洞窟に入ってから、エレインさんは戦闘に手出しをせずに俺達に戦わせてくれいてる。
危ない所もあったがなんとか最奥まで、俺達だけで到達する事が出来た。
しかし、最後の通路で俺達の前に巨大な影が立ち塞がる。
「な、此奴は!」
「気を付けろ!ゴブリンロードだ!」
驚くカートを他所に、俺は仲間に注意を促した。
各々武器を手に構える俺達にエレインさんが声をかける。
「丁度良い。
このゴブリンロードは君達だけで討伐してみなさい」
「は、はい!」
「落ち着いて、今の君達なら勝てるはずだ」
背後をエレインさんに任せた俺達は、岩の大剣を振り上げるゴブリンロードに向かっていった。
===========================
深い森を女が歩く。
人々が魔境と呼び恐る森にあって、女の格好はすぐそこの近所に買い物にでも出たかのような軽装である。
身に付けているのは鎧では無く町人よりは少し丈夫な程度の服、その辺の露店で売っていたどこにでもある靴。
お気に入りのカバンを肩に掛けて、ガナの街で買ったリーフパイとか言うお菓子を食べながら魔物や猛獣だらけの森を進む。
森の入り口で拾った木の棒が武器と言えなくもない。
リーフパイをサクサクと味わいながら歩く足取りに迷いなどは無い。
「 ⁉︎ 」
不意に女が足を止めた。
暗がりの中から金色に光る目が現れたからだ。
巨大樹が生い茂る魔境は昼間でも闇を払拭する事が出来ない。
その闇の中から現れたのは金の瞳に、闇そのものであるかのような黒い体毛を持つ巨大な狼だった。
女など一口で食べられてしまう程の狼だ。
それも1体では無い。
狼は群れで行動する生き物だ。
女の周りは20頭以上の巨大な狼に囲まれていた。
しかし、女は顔色1つ変える事なく群れのボスであろう、額に傷を持つ狼を睨みつける。
「グゥル!」
女と狼はしばし睨み合うと、狼が一声唸り踵を返す。
それを見た群れの狼はボスにならい女を襲う事なく去って行った。
「ふぅ」
女がひと息吐こうとした、その時。
ドォォォオ!!!
目の前に巨大な質量が降ってきた。
その衝撃で周囲の木々が薙ぎ倒され、遮るものが無くなった日の光が女を照らす。
そこに居たのは身の丈10メートルはあろうかと言う1つ目の巨人であった。
「ついてないわ~、サイクロプスかぁ」
流石に先程の狼のように威嚇だけで済ませられる相手では無い。
強靭な身体と高い知能、そして洗練された鍛治技術を持つ巨人。
サイクロプスだ。
「我ガ先祖ノ土地ニ何ヲシニ来タ、小サキ者ヨ」
「言葉も話せるのか、間違いなくSランクね」
女は面倒くさそうに呟き、サイクロプスに言葉を返す。
「この先に知り合いが居るのよ。
通してくれない?」
「ダメダ、コノ先ニハ誰モ通サナイ様ニ、命ジラレテイル」
「多分その命じている奴が私の知り合いなんだけど?」
「ダメダ」
首を縦に振らないサイクロプスに対して長くも無い女の気が限界を迎える。
「なら、力尽くで通るわよ?」
ずっと手にして居た木の棒をサイクロプスに見えるように掲げる。
「良イダロウ。
己レノ名ハ、『スルト』オ前ガ戦士ダト証明スレバ通シテヤル」
スルトと名乗ったサイクロプスは腰から見事な装飾が施された巨大な棍棒を抜き放った。
「あら、これもある意味名前持ちなのかしら?
私はリゼッタ・A・ドラゴン。
冒険者よ!」
虚無の洞窟への旅の間もずっと修行を続けていた。
続けていたと言うか、今も続いている。
エレインさんには次の依頼があるらしく、これ以上時間を割く事は出来ないそうだ。
それでもエレインさんの指導によって、この短期間で俺達はかなり実力を伸ばす事が出来た。
「精霊剣!」
光の精霊の力が融合した魔力を剣に乗せる。
力強い光を帯びた剣の一振りは群がるゴブリンを一気に薙ぎ払う。
光の精霊の力を少し借りて放てる技だ。
「蛇炎!」
カートの剣に蛇のように巻き付いた炎が、空中を自在に走りオークを焼く。
ソフィアやマーリンもより強力な技や魔法を会得している。
虚無の洞窟に入ってから、エレインさんは戦闘に手出しをせずに俺達に戦わせてくれいてる。
危ない所もあったがなんとか最奥まで、俺達だけで到達する事が出来た。
しかし、最後の通路で俺達の前に巨大な影が立ち塞がる。
「な、此奴は!」
「気を付けろ!ゴブリンロードだ!」
驚くカートを他所に、俺は仲間に注意を促した。
各々武器を手に構える俺達にエレインさんが声をかける。
「丁度良い。
このゴブリンロードは君達だけで討伐してみなさい」
「は、はい!」
「落ち着いて、今の君達なら勝てるはずだ」
背後をエレインさんに任せた俺達は、岩の大剣を振り上げるゴブリンロードに向かっていった。
===========================
深い森を女が歩く。
人々が魔境と呼び恐る森にあって、女の格好はすぐそこの近所に買い物にでも出たかのような軽装である。
身に付けているのは鎧では無く町人よりは少し丈夫な程度の服、その辺の露店で売っていたどこにでもある靴。
お気に入りのカバンを肩に掛けて、ガナの街で買ったリーフパイとか言うお菓子を食べながら魔物や猛獣だらけの森を進む。
森の入り口で拾った木の棒が武器と言えなくもない。
リーフパイをサクサクと味わいながら歩く足取りに迷いなどは無い。
「 ⁉︎ 」
不意に女が足を止めた。
暗がりの中から金色に光る目が現れたからだ。
巨大樹が生い茂る魔境は昼間でも闇を払拭する事が出来ない。
その闇の中から現れたのは金の瞳に、闇そのものであるかのような黒い体毛を持つ巨大な狼だった。
女など一口で食べられてしまう程の狼だ。
それも1体では無い。
狼は群れで行動する生き物だ。
女の周りは20頭以上の巨大な狼に囲まれていた。
しかし、女は顔色1つ変える事なく群れのボスであろう、額に傷を持つ狼を睨みつける。
「グゥル!」
女と狼はしばし睨み合うと、狼が一声唸り踵を返す。
それを見た群れの狼はボスにならい女を襲う事なく去って行った。
「ふぅ」
女がひと息吐こうとした、その時。
ドォォォオ!!!
目の前に巨大な質量が降ってきた。
その衝撃で周囲の木々が薙ぎ倒され、遮るものが無くなった日の光が女を照らす。
そこに居たのは身の丈10メートルはあろうかと言う1つ目の巨人であった。
「ついてないわ~、サイクロプスかぁ」
流石に先程の狼のように威嚇だけで済ませられる相手では無い。
強靭な身体と高い知能、そして洗練された鍛治技術を持つ巨人。
サイクロプスだ。
「我ガ先祖ノ土地ニ何ヲシニ来タ、小サキ者ヨ」
「言葉も話せるのか、間違いなくSランクね」
女は面倒くさそうに呟き、サイクロプスに言葉を返す。
「この先に知り合いが居るのよ。
通してくれない?」
「ダメダ、コノ先ニハ誰モ通サナイ様ニ、命ジラレテイル」
「多分その命じている奴が私の知り合いなんだけど?」
「ダメダ」
首を縦に振らないサイクロプスに対して長くも無い女の気が限界を迎える。
「なら、力尽くで通るわよ?」
ずっと手にして居た木の棒をサイクロプスに見えるように掲げる。
「良イダロウ。
己レノ名ハ、『スルト』オ前ガ戦士ダト証明スレバ通シテヤル」
スルトと名乗ったサイクロプスは腰から見事な装飾が施された巨大な棍棒を抜き放った。
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冒険者よ!」
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