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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》
181話 届け物とわたし
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こうしてわたしは、お店を開く事に成りました。
そして、この建物を購入してから2ヵ月、職人さんに頼んでいた改装工事が終了しました。
あとは商品を陳列し商業ギルドの審査を受け、書類が受理されれば開店です。
わたしのお店は冒険者などにポーションを売ったり病人に薬を調合するお店です。
一応、個人を相手にしたお店なのでポーションなどの買い占めは禁止しています。
そう言った取り引きは商業ギルドを通して依頼が来る事になっています。
わたしは改装が終わった店内を見た後、奥の居住区を見に行きます。
2つあった倉庫の1つを潰し、お風呂を作りました。
シャワー付きで妥協は有りません。
完璧です。
2階は4つあった部屋の内2つの部屋の壁をぶち抜き大きな一部屋にしました。
そう!
わたしの自室です。
なんと言う事でしょう。
狭いかった部屋は匠の手によって大きく広々とした部屋に生まれ変わりました。
大陸を巡ってお気に入りの家具を集める予定です。
店舗スペースに戻って壁に設置して貰った大きな棚にポーションや作り置きの薬の類、薬の材料になる素材などを並べてみます。
なかなか良いですね。
棚の余ったスペースに安らぎの水晶を設置し起動します。
これで店内は常に過ごしやすい気温と湿度が保たれる居心地の良い空間に成ります。
また、棚の右端に大きく開いたスペースが有ります。
わたしはそのスペースに帝国でシグナム様から貰った精霊の加護とやらを宿したよく分からないお守り『平穏なる箱庭』という銘の装飾用の斧を飾ってみました。
悪くないですね。
店内は綺麗になって来ましたがもう少しこう……なんと言いますか……怪しい雰囲気が欲しいですね。
……
…………
………………お!
閃きました。
この棚の辺りから少し蔦とかを生やして見たらどうでしょう。
意味はないですがオシャレです。
わたしは棚に手を添えると魔法を詠唱します。
植物操作の魔法です。
とても応用範囲が広く便利な魔法です。
「生い茂る 緑の子らよ 我が意のま……へくちっ!」
今日は朝からバタバタとしていましたからね。
多少埃が舞っていても仕方がありません。
ただ問題はくしゃみをしたせいで少し魔力を込め過ぎました。
少し棚に蔦を絡ませる積りだったのですが、生えて来た蔦は急成長しカウンターにまで絡み付いて来たのです。
1度枯らせてやり直しても良いのですが……
「これはこれでオシャレですね」
そのままにしておく事にしました。
さて、これで店内は完成です。
後は商業ギルドの人に審査をして貰い、薬の取り扱い店として申請を出すだけです。
ただの小物屋などならここまで複雑な手続きなどはいらなかったのですが薬を取り扱うにはそれなりの基準があるそうです。
まぁ、それはそうですよね。
因みにわたしのお店で売るポーションの値段は普通のお店で売られているポーションの1.3倍から1.5倍くらいの値段です。
始めは材料もわたしが自分で集めていてほとんど原価が掛かっていないので普通のポーションと同じか少し安いくらいにしようとしたのですがメイさんに怒られました。
曰く、わたしのポーションは普通のお店で売られているポーションより遥かに高品質であり、そんな値段で売れば何人もの薬師や商人の職を奪う事になるそうです。
確かにその通りです。
わたしが安易でした。
その後、メイさんに相談しながらポーションや薬の値段を決めて、わたしのお店は高ランク冒険者を対象として、高品質なポーションを売る高級店と成ったのです。
「はい、確認しました。
ユウ様のお店は薬の取り扱い店としての基準をクリアしております」
「ありがとうございます」
「ではこれから申請を出しますのでしばらくお待ちください」
「どれくらいですか?」
「薬の取り扱いは王都にある商業ギルドに申請する必要があるので2、3ヵ月ほどですね」
な、なんですと!
まさかそんなに待たされるとは……
「ず、随分と時間が掛かりますね」
「書類は揃っているので、申請自体は数時間で出来るのですが、王都まで行って戻って来るのに時間が掛かってしまうのですよ。
ユウ様の様にサンダーバードで2、3日という訳には行きませんからね」
メイさんがこちらをチラチラと見ながら説明してくれます。
「………………分かりました。
わたしが王都の商業ギルドに行って直接申請して来ます」
「畏まりました。
所で王都に向かうユウ様に荷物の運搬を依頼したいのですが……」
わたしは数ヶ月前に滞在していた王都に向かう事に成りました。
メイさんに満面の笑みで渡された大量の届け物と共に……
そして、この建物を購入してから2ヵ月、職人さんに頼んでいた改装工事が終了しました。
あとは商品を陳列し商業ギルドの審査を受け、書類が受理されれば開店です。
わたしのお店は冒険者などにポーションを売ったり病人に薬を調合するお店です。
一応、個人を相手にしたお店なのでポーションなどの買い占めは禁止しています。
そう言った取り引きは商業ギルドを通して依頼が来る事になっています。
わたしは改装が終わった店内を見た後、奥の居住区を見に行きます。
2つあった倉庫の1つを潰し、お風呂を作りました。
シャワー付きで妥協は有りません。
完璧です。
2階は4つあった部屋の内2つの部屋の壁をぶち抜き大きな一部屋にしました。
そう!
わたしの自室です。
なんと言う事でしょう。
狭いかった部屋は匠の手によって大きく広々とした部屋に生まれ変わりました。
大陸を巡ってお気に入りの家具を集める予定です。
店舗スペースに戻って壁に設置して貰った大きな棚にポーションや作り置きの薬の類、薬の材料になる素材などを並べてみます。
なかなか良いですね。
棚の余ったスペースに安らぎの水晶を設置し起動します。
これで店内は常に過ごしやすい気温と湿度が保たれる居心地の良い空間に成ります。
また、棚の右端に大きく開いたスペースが有ります。
わたしはそのスペースに帝国でシグナム様から貰った精霊の加護とやらを宿したよく分からないお守り『平穏なる箱庭』という銘の装飾用の斧を飾ってみました。
悪くないですね。
店内は綺麗になって来ましたがもう少しこう……なんと言いますか……怪しい雰囲気が欲しいですね。
……
…………
………………お!
閃きました。
この棚の辺りから少し蔦とかを生やして見たらどうでしょう。
意味はないですがオシャレです。
わたしは棚に手を添えると魔法を詠唱します。
植物操作の魔法です。
とても応用範囲が広く便利な魔法です。
「生い茂る 緑の子らよ 我が意のま……へくちっ!」
今日は朝からバタバタとしていましたからね。
多少埃が舞っていても仕方がありません。
ただ問題はくしゃみをしたせいで少し魔力を込め過ぎました。
少し棚に蔦を絡ませる積りだったのですが、生えて来た蔦は急成長しカウンターにまで絡み付いて来たのです。
1度枯らせてやり直しても良いのですが……
「これはこれでオシャレですね」
そのままにしておく事にしました。
さて、これで店内は完成です。
後は商業ギルドの人に審査をして貰い、薬の取り扱い店として申請を出すだけです。
ただの小物屋などならここまで複雑な手続きなどはいらなかったのですが薬を取り扱うにはそれなりの基準があるそうです。
まぁ、それはそうですよね。
因みにわたしのお店で売るポーションの値段は普通のお店で売られているポーションの1.3倍から1.5倍くらいの値段です。
始めは材料もわたしが自分で集めていてほとんど原価が掛かっていないので普通のポーションと同じか少し安いくらいにしようとしたのですがメイさんに怒られました。
曰く、わたしのポーションは普通のお店で売られているポーションより遥かに高品質であり、そんな値段で売れば何人もの薬師や商人の職を奪う事になるそうです。
確かにその通りです。
わたしが安易でした。
その後、メイさんに相談しながらポーションや薬の値段を決めて、わたしのお店は高ランク冒険者を対象として、高品質なポーションを売る高級店と成ったのです。
「はい、確認しました。
ユウ様のお店は薬の取り扱い店としての基準をクリアしております」
「ありがとうございます」
「ではこれから申請を出しますのでしばらくお待ちください」
「どれくらいですか?」
「薬の取り扱いは王都にある商業ギルドに申請する必要があるので2、3ヵ月ほどですね」
な、なんですと!
まさかそんなに待たされるとは……
「ず、随分と時間が掛かりますね」
「書類は揃っているので、申請自体は数時間で出来るのですが、王都まで行って戻って来るのに時間が掛かってしまうのですよ。
ユウ様の様にサンダーバードで2、3日という訳には行きませんからね」
メイさんがこちらをチラチラと見ながら説明してくれます。
「………………分かりました。
わたしが王都の商業ギルドに行って直接申請して来ます」
「畏まりました。
所で王都に向かうユウ様に荷物の運搬を依頼したいのですが……」
わたしは数ヶ月前に滞在していた王都に向かう事に成りました。
メイさんに満面の笑みで渡された大量の届け物と共に……
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