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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
2話 冒険の始まり
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村から旅立って3日、俺はようやく冒険者ギルドがある町に辿り着いた。
門でのチェックを受け、町に入った俺は早速冒険者ギルドへと向かった。
冒険者ギルドは向かって右に依頼書が貼られたクエストボードが有り、左にはギルドが経営する酒場が併設されていた。
俺は正面のカウンターに向った。
「いらっしゃいませ、本日はどう言った御用件でしょうか?」
「あ、あの、冒険者として登録したいのですが……」
「はい、冒険者登録ですね。
ではこちらの用紙にご記入をお願いします。
代筆は必要ですか?」
「いえ、大丈夫です」
俺は猫耳の受付嬢から受け取った用紙に名前や得意な武器などを記入して行く。
村長に怒られながら勉強したので、読み書き算術は一通りできる…………筈だ。
用紙には職業スキルを書き込む場所も有るが、俺にはまだ職業スキルは無い。
その内、剣士のスキルを手に入れたいと思っている。
俺は書き終えた用紙を受付嬢に手渡した。
受付嬢は受け取った用紙にを何やらマジックアイテムで弄ったあと、白紙のカードを手渡してくれた。
「このカードに血を一滴つけて下さい」
「はい」
俺は一緒に渡された針で指先を突き血をカードに垂らした。
すると血はすぐに染み込んで消え、俺の名前やギルドランクが浮かび上がって来た。
「これで今日からエリオさんも冒険者です。
こちらの冊子にギルドの規則が書かれていますので目を通して置いて下さい」
「はい、ありがとうございます」
俺はとうとう憧れの冒険者になった。
これから活躍して俺の名が村まで届くくらい有名になってやる!
安宿に泊まった翌日、俺は早速冒険者ギルドで依頼書を見ていた。
村を出るときに貰った金は有るが早く自分で稼げるようになる必要がある。
Hランクの俺が受ける事が出来る依頼はHランクとGランクだ。
Gランクのゴブリン討伐を受けたいところだが、村のみんなに『調子に乗らずに堅実に』と耳にタコができるくらい聞かされた。
ここはHランクの依頼を受けてみる事にした。
近くの村への手紙の配達だ。
目的の村はこの町から半日も掛からない距離にある。
今から出れば夜には帰って来れるだろう。
特に魔物に襲われる事もなく目的の村が見えて来た。
「ん、この村に何か用か?」
村の前に立っていた男に話し掛けられた。
腰にショートソードを提げた男には右腕が無かった。
田舎の村によく居る、怪我をして引退した元兵士や元冒険者と言った感じの門番だ。
「はい、ギルドの依頼で手紙を届けに来ました」
「そうか、一応、ギルドカードを見せてくれ」
「あ、はい」
俺は作ったばかりのギルドカードを門番に見せる。
「確かに、では村長のところに案内しよう。
手紙は村長に預ければ村人に配ってくれる」
「はい」
俺は門番の男について村の中に入って行く。
そして、村長に手紙を渡し、依頼完了の書類にサインを貰っていた時だった。
村人が1人、村長の家に飛び込んで来た。
「村長!大変だ!」
「どうした、何かあったのか?」
「畑で仕事をしていた娘達が3人、ゴブリンに攫われたんだ!」
「な、なんじゃと!」
手紙を届けに来ただけなのに大変な事が起きた。
俺が戸惑っていると門番の男が名乗りを上げる。
「村長、俺が助けに向かう!」
「しかし、お主1人では……」
その時、俺は決心した。
「村長さん、俺も行きます!」
俺の言葉に門番の男が忠告する。
「これは依頼じゃ無い、お前には関係の無い事だぞ?」
「それでもここで見ないフリをしたら俺の憧れた冒険者の様にはなれない」
「……………分かった。
ただし、俺が無理だと判断したらすぐに引き返すんだぞ?」
「分かった、俺はエリオよろしく」
「俺はアルザックだ」
俺とアルザックさんは拐われた村人を救出する為森に向かうのだった。
===========================
「納品をお願いします」
「はい、いつもありがとうございます」
私はいつもの様には商業ギルドで納品を済ませると代金を受け取る。
そのまま立ち去ろうとした私は、商業ギルドの職員に呼び止められた。
「これ、あなたの師匠に手紙が届いているわよ」
私は師匠宛の手紙を預かると、今度こそ商業ギルドを後にした。
いくつかのお使いを済ませ、私と師匠が暮らすお店に戻る。
「ただいま~」
「ん?ああ、リリでしたか、お帰りなさい。
すみませんね、色々と頼んでしまって」
「いえいえ、あ、師匠宛の手紙を預かって来ました」
「わたし宛の手紙ですか?
これは…………シアさんからですね」
「シアさんってたしか……『レブリックの才女』様ですよね?」
「そうですよ」
師匠はレブリックの才女様からの手紙を読むと立ち上がった。
「リリ、私は少し出掛けて来るので店番をお願いします」
師匠はフットワークが軽い。
いきなり何処かに出かけるのはよくある事だ。
「何処に行くんですか?」
師匠はニヤリと笑うとその黒い瞳と同じ漆黒のローブを羽織る。
「東方の島国、『リュウガ王国』です」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日、サイドストーリーを更新しています。
門でのチェックを受け、町に入った俺は早速冒険者ギルドへと向かった。
冒険者ギルドは向かって右に依頼書が貼られたクエストボードが有り、左にはギルドが経営する酒場が併設されていた。
俺は正面のカウンターに向った。
「いらっしゃいませ、本日はどう言った御用件でしょうか?」
「あ、あの、冒険者として登録したいのですが……」
「はい、冒険者登録ですね。
ではこちらの用紙にご記入をお願いします。
代筆は必要ですか?」
「いえ、大丈夫です」
俺は猫耳の受付嬢から受け取った用紙に名前や得意な武器などを記入して行く。
村長に怒られながら勉強したので、読み書き算術は一通りできる…………筈だ。
用紙には職業スキルを書き込む場所も有るが、俺にはまだ職業スキルは無い。
その内、剣士のスキルを手に入れたいと思っている。
俺は書き終えた用紙を受付嬢に手渡した。
受付嬢は受け取った用紙にを何やらマジックアイテムで弄ったあと、白紙のカードを手渡してくれた。
「このカードに血を一滴つけて下さい」
「はい」
俺は一緒に渡された針で指先を突き血をカードに垂らした。
すると血はすぐに染み込んで消え、俺の名前やギルドランクが浮かび上がって来た。
「これで今日からエリオさんも冒険者です。
こちらの冊子にギルドの規則が書かれていますので目を通して置いて下さい」
「はい、ありがとうございます」
俺はとうとう憧れの冒険者になった。
これから活躍して俺の名が村まで届くくらい有名になってやる!
安宿に泊まった翌日、俺は早速冒険者ギルドで依頼書を見ていた。
村を出るときに貰った金は有るが早く自分で稼げるようになる必要がある。
Hランクの俺が受ける事が出来る依頼はHランクとGランクだ。
Gランクのゴブリン討伐を受けたいところだが、村のみんなに『調子に乗らずに堅実に』と耳にタコができるくらい聞かされた。
ここはHランクの依頼を受けてみる事にした。
近くの村への手紙の配達だ。
目的の村はこの町から半日も掛からない距離にある。
今から出れば夜には帰って来れるだろう。
特に魔物に襲われる事もなく目的の村が見えて来た。
「ん、この村に何か用か?」
村の前に立っていた男に話し掛けられた。
腰にショートソードを提げた男には右腕が無かった。
田舎の村によく居る、怪我をして引退した元兵士や元冒険者と言った感じの門番だ。
「はい、ギルドの依頼で手紙を届けに来ました」
「そうか、一応、ギルドカードを見せてくれ」
「あ、はい」
俺は作ったばかりのギルドカードを門番に見せる。
「確かに、では村長のところに案内しよう。
手紙は村長に預ければ村人に配ってくれる」
「はい」
俺は門番の男について村の中に入って行く。
そして、村長に手紙を渡し、依頼完了の書類にサインを貰っていた時だった。
村人が1人、村長の家に飛び込んで来た。
「村長!大変だ!」
「どうした、何かあったのか?」
「畑で仕事をしていた娘達が3人、ゴブリンに攫われたんだ!」
「な、なんじゃと!」
手紙を届けに来ただけなのに大変な事が起きた。
俺が戸惑っていると門番の男が名乗りを上げる。
「村長、俺が助けに向かう!」
「しかし、お主1人では……」
その時、俺は決心した。
「村長さん、俺も行きます!」
俺の言葉に門番の男が忠告する。
「これは依頼じゃ無い、お前には関係の無い事だぞ?」
「それでもここで見ないフリをしたら俺の憧れた冒険者の様にはなれない」
「……………分かった。
ただし、俺が無理だと判断したらすぐに引き返すんだぞ?」
「分かった、俺はエリオよろしく」
「俺はアルザックだ」
俺とアルザックさんは拐われた村人を救出する為森に向かうのだった。
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「納品をお願いします」
「はい、いつもありがとうございます」
私はいつもの様には商業ギルドで納品を済ませると代金を受け取る。
そのまま立ち去ろうとした私は、商業ギルドの職員に呼び止められた。
「これ、あなたの師匠に手紙が届いているわよ」
私は師匠宛の手紙を預かると、今度こそ商業ギルドを後にした。
いくつかのお使いを済ませ、私と師匠が暮らすお店に戻る。
「ただいま~」
「ん?ああ、リリでしたか、お帰りなさい。
すみませんね、色々と頼んでしまって」
「いえいえ、あ、師匠宛の手紙を預かって来ました」
「わたし宛の手紙ですか?
これは…………シアさんからですね」
「シアさんってたしか……『レブリックの才女』様ですよね?」
「そうですよ」
師匠はレブリックの才女様からの手紙を読むと立ち上がった。
「リリ、私は少し出掛けて来るので店番をお願いします」
師匠はフットワークが軽い。
いきなり何処かに出かけるのはよくある事だ。
「何処に行くんですか?」
師匠はニヤリと笑うとその黒い瞳と同じ漆黒のローブを羽織る。
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