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第四章 賢者の石
26 四者会談
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「霊媒師?それはなんだ?」
アカネとセイジはハロルドとクリスティーナを呼び出してまずはお祓いや霊媒師の存在について聞いてみた。
「うんとね。なんていうか、、。見えざるものが見えるとか死んだ人間と話ができるとか、悪い運勢を変えるとかそんな感じの人なんだけど。聞いたことある?」
アカネは、明後日の方を見て話すハロルドにこの四人で話すといつも変だよねと思った。
クリスティーナはアカネは見えるけどセイジは見えない。ハロルドはセイジは見えるけどアカネのことは見えないので視線があっちこっちに飛んでしまうのだ。
そして、いつものようにドアの前に立っているルーカスは話は聞こえないが姿は見える位置で不思議そうにその光景を見ていた。
婚約披露辺りからこの不思議な会談が何度か行われておりルーカスには王妃教育の一環としか知らされていなかった。
「そんな死んだ方とお話できるなんて不思議な方の話は聞いたことありませんわ。」
おっとりとクリスティーナが答えるとセイジはあんたもそうだよ!と小さく突っ込んだ。どうもセイジはこのクリスティーナのお嬢様テンポが上手く馴染まずいつもこうしてクリスティーナに突っ込みを入れるのだ。
「セイジ!
クリスティーナは殆ど引きこもりに近いから知らないとは思うんだけど、王子様はどう?
王様と一緒に使者とかに会うんでしょ?」
セイジの突っ込みに更に突っ込みを入れてアカネはハロルドに聞いた。
「まあな。俺も霊媒師という言葉は聞いた事はないが一つ気になる事は聞いたことがある。
悪魔祓いが出来る教会が隣国との国境近くにあるらしい。あの有名な王妃もよく援助していたらしく新年の挨拶には今でも必ず参内するぞ。」
「「それだー!!」」
二人でどんなに調べても出てこなかった情報にやはり王子だ!と手を取り合って喜んだ。
「なんだ?それがどうかしたのか?」
「あっ!こっちの話。ところでその教会の場所とから教えてもらえる?」
「ああ、まぁ構わないが。何かあるのならきちんと話してくれよ。」
「ハロルド、すまないな。ちゃんと裏が取れてからお前達にも話すからもう少しだけ待っていてもらえないか?」
「セイジがそう言うなら。」
その教会の事は後で資料をもらう事にしてアカネはクリスティーナに今のマリアについて尋ねた。
「ところでクリスティーナ、マリアはどんな感じなの?最近私も忙しくてあんまり貴女の側に居ないから良くわからないのよねぇ。」
アカネはクリスティーナからマリアが謝って仲直りした話は聞いたがその後の事は余り知らないのだ。
うっと言葉に詰まったクリスティーナに代わりハロルドが答える。
「アカネ、まぁそのクリスティーナはあの女に何というか付きまとわれているな。うん。」
「ええ?また嫌がらせされているの?」
「いや、嫌がらせではなくって。ん?あれは新手の嫌がらせなのか?よくわからないがクリスティーナを見つけては追いかけて親切の押し売りって感じだな。」
「親切の押し売り?」
「あっ、そうなんですの。決して嫌なことをされている訳ではないのですわ。わたくしが知らない事を教えて下さったり、町で流行っているお菓子をくださったり、良くして頂いているの。ただ、わたくしがまだ素直に受け取れないだけです、、、。」
クリスティーナは申し訳なさそうに言った。
セイジはそれを見て本当に悪役令嬢だったのか?と思ったがそれをいったらハロルドも俺様王子ではないのでしょうがないかと納得した。
「クリスティーナ、、嬢はなんでその親切が受け入れられないのですか?」
セイジはハロルドに睨まれて呼び捨てはやめて話しかけた。
「だって嫌がらせされてたけど謝られて許したんですよね?
それであちらは仲良くしようと親切にしてくる訳ですよね?
それなのに何故受け入れられないんですか?」
セイジは更に言い募る。
「そ、それは、、、、なんとなくなんです、、。」
「え?」
「本当に申し訳ないとは思っているんですが、マリア様とお話しすると落ち着かないというか、、不安になるというか、、駄目なんですの。逃げ出したくなるんです。
お兄様やハロルド様にも距離を取るように言われているからというのもあるとは思うのですが、会っているときは逃げる事ばかり考えてしまって、別れると悪い事をしてしまったと後悔するんですわ。嫌がらせされたからかとも思っているのですが、、なんとなく違う気がします。」
そんなクリスティーナを見ながらセイジはハロルドにも聞いた。
「ハロルド。お前はどうなんだ?」
「俺は、、そこまでの忌避感はない。
ないが気を許す事は出来ない。
これは感情と言うよりも信用の問題だが、、。また何かするかもしれないとルーカスからの報告で思っているだけと言えばそれだけだ。」
「なるほど、、。そのルーカスはなんと言ってるんだ?」
「色々調べてみるとあの女は無償で親切を提供するような性格ではないらしい。いつも何かしらの見返りを求めていたらしいので今回は異常だと、これから何かしら見返りを要求される可能性が高いとも言っている。」
「それはかなり理性的だな。じゃあ三人の中で感覚的に拒否反応を示しているのはクリスティーナ、、嬢だけということか?」
「そうだな。」
「クリスティーナ、、嬢。よく思い出して欲しいんだ。マリアの何が君に逃げろと告げているのかを。」
セイジの言葉を聞いてクリスティーナは目を閉じて考え始めた。
暫く考えるとポンと手を叩いて言ったのだ。
「わかりましたわ!!たまに本当に極たまになんですがマリア様が二重に見えるんです!
影のようなんですが影にしてはぴったりと張り付いているようで、、怖いんです。そうですわ。
それがわたくしとても怖いんです!
嫌がらせされていた時のマリア様には感じなかった怖さですの!」
「「爆弾幽霊だな(ね)!」」
アカネとセイジは目を見合わせた。
やはりアイリーンはあの王妃と同じ性質を受け継いでいると頷くと更に言い募る。
「クリスティーナ!その影から何か感じなかったか?言葉とか話してなかったか?」
「おい、セイジ呼び捨てはや、、。」
「黙っててくれ。大事な話なんだ。どうだ?クリスティーナ!」
ハロルドを抑えてセイジはクリスティーナに詰め寄る。もちろんクリスティーナには見えないのでまだ少し遠くを見ながら再度考える。
「すみません。セイジ様。わたくし、マリア様といると逃げる事ばかり考えてしまって、、、他の事に気を止める余裕はないんですの。」
クリスティーナの様子に少し冷静になったセイジは姿勢を元に戻して答えた。
「いや。俺の方こそすまなかった。」
「でも、どうしてそんなに気になさるんですか?」
「セイジ、少しは話さないと二人とも腑に落ちないよ。」
ひとり納得しているセイジにアカネが口を挟んだ。
「そうだな。すまないな。二人とも。未確認の情報ばかりでなんとも言えないんだが大枠だけでよければ話すがいいだろうか?」
「ああ」
「わかりました。」
そうしてセイジは百年前の王妃と賢者の石の関係とそれを狙っているであろう爆弾幽霊の推測される行動についてを話した。
「、、というわけで多分爆弾幽霊は賢者の石を狙ってるからそれを手に入れる可能性が一番高いクリスティーナもしくはハロルドの近くにいるはずなんだ。」
ハロルドはその事に疑問を呈した。
「だか賢者の石には伝承にあるような願いを叶える力はないのだろう?それなら爆弾幽霊も興味を失うんじゃないか?」
「そうだ。そうなるともう爆弾幽霊を探し出すのは不可能だ。あいつは人から人に乗り移りながら行動しているからな。
きっと何処かでまた悪さするだろうとしか言えない。
だがもしマリアに付いている影が爆弾幽霊だとすると未だにそいつは賢者の石を信じてるってことだ。
そして、賢者の石が俺の推測通りならそのまま信じさせて賢者の石にそいつを近づければ悪魔祓いの効果で消滅もしくは追い払うことは出来るんじゃないかと踏んでいる。」
「「「成る程!」」」
神妙に頷く三人を見てセイジは思わず叫んだ。
「アカネも今わかったのかよ!!」
「ごめーん。」
アカネの明るい声にその場の雰囲気も和んだのだった。
その後はクリスティーナは今まで通りにマリアと接する事とハロルドと一緒に賢者の石を取り出してみることを約束した。
アカネは国境の教会で本来の賢者の石の役割の確認を行う事になった。
こうして四人となった賢者の石探しは佳境を迎えていた。
アカネとセイジはハロルドとクリスティーナを呼び出してまずはお祓いや霊媒師の存在について聞いてみた。
「うんとね。なんていうか、、。見えざるものが見えるとか死んだ人間と話ができるとか、悪い運勢を変えるとかそんな感じの人なんだけど。聞いたことある?」
アカネは、明後日の方を見て話すハロルドにこの四人で話すといつも変だよねと思った。
クリスティーナはアカネは見えるけどセイジは見えない。ハロルドはセイジは見えるけどアカネのことは見えないので視線があっちこっちに飛んでしまうのだ。
そして、いつものようにドアの前に立っているルーカスは話は聞こえないが姿は見える位置で不思議そうにその光景を見ていた。
婚約披露辺りからこの不思議な会談が何度か行われておりルーカスには王妃教育の一環としか知らされていなかった。
「そんな死んだ方とお話できるなんて不思議な方の話は聞いたことありませんわ。」
おっとりとクリスティーナが答えるとセイジはあんたもそうだよ!と小さく突っ込んだ。どうもセイジはこのクリスティーナのお嬢様テンポが上手く馴染まずいつもこうしてクリスティーナに突っ込みを入れるのだ。
「セイジ!
クリスティーナは殆ど引きこもりに近いから知らないとは思うんだけど、王子様はどう?
王様と一緒に使者とかに会うんでしょ?」
セイジの突っ込みに更に突っ込みを入れてアカネはハロルドに聞いた。
「まあな。俺も霊媒師という言葉は聞いた事はないが一つ気になる事は聞いたことがある。
悪魔祓いが出来る教会が隣国との国境近くにあるらしい。あの有名な王妃もよく援助していたらしく新年の挨拶には今でも必ず参内するぞ。」
「「それだー!!」」
二人でどんなに調べても出てこなかった情報にやはり王子だ!と手を取り合って喜んだ。
「なんだ?それがどうかしたのか?」
「あっ!こっちの話。ところでその教会の場所とから教えてもらえる?」
「ああ、まぁ構わないが。何かあるのならきちんと話してくれよ。」
「ハロルド、すまないな。ちゃんと裏が取れてからお前達にも話すからもう少しだけ待っていてもらえないか?」
「セイジがそう言うなら。」
その教会の事は後で資料をもらう事にしてアカネはクリスティーナに今のマリアについて尋ねた。
「ところでクリスティーナ、マリアはどんな感じなの?最近私も忙しくてあんまり貴女の側に居ないから良くわからないのよねぇ。」
アカネはクリスティーナからマリアが謝って仲直りした話は聞いたがその後の事は余り知らないのだ。
うっと言葉に詰まったクリスティーナに代わりハロルドが答える。
「アカネ、まぁそのクリスティーナはあの女に何というか付きまとわれているな。うん。」
「ええ?また嫌がらせされているの?」
「いや、嫌がらせではなくって。ん?あれは新手の嫌がらせなのか?よくわからないがクリスティーナを見つけては追いかけて親切の押し売りって感じだな。」
「親切の押し売り?」
「あっ、そうなんですの。決して嫌なことをされている訳ではないのですわ。わたくしが知らない事を教えて下さったり、町で流行っているお菓子をくださったり、良くして頂いているの。ただ、わたくしがまだ素直に受け取れないだけです、、、。」
クリスティーナは申し訳なさそうに言った。
セイジはそれを見て本当に悪役令嬢だったのか?と思ったがそれをいったらハロルドも俺様王子ではないのでしょうがないかと納得した。
「クリスティーナ、、嬢はなんでその親切が受け入れられないのですか?」
セイジはハロルドに睨まれて呼び捨てはやめて話しかけた。
「だって嫌がらせされてたけど謝られて許したんですよね?
それであちらは仲良くしようと親切にしてくる訳ですよね?
それなのに何故受け入れられないんですか?」
セイジは更に言い募る。
「そ、それは、、、、なんとなくなんです、、。」
「え?」
「本当に申し訳ないとは思っているんですが、マリア様とお話しすると落ち着かないというか、、不安になるというか、、駄目なんですの。逃げ出したくなるんです。
お兄様やハロルド様にも距離を取るように言われているからというのもあるとは思うのですが、会っているときは逃げる事ばかり考えてしまって、別れると悪い事をしてしまったと後悔するんですわ。嫌がらせされたからかとも思っているのですが、、なんとなく違う気がします。」
そんなクリスティーナを見ながらセイジはハロルドにも聞いた。
「ハロルド。お前はどうなんだ?」
「俺は、、そこまでの忌避感はない。
ないが気を許す事は出来ない。
これは感情と言うよりも信用の問題だが、、。また何かするかもしれないとルーカスからの報告で思っているだけと言えばそれだけだ。」
「なるほど、、。そのルーカスはなんと言ってるんだ?」
「色々調べてみるとあの女は無償で親切を提供するような性格ではないらしい。いつも何かしらの見返りを求めていたらしいので今回は異常だと、これから何かしら見返りを要求される可能性が高いとも言っている。」
「それはかなり理性的だな。じゃあ三人の中で感覚的に拒否反応を示しているのはクリスティーナ、、嬢だけということか?」
「そうだな。」
「クリスティーナ、、嬢。よく思い出して欲しいんだ。マリアの何が君に逃げろと告げているのかを。」
セイジの言葉を聞いてクリスティーナは目を閉じて考え始めた。
暫く考えるとポンと手を叩いて言ったのだ。
「わかりましたわ!!たまに本当に極たまになんですがマリア様が二重に見えるんです!
影のようなんですが影にしてはぴったりと張り付いているようで、、怖いんです。そうですわ。
それがわたくしとても怖いんです!
嫌がらせされていた時のマリア様には感じなかった怖さですの!」
「「爆弾幽霊だな(ね)!」」
アカネとセイジは目を見合わせた。
やはりアイリーンはあの王妃と同じ性質を受け継いでいると頷くと更に言い募る。
「クリスティーナ!その影から何か感じなかったか?言葉とか話してなかったか?」
「おい、セイジ呼び捨てはや、、。」
「黙っててくれ。大事な話なんだ。どうだ?クリスティーナ!」
ハロルドを抑えてセイジはクリスティーナに詰め寄る。もちろんクリスティーナには見えないのでまだ少し遠くを見ながら再度考える。
「すみません。セイジ様。わたくし、マリア様といると逃げる事ばかり考えてしまって、、、他の事に気を止める余裕はないんですの。」
クリスティーナの様子に少し冷静になったセイジは姿勢を元に戻して答えた。
「いや。俺の方こそすまなかった。」
「でも、どうしてそんなに気になさるんですか?」
「セイジ、少しは話さないと二人とも腑に落ちないよ。」
ひとり納得しているセイジにアカネが口を挟んだ。
「そうだな。すまないな。二人とも。未確認の情報ばかりでなんとも言えないんだが大枠だけでよければ話すがいいだろうか?」
「ああ」
「わかりました。」
そうしてセイジは百年前の王妃と賢者の石の関係とそれを狙っているであろう爆弾幽霊の推測される行動についてを話した。
「、、というわけで多分爆弾幽霊は賢者の石を狙ってるからそれを手に入れる可能性が一番高いクリスティーナもしくはハロルドの近くにいるはずなんだ。」
ハロルドはその事に疑問を呈した。
「だか賢者の石には伝承にあるような願いを叶える力はないのだろう?それなら爆弾幽霊も興味を失うんじゃないか?」
「そうだ。そうなるともう爆弾幽霊を探し出すのは不可能だ。あいつは人から人に乗り移りながら行動しているからな。
きっと何処かでまた悪さするだろうとしか言えない。
だがもしマリアに付いている影が爆弾幽霊だとすると未だにそいつは賢者の石を信じてるってことだ。
そして、賢者の石が俺の推測通りならそのまま信じさせて賢者の石にそいつを近づければ悪魔祓いの効果で消滅もしくは追い払うことは出来るんじゃないかと踏んでいる。」
「「「成る程!」」」
神妙に頷く三人を見てセイジは思わず叫んだ。
「アカネも今わかったのかよ!!」
「ごめーん。」
アカネの明るい声にその場の雰囲気も和んだのだった。
その後はクリスティーナは今まで通りにマリアと接する事とハロルドと一緒に賢者の石を取り出してみることを約束した。
アカネは国境の教会で本来の賢者の石の役割の確認を行う事になった。
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