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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

163話 図書館とわたし

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  朝、見慣れない天井が目に入って来た為、少し混乱したわたしですが、昨日Sクラスの皆さんと挨拶した後、教職員の寮に案内してもらったのでした。
  わたしの受け持つ授業は模擬戦と薬草学です。
  模擬戦はSクラスだけですが、薬草学は受講を希望する生徒、そして、時間のある教職員や王宮の薬師なども受講したいそうです。
  まぁ、人数が多くても少なくてもわたしがやる事は変わらないので構いません。
  わたしはいつものローブに着替えると部屋を出ました。
  階段を降りて1番手前の部屋に入ります。
  ここは教職員用の食堂です。
  
「おはようございます」

「あら、おはよう。
  お嬢ちゃんが新しく来たって言う先生かい?」

「はい、臨時教員のユウです。
  よろしくお願いします」

「あたしはマーサだよ。
  見ての通り、食堂のおばちゃんさ。
  よろしくね、ユウ先生」

  わたしはマーサさんから朝食を受け取ると空いている席に座りました。
  今日の朝食はパンとスープ、塩漬け肉の細切れが入ったスクランブルエッグです。
  シンプルですが美味しいです。
  教職員は講義がある日はここで朝と夜に食事を取ることが出来るそうです。
  昼は学院の食堂や外のお店で食べる人が多いと聞きました。
  わたしの授業は明日からです。
  今日は本来なら部屋の整理などに充てる時間なのでしょうが、わたしにはアイテムボックスが有るので特に整理する必要はないのです。
  なので、今日は図書館に行ってみようと思います。
  わたしの王者の瞳について何か分かるかも知れません。
  食べ終えた食器を片付け、マーサさんにお礼を言って食堂を出ます。
  外に出てしばらく歩きます。
  校庭では生徒達が的を狙って魔法を放ったり、木剣を打ち合ったりしています。
  しかし!広いです。
  流石、国が運営する学校です。
  そして、わたしの目の前に大きな建物が見えて来ました。
  ここが図書館ですか、早速中に入りましょう。
  図書館の入り口にある管理室で大体の場所を聞いたわたしは図書館の2階の一角を調べています。
  この辺りにはスキルに関する本が纏まっています。
  それにしてもとんでもなくデカイ図書館です。
  地上だけでもデカイのに地下は地上以上に広いそうです。
  2年前に事件があったそうで生徒が地下にはいるには教員の立会いが必要だそうです。
  わたしは問題ありません。
  教員ですからね。
  ところで地上はいいとして、地下にこんな巨大な空間をどうやって作ったのでしょうか?
  地下水道に続く隠し通路まであるそうですし、一体誰が作ったのか気になりますね。

「おお、見つけました」

  ここに来て速読術のスキルが光って来ました。
  1時間ほどで魔眼について書かれている本を見つけました。
  その中に王者の瞳に関する記述が有りました。

【王者の瞳】

  複数の魔眼の効果を併せ持つ上位魔眼

・威圧の魔眼
  視界に映る相手の疲労を倍加する。

・鼓舞の魔眼
  視界に映る相手に力を与える。

・魔視の魔眼
   視界に映る物体に込められた魔力を視認する。

・恐怖の魔眼
    視界に映る相手に恐怖心をあたえる。

  この他にも複数の力が秘められている可能性があるがこのスキルを習得する者は非常に稀である為、確証はない』

  なるほど、やはりバイコーンや盗賊に効果を及ぼしていたの王者の瞳のスキルでした。
  それに、辺境伯邸での模擬戦でアルさんがやけに疲弊していたのも王者の魔眼の所為だったようです。
  後は制御できる様になるだけです。
  まさか、1日で魔眼の事が分かるとは思っていませんでした。
  この図書館にはまだまだ読みたい本が沢山有りますし休みになったらここで本を読むのもいいですね。
  明日には模擬戦の授業が有るので今日は程々にしておかなければいけませんね。
  そう思った自制心溢れるわたしは、夜になり、管理人さんが帰るのでと言われるまで本を読み続けたのでした。











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