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能力者と犯人
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「それではリヒャルド、リストの説明を頼む」
クラウス様の声にその場にいたメンバーはパラパラと纏められた紙を捲る。
「承知しました。それでは手元にあるリストが現在国内で確認されている能力者が一覧です。王族の方以外の能力については詳細に報告する義務があるので間違いはないと思われます。但し、自由能力者も多く存在していることも忘れてはなりません」
「わかった。取り敢えずこのリストを先に確認しよう」
「はい。それでは五ページを開いて下さい。ここからが精神系の能力者です」
私はお兄様の説明を聞きながら、能力者の一覧をパラパラと確認する。
「え? これだけ……」
お兄様の言う通り五ページ目を確認するとそこにはほんの数人の能力者情報しかなかったのだ。
「そうなんだ。精神系能力者は非常に少ないのが現状です。やはり物理系能力に比べると見劣りします」
しかも、その数人の能力も夢当てや運勢を見るなど占いと言っていいレベルばかりだった。
「この能力では相手に自分を忘れさせるようなことはできないじゃないか!」
「ベルナンド、落ち着け。元々精神系能力者は王族が多いんだ。但し、王族関連の能力者の情報は国家機密だ。私であっても見ることは出来ない」
「クラウス!!」
クラウス様は黙ったままずっと考え込んでいた。
「おい! クラウス!」
「あ、ああ、すまない。王族関連の能力者でそのような能力を持っているものは一人だけだ。但し、その方は絶対に犯人ではない」
「え?」
あまりきっぱりとしたクラウス様にその場にいた全員が目を向けた。
「少し、時間をくれないか? そうか。こんなに少なかったのか……」
何かにショック受けているようなクラウス様はそのまま執務机に肘をつくと肩を落として考え込んでしまった。
私はお兄様やベルナンド様と顔を見合わせると頷いて静かに部屋を出た。
バタン
扉が閉まると共にベルナンド様が話し出した。
「リヒャルド、クラウスはどうしたんだ?」
「まあ、最終的にはクラウス殿下から話があるだろうが犯人の能力者が王族に近いことにショックを受けているのだろう。絶対に犯人ではないということはかなりの高位貴族かもしれない」
「そうだな。王族関連とすると侯爵家以上か?」
「ああ、三代前までの王族との婚姻がなければまず精神系能力者は生まれないそうなんだ」
「そうなのか? 知らなかった」
「ああ、私もだ。グランデカール公爵家が王家と縁を結んだのは5代前だからな。最近だとグロスティ公爵家、ハイムクラウス侯爵家、そして、ローエンハイム侯爵家……か」
ローエンハイム侯爵家という名前に私はハッとして顔を上げた。それはカタリーナ様の家だからだ。
「もしや、カタリーナ様の家も?」
「ああ、精神系能力者がいてもおかしくはない。非公表だがね。確かカタリーナ嬢のお婆様が王室から降嫁した姫のはずだ。但し、丁度三代前だから確率は高くはない」
「現王族が陛下とクラウス殿下、後はファビアン王弟殿下、現グロスティ公爵夫人である陛下の姉君とその子息二名。ハイムクラウス侯爵は陛下の従兄弟が継いでいるはずだ」
お兄様の言葉にベルナンド様が頷いた。
「そうだな。ああ、だがファビアン王弟殿下は無能力を公表されているから除いていいはずだ」
「ああ、王族関連では無能力者は公開義務があるからね。アーデルハイドへの攻撃だとすると案外グロスティ公爵家の子息が怪しいのかもしれない」
「ふうむ。しかし、動機がないだろう」
ベルナンド様が唸るとお兄様が目を上げた。
「動機ならある!」
「え?」
「グロスティの兄弟がアーデルに横恋慕していたらどうするんだ! アーデルはこんなに可愛らしいのだ。クラウス殿下に取られたくないばかりにいっそのことと考えても不思議じゃない!」
「お兄様……」
兄馬鹿全開のお兄様に私は乾いた笑いしかなかった。グロスティ家の兄弟とは話したことさえない。流石にそんな人が私を殺すほどいれこむだろうか? いや、それはないだろう。
未だにグロスティ家の兄弟が如何に怪しいかと私が如何に素晴らしいかを熱弁しているお兄様に少し呆れてため息を吐いた。
「お兄様!」
「ん? どうしたんだい? アーデル。はっ! 何か心当たりでもあるのかい?」
「グロスティ家の方とはお話ししたこともありませんわ。それに私が絶世の美女のように話すのはおやめください。恥ずかしいです」
「そんな……。アーデルお前は自分を知らなすぎる。お前ほど素晴らしい子はいないんだよ」
私はお兄様の話を止めるためにも、もう一度あの事について聞いて見ることにした。
「お兄様、それよりも少しお聞きしたいことがありますの」
「ん? なんだい?」
「前にもお聞きして、そして、本当はお父様とお母様にお聞きしたかったことなんですが……聞けなくて」
「ん? なんのことだい?」
「あの日……お兄様はどちらにいらしたの?」
「あの……日?」
「ええ、私が大階段から落ちた日の事です」
「ああ、あの日だね。私はずっと会場にいたよ。まぁ父上と母上に付き合って用意されていた部屋と行ったり来たりだったが?」
私は前回とは打って変わってなんの動揺も見せずに淡々と答えるお兄様に逆に違和感を感じた。あんなに動揺していたのに何故今回はこんなにあっさりと答えてくれたのだろう?
「本当ですか?」
「ああ、どうしたんだい? 何かあったのかい?」
「いえ、ただ、お兄様が会場にいなかったという方がいたので…….」
「そうなのかい? きっと別室に行っている時のことだろうね。いやーーあの時は本当にびっくりしたよ。まさかお前が階段から落ちるなんて! 本当に黄泉がえって良かったよ」
「ん?」
「え?」
私とベルナンド様が目を合わせて首を傾げる。お兄様の言動がおかしすぎる。あれは事故ではないと知っているはずなのに、今は事故だとなんの疑いもないかのようなのだ。
「お兄様?」
「どうしたんだい? あの事故は本当に心臓が止まりそうだったよ。なぁベルナンド」
そのまま明るく事故当日を語り続けるお兄様に私とベルナンド様はただ黙って聞いているしかなかった。これが能力者の仕業なのかもしれない。記憶を操作する能力? そん馬鹿な能力があるのだろうか?
「まあ、兎に角今お前が元気で本当によかったよ。ベルナンド、アーデルを頼むよ。それじゃあ、私はこれから陛下への報告会があるんだ。失礼するよ」
そう言ってお兄様はそのまま去ってしまった。私はお兄様が去っていった方向を見つめたまま話しかける。
「ベルナンド様……。あれは一体?」
「能力者の仕業ですね。あの様子ではリヒャルド自身何も憶えていないかもしれない」
「そんなことが可能なの?」
「能力者であれば可能です。もしかしたらこの先私達も危ないかもしれません」
「どういうことですか?」
私は恐る恐るベルナンド様に視線を移す。
「明日には私ももしかしたら、お嬢様もあの日のことを忘れているかもしれません」
ベルナンド様の声が誰もいない廊下に響いたのだった。
クラウス様の声にその場にいたメンバーはパラパラと纏められた紙を捲る。
「承知しました。それでは手元にあるリストが現在国内で確認されている能力者が一覧です。王族の方以外の能力については詳細に報告する義務があるので間違いはないと思われます。但し、自由能力者も多く存在していることも忘れてはなりません」
「わかった。取り敢えずこのリストを先に確認しよう」
「はい。それでは五ページを開いて下さい。ここからが精神系の能力者です」
私はお兄様の説明を聞きながら、能力者の一覧をパラパラと確認する。
「え? これだけ……」
お兄様の言う通り五ページ目を確認するとそこにはほんの数人の能力者情報しかなかったのだ。
「そうなんだ。精神系能力者は非常に少ないのが現状です。やはり物理系能力に比べると見劣りします」
しかも、その数人の能力も夢当てや運勢を見るなど占いと言っていいレベルばかりだった。
「この能力では相手に自分を忘れさせるようなことはできないじゃないか!」
「ベルナンド、落ち着け。元々精神系能力者は王族が多いんだ。但し、王族関連の能力者の情報は国家機密だ。私であっても見ることは出来ない」
「クラウス!!」
クラウス様は黙ったままずっと考え込んでいた。
「おい! クラウス!」
「あ、ああ、すまない。王族関連の能力者でそのような能力を持っているものは一人だけだ。但し、その方は絶対に犯人ではない」
「え?」
あまりきっぱりとしたクラウス様にその場にいた全員が目を向けた。
「少し、時間をくれないか? そうか。こんなに少なかったのか……」
何かにショック受けているようなクラウス様はそのまま執務机に肘をつくと肩を落として考え込んでしまった。
私はお兄様やベルナンド様と顔を見合わせると頷いて静かに部屋を出た。
バタン
扉が閉まると共にベルナンド様が話し出した。
「リヒャルド、クラウスはどうしたんだ?」
「まあ、最終的にはクラウス殿下から話があるだろうが犯人の能力者が王族に近いことにショックを受けているのだろう。絶対に犯人ではないということはかなりの高位貴族かもしれない」
「そうだな。王族関連とすると侯爵家以上か?」
「ああ、三代前までの王族との婚姻がなければまず精神系能力者は生まれないそうなんだ」
「そうなのか? 知らなかった」
「ああ、私もだ。グランデカール公爵家が王家と縁を結んだのは5代前だからな。最近だとグロスティ公爵家、ハイムクラウス侯爵家、そして、ローエンハイム侯爵家……か」
ローエンハイム侯爵家という名前に私はハッとして顔を上げた。それはカタリーナ様の家だからだ。
「もしや、カタリーナ様の家も?」
「ああ、精神系能力者がいてもおかしくはない。非公表だがね。確かカタリーナ嬢のお婆様が王室から降嫁した姫のはずだ。但し、丁度三代前だから確率は高くはない」
「現王族が陛下とクラウス殿下、後はファビアン王弟殿下、現グロスティ公爵夫人である陛下の姉君とその子息二名。ハイムクラウス侯爵は陛下の従兄弟が継いでいるはずだ」
お兄様の言葉にベルナンド様が頷いた。
「そうだな。ああ、だがファビアン王弟殿下は無能力を公表されているから除いていいはずだ」
「ああ、王族関連では無能力者は公開義務があるからね。アーデルハイドへの攻撃だとすると案外グロスティ公爵家の子息が怪しいのかもしれない」
「ふうむ。しかし、動機がないだろう」
ベルナンド様が唸るとお兄様が目を上げた。
「動機ならある!」
「え?」
「グロスティの兄弟がアーデルに横恋慕していたらどうするんだ! アーデルはこんなに可愛らしいのだ。クラウス殿下に取られたくないばかりにいっそのことと考えても不思議じゃない!」
「お兄様……」
兄馬鹿全開のお兄様に私は乾いた笑いしかなかった。グロスティ家の兄弟とは話したことさえない。流石にそんな人が私を殺すほどいれこむだろうか? いや、それはないだろう。
未だにグロスティ家の兄弟が如何に怪しいかと私が如何に素晴らしいかを熱弁しているお兄様に少し呆れてため息を吐いた。
「お兄様!」
「ん? どうしたんだい? アーデル。はっ! 何か心当たりでもあるのかい?」
「グロスティ家の方とはお話ししたこともありませんわ。それに私が絶世の美女のように話すのはおやめください。恥ずかしいです」
「そんな……。アーデルお前は自分を知らなすぎる。お前ほど素晴らしい子はいないんだよ」
私はお兄様の話を止めるためにも、もう一度あの事について聞いて見ることにした。
「お兄様、それよりも少しお聞きしたいことがありますの」
「ん? なんだい?」
「前にもお聞きして、そして、本当はお父様とお母様にお聞きしたかったことなんですが……聞けなくて」
「ん? なんのことだい?」
「あの日……お兄様はどちらにいらしたの?」
「あの……日?」
「ええ、私が大階段から落ちた日の事です」
「ああ、あの日だね。私はずっと会場にいたよ。まぁ父上と母上に付き合って用意されていた部屋と行ったり来たりだったが?」
私は前回とは打って変わってなんの動揺も見せずに淡々と答えるお兄様に逆に違和感を感じた。あんなに動揺していたのに何故今回はこんなにあっさりと答えてくれたのだろう?
「本当ですか?」
「ああ、どうしたんだい? 何かあったのかい?」
「いえ、ただ、お兄様が会場にいなかったという方がいたので…….」
「そうなのかい? きっと別室に行っている時のことだろうね。いやーーあの時は本当にびっくりしたよ。まさかお前が階段から落ちるなんて! 本当に黄泉がえって良かったよ」
「ん?」
「え?」
私とベルナンド様が目を合わせて首を傾げる。お兄様の言動がおかしすぎる。あれは事故ではないと知っているはずなのに、今は事故だとなんの疑いもないかのようなのだ。
「お兄様?」
「どうしたんだい? あの事故は本当に心臓が止まりそうだったよ。なぁベルナンド」
そのまま明るく事故当日を語り続けるお兄様に私とベルナンド様はただ黙って聞いているしかなかった。これが能力者の仕業なのかもしれない。記憶を操作する能力? そん馬鹿な能力があるのだろうか?
「まあ、兎に角今お前が元気で本当によかったよ。ベルナンド、アーデルを頼むよ。それじゃあ、私はこれから陛下への報告会があるんだ。失礼するよ」
そう言ってお兄様はそのまま去ってしまった。私はお兄様が去っていった方向を見つめたまま話しかける。
「ベルナンド様……。あれは一体?」
「能力者の仕業ですね。あの様子ではリヒャルド自身何も憶えていないかもしれない」
「そんなことが可能なの?」
「能力者であれば可能です。もしかしたらこの先私達も危ないかもしれません」
「どういうことですか?」
私は恐る恐るベルナンド様に視線を移す。
「明日には私ももしかしたら、お嬢様もあの日のことを忘れているかもしれません」
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