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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
9話 トカゲの王国
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ガタガタと馬車に揺られて王宮を目指します。
馬車の窓から見える街並みはミルミット王国やグリント帝国と変わらない建物も有りますがどこか和風と言うか、中華風と言うか…………そう、何処と無くオリエンタルな雰囲気なのです。
道行く人も冒険者風の格好の人も居ますが、市井の民達は着流しの様な服を着ている人も多いです。
そして、何より目を引くのはリザードマンの多さです。
リザードマンは二足歩行する大きなトカゲの様な姿をした亜人の一種で、一般的には人類として分類されます。
ミルミット王国やグリント帝国ではほとんど見かけなかったのですが、この国では民の半分くらいはリザードマンの様です。
不思議そうに見て居た私にシアさんがリュウガ王国に付いて解説してくれました。
なんと、リュウガ王国の国民の約90%がリザードマンだそうです。
しかし、この、王都にはリザードマン以外の種族も沢山いる様に見えます。
その事について聞くと、殆どのリザードマンはこの国の北側にある各部族の自治区で原始的な生活をしているらしく、この王都ではリザードマンとその他の種族は半々くらいだそうです。
そして、国王様もリザードマンらしいです。
リュウガ王国の説明を聞いていると王宮についた様です。
御者さんが馬車の扉を開けてくれます。
あ、御者さんもリザードマンですよ。
わたしとシアさんが馬車から降り立った時でした。
「シンシア殿!」
王宮の方から1人のリザードマンが歩いて来ました。
筋骨隆々で鍛え上げられた肉体を持った(多分)イケメンです。
装飾された、高級そうな布地で出来た着流しを着ています。
かなり高い地位にある人物だと思います。
「クルーガー殿下!
お部屋でお待ち下さいとお伝えしたでは有りませんか!」
「堅いことを言うな。
お前達に段取りを任せると、『礼服だ!』『口上だ!』と煩くて敵わん」
慌てた御者さんをクルーガー殿下とやらが煩わしそうに端に追いやります。
と言うか『殿下』ですか。
「お久しぶりでございます。
クルーガー殿下」
「うむ、この度は私の無理な頼みを聞いて貰い感謝に絶えない」
「勿体無いお言葉でございます。
こちらがお話しした薬師のユウ様です」
シアさんがいきなりこちらに振りました。
これは、事前にいろいろと教えて貰うべきでしたね……
「お初にお目にかかります。
薬師のユウと申します」
「私はリュウガ王国、国王ダイナム・ダダム・リュウガの嫡男クルーガー・ダダム・リュウガだ。
この度は遠路を呼びつける様な真似をして申し訳なく思う。
だが、どうか私の友の命を救って貰いたいのだ」
リザードマンの王子様はそのワイルドな見た目に反して、なんとも知的で礼節を弁えた人物でした。
馬車の窓から見える街並みはミルミット王国やグリント帝国と変わらない建物も有りますがどこか和風と言うか、中華風と言うか…………そう、何処と無くオリエンタルな雰囲気なのです。
道行く人も冒険者風の格好の人も居ますが、市井の民達は着流しの様な服を着ている人も多いです。
そして、何より目を引くのはリザードマンの多さです。
リザードマンは二足歩行する大きなトカゲの様な姿をした亜人の一種で、一般的には人類として分類されます。
ミルミット王国やグリント帝国ではほとんど見かけなかったのですが、この国では民の半分くらいはリザードマンの様です。
不思議そうに見て居た私にシアさんがリュウガ王国に付いて解説してくれました。
なんと、リュウガ王国の国民の約90%がリザードマンだそうです。
しかし、この、王都にはリザードマン以外の種族も沢山いる様に見えます。
その事について聞くと、殆どのリザードマンはこの国の北側にある各部族の自治区で原始的な生活をしているらしく、この王都ではリザードマンとその他の種族は半々くらいだそうです。
そして、国王様もリザードマンらしいです。
リュウガ王国の説明を聞いていると王宮についた様です。
御者さんが馬車の扉を開けてくれます。
あ、御者さんもリザードマンですよ。
わたしとシアさんが馬車から降り立った時でした。
「シンシア殿!」
王宮の方から1人のリザードマンが歩いて来ました。
筋骨隆々で鍛え上げられた肉体を持った(多分)イケメンです。
装飾された、高級そうな布地で出来た着流しを着ています。
かなり高い地位にある人物だと思います。
「クルーガー殿下!
お部屋でお待ち下さいとお伝えしたでは有りませんか!」
「堅いことを言うな。
お前達に段取りを任せると、『礼服だ!』『口上だ!』と煩くて敵わん」
慌てた御者さんをクルーガー殿下とやらが煩わしそうに端に追いやります。
と言うか『殿下』ですか。
「お久しぶりでございます。
クルーガー殿下」
「うむ、この度は私の無理な頼みを聞いて貰い感謝に絶えない」
「勿体無いお言葉でございます。
こちらがお話しした薬師のユウ様です」
シアさんがいきなりこちらに振りました。
これは、事前にいろいろと教えて貰うべきでしたね……
「お初にお目にかかります。
薬師のユウと申します」
「私はリュウガ王国、国王ダイナム・ダダム・リュウガの嫡男クルーガー・ダダム・リュウガだ。
この度は遠路を呼びつける様な真似をして申し訳なく思う。
だが、どうか私の友の命を救って貰いたいのだ」
リザードマンの王子様はそのワイルドな見た目に反して、なんとも知的で礼節を弁えた人物でした。
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