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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
39話 息子
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「久しぶりだな」
「お久しぶりです、ユウさん」
村長さんの家でお茶をご馳走になっているとローザさんとレインさんがやって来ました。
「あれ、その子は?」
ローザさんは片腕でですがしっかりと抱いているのは赤ちゃんです。
「俺たちの息子のモーリスだ」
「え、子供が産まれたのですか⁉︎」
「ええ、ほんの数ヶ月前に産まれたんですよ」
「ふっふっふ、あの時は村中大騒ぎでしたな」
村長のおばあさんはデレデレです。
赤ちゃんを受け取りあやしています。
孫みたいなものなのでしょうね。
「ん?ユウ、お前、その眼はどうしたんだ?」
「ああ、あの後、眼の代用にできるマジックアイテムを手に入れまして」
「ほぅ、そんな物があったのか。
希少な物なのか?」
「そうですね……、帝国の国宝の1つだそうですからかなり珍しい物だと思いますよ」
「そうか……」
ローザさんも片目を失っていますから、レインさんは可能なら覚醒の宝玉を手に入れたかったのでしょう。
ローザさんが少し残念そうにするレインさんの背中にそっと手を当てます。
むむむ、リア充め!
爆発して下さい!
「ああ、そうだ!
出産のお祝いにコレを差し上げます」
わたしはバッグから取り出した振りをしてアイテムボックスから布を取り出しました。
リュウガ王国の反物屋で買った上質な布です。
その布をレインさんに手渡しました。
受け取ったレインさんは布の質を見て驚いています。
「おいおい、良いのか?
コレかなり上質な布だぞ」
「東方の島国で手に入れたヘルモスの糸を紡いだ布です。
丈夫で長持ちしますよ」
「そんな高価な物をよろしいのですか?」
「お祝いですからね。
テンションが上がって購入しましたがわたしはあまり裁縫とかはしませんし差し上げますよ。
コレで服とか作ってあげると良いですよ」
高価な布に少し戸惑った様ですが、お祝いの品を返すのも良くないと判断したのか、受け取って貰えました。
「ありがとうございます、ユウさん」
「気を遣わせて済まないな」
「いえいえ、ああ、それと最近王国で流行り始めているお菓子もあるのですよ」
ガナの街で買ったロールケーキを取り出し、ついでに少しオーバーに宣伝をしておきます。
ロック鳥のさえずり亭が帝国に進出するかも知れません。
ロールケーキを食べながらリュウガ王国の温泉の話や辺境の話、ローザさんの惚気話やレインさんの狩の話などで盛り上がりました。
すでに日が落ちてしまっていたので今日は村長さんの家でお世話になります。
そして翌朝です。
村長さんのお宅でローザさんとレインさんと一緒に朝食を頂き、昼前までお茶をしながら談笑していたのですがそろそろ良い時間です。
わたしはリーブン王国を目指して出発しようと思います。
村長さん達と村の出入り口へと向かっていると外から村の中に誰かが走り込んで来ました。
何かを叫んでいる様です。
魔物にでも追われているのかと思いましたが、どうやら違う様ですね。
「彼は?」
「ナムザと言う村の狩人だ。
今日は朝から狩に出ていた筈なんだか……」
「村長! ローザ様!大変なんです!」
「これ、落ち着かんか!」
「ナムザさん、何があったのですか?」
村長さんとローザさんが狩人のナムザさんを落ち着かせ何があったのかを問いかけました。
両手を膝に当て、荒い息を吐いていたナムザさんは、ゴクリと唾を飲み込み口を開きます。
「あ、不死者……森に不死者の大群が‼︎」
「お久しぶりです、ユウさん」
村長さんの家でお茶をご馳走になっているとローザさんとレインさんがやって来ました。
「あれ、その子は?」
ローザさんは片腕でですがしっかりと抱いているのは赤ちゃんです。
「俺たちの息子のモーリスだ」
「え、子供が産まれたのですか⁉︎」
「ええ、ほんの数ヶ月前に産まれたんですよ」
「ふっふっふ、あの時は村中大騒ぎでしたな」
村長のおばあさんはデレデレです。
赤ちゃんを受け取りあやしています。
孫みたいなものなのでしょうね。
「ん?ユウ、お前、その眼はどうしたんだ?」
「ああ、あの後、眼の代用にできるマジックアイテムを手に入れまして」
「ほぅ、そんな物があったのか。
希少な物なのか?」
「そうですね……、帝国の国宝の1つだそうですからかなり珍しい物だと思いますよ」
「そうか……」
ローザさんも片目を失っていますから、レインさんは可能なら覚醒の宝玉を手に入れたかったのでしょう。
ローザさんが少し残念そうにするレインさんの背中にそっと手を当てます。
むむむ、リア充め!
爆発して下さい!
「ああ、そうだ!
出産のお祝いにコレを差し上げます」
わたしはバッグから取り出した振りをしてアイテムボックスから布を取り出しました。
リュウガ王国の反物屋で買った上質な布です。
その布をレインさんに手渡しました。
受け取ったレインさんは布の質を見て驚いています。
「おいおい、良いのか?
コレかなり上質な布だぞ」
「東方の島国で手に入れたヘルモスの糸を紡いだ布です。
丈夫で長持ちしますよ」
「そんな高価な物をよろしいのですか?」
「お祝いですからね。
テンションが上がって購入しましたがわたしはあまり裁縫とかはしませんし差し上げますよ。
コレで服とか作ってあげると良いですよ」
高価な布に少し戸惑った様ですが、お祝いの品を返すのも良くないと判断したのか、受け取って貰えました。
「ありがとうございます、ユウさん」
「気を遣わせて済まないな」
「いえいえ、ああ、それと最近王国で流行り始めているお菓子もあるのですよ」
ガナの街で買ったロールケーキを取り出し、ついでに少しオーバーに宣伝をしておきます。
ロック鳥のさえずり亭が帝国に進出するかも知れません。
ロールケーキを食べながらリュウガ王国の温泉の話や辺境の話、ローザさんの惚気話やレインさんの狩の話などで盛り上がりました。
すでに日が落ちてしまっていたので今日は村長さんの家でお世話になります。
そして翌朝です。
村長さんのお宅でローザさんとレインさんと一緒に朝食を頂き、昼前までお茶をしながら談笑していたのですがそろそろ良い時間です。
わたしはリーブン王国を目指して出発しようと思います。
村長さん達と村の出入り口へと向かっていると外から村の中に誰かが走り込んで来ました。
何かを叫んでいる様です。
魔物にでも追われているのかと思いましたが、どうやら違う様ですね。
「彼は?」
「ナムザと言う村の狩人だ。
今日は朝から狩に出ていた筈なんだか……」
「村長! ローザ様!大変なんです!」
「これ、落ち着かんか!」
「ナムザさん、何があったのですか?」
村長さんとローザさんが狩人のナムザさんを落ち着かせ何があったのかを問いかけました。
両手を膝に当て、荒い息を吐いていたナムザさんは、ゴクリと唾を飲み込み口を開きます。
「あ、不死者……森に不死者の大群が‼︎」
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