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一部
066 ウォルスタ戦記外伝
しおりを挟むこの書はウォルスタ戦記の外伝。物語でいえばエピローグ的なものといわれている。
『無名戦士』が持っていた、ウォルスタを襲った竜巻や災害を呼ぶためのアーティファクトを奪い、メテオがそれを粉々に粉砕したとされている。
――アーティファクトをだ。
現代に伝えられている《粉砕/シャッター》の上位魔法があるとされ、この書の写本すべてが揃うとき、古の魔法がまたひとつ復活するだろう。
しかし、アーティファクトを粉砕できる魔法とはいえ、魔術師であればそのようなことはしない。否、できないであろう。それが呪われた魔法の品であったとしてもだ。
仮にわたしがこの手にアーティファクトを持ったとする。さらにそれを破壊できる力を有していたとしてもだ。
魔術師がアーティファクトを破壊するなど、とうてい思いつくものではない。
この一点において、メテオという魔術師がいかに異端かつ、アーティファクトすら歯牙にかけぬ実力を持っていたがかいま見れるといえよう。
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裏タイトルは『粉砕の呪文』。
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