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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

150話 名前とわたし

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「きゃきゃ!」

「かわいい~」

「かぁ~い~ですね」

「ふふふ、ユーリアもユウ様もお茶が入りましたよ」

「はい、お母様」

「ありがとうございます、ミッシェル様」

  今日はわたしが帝国に行っている間に生まれた赤ちゃんの様子を見に来ました。
  一応、帝国から戻って翌日にミッシェル様と赤ちゃんの様子は見に来たのですが、生まれたばかりでバタバタしていたので、簡単に体調を見るだけにしていたのです。
  そして今日、辺境伯家も落ち着いたらしく、お茶に誘われたので、お呼ばれしました。
  ベビーベッドに眠る赤ちゃんを見ていたわたしとユーリア様はミッシェル様に呼ばれ、フレイド様とミッシェル様が座っているテーブルに向かいます。
  
「無事生まれて良かったですね、健康状態も母子共に異常無しですし」

「そうだな。
  ユウ殿が居ないのは少し不安だったが何とかなるものだ」

「嫌ですわ、フレイド様、私は既に2人も子供を産んでいるのですよ」

「ははは、そうだったな。
  悪かったよ、ミッシェル」

「そういえば名前はもう決められたのですか?」

「うむ、実はまだなんだ。
  色々と候補は上げているのだが、どれも目移りしてしまってな」

「そうですわ、ユウ様の御国の言葉で何か良い名前は有りませんか?」

「わたしの故郷の言葉ですか……どんな意味の言葉が良いのですか?」

「そうだな……何かこう……不自由の無い人生を歩んで欲しいな」

「う~ん…………では『サチ』と言う名前はどうですか?
  幸せとか幸運と言う意味です」

「おお、良いじゃないか! よし、この子の名前はサチ・フォン・ガストだ!」

「良い名前ですね」

「サチ、ユーリアお姉ちゃんですよ」

  話の流れで名前を付けてしまいました。
  わたしはかなり部外者だと思うのですがそんなにポンと名付けて良いのでしょうか?
  ……………………まぁ良いか。
  なんかフレイド様もミッシェル様もついでにユーリア様も喜んで居ますし、あとシルバさんは涙ぐんでいますし、今更何か言うのは少々無粋ですよね。

「ユウ殿」

  辺境伯家の皆さんが一通り盛り上がり終わるとフレイド様が急に真面目なトーンで声をかけて来ました。

「何でしょうか?」

「今日、ユウ殿に足を運んで貰ったのはサチの顔を見せる為だけでは無いんだ。
  実はユウ殿に依頼を受けて貰いたい」

「依頼ですか?
  また、どこぞの貴族が病気になったのですか?」

「いや、今回の依頼は国王陛下から頼まれてな」

「皇帝陛下の次は国王様ですか…………国王様も暗殺されそうになったのですか?」

「こらこら、縁起でも無い事を言うな。
  ユウ殿には私と国王陛下が学院時代からの友人だと言ったな」

「ええ、前にお聞きしました」

「その私と国王陛下が卒業した学院で半年程、臨時教員をして貰えないだろうか?」

  お? 異世界転移物のテンプレ、学校教師のフラグが立ちました。










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