20 / 21
二章 誤解と秘密と、それと誤解
或る報告
しおりを挟む3.5
コードオレンジ解除。敵性は《地底》より逃走。以下、被害報告及び見識。
【人的被害】
死者0名、重傷者二名(いずれも教諭)、軽傷者三十四名(内、学生二十五名、一般人四名)。
【物的被害】
第一小隊室棟及びその近辺の半壊。オベリスクの部分崩壊。
それ以外には目立った物的被害報告は無し。
【見識】
魔女一人にこれだけの破壊を許すのは由々しき事態であり、防衛力の強化を急務とする。場合によっては、オベリスクの認証システムの抜本的改革の検討(詳しくは別個資料)。
各地で散見された犬のようなものは、魔術によって形成された無機物であると思われる。恐らく生体反応などは一切見受けられないものと思われるが、詳細は不明。『犬』自体も完全に消滅し捕獲不能な為、調査は不可能である。
今回の人的被害は大部分がこの『犬』によるものであり、ただし二名だけは魔女の直接攻撃によるものであるとの報告が入っている。
目立った人的被害が無いことについては魔女が何らかの配慮をしたと見られるが、その原因は不明。要調査。
魔女の撃退の一手となったのは取月隊であることが判明。彼等への褒賞は現在検討中。確定次第、速やかに表彰を実行すること。
以上を持って、中途簡易報告を終了する。最終報告への準備を進めること。
【追記】
一つ気になるのが、なぜ魔女がこうも易々と《地底》にザザザ! ザザザザザ!
ザザザザザガガガガガガガガガ! ガガガガガガガガザザザガガガガガガガ!
〈エラー! データ破損〉
ザザガガガガガガザザザガガガガガガガガガガガガガガガガガガガザザザザザザザガガガガガガガガガガガガザザザザザガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガザザザザザザザザザガガガガガガガガガガガガガザザザザザザザザザザザザザザガガガガガガガガガガガガガガガザザザザザザザザザガガガガガガガガガガガザザザザザザザザザザザザガガガガガガガガ!!!
〈追加書キ込ミデータニ危険性ノ確認・強制消去実行〉
〈バックアップ読ミ込ミ・及ビデータプロテクト開始〉
〈強制終了実行・再起動マデ約一八〇秒〉
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
エッチな方程式
放射朗
SF
燃料をぎりぎりしか積んでいない宇宙船で、密航者が見つかる。
密航者の分、総質量が重くなった船は加速が足りずにワープ領域に入れないから、密航者はただちに船外に追放することになっていた。
密航して見つかった主人公は、どうにかして助かる方法を探す。
自分の飯すら守れねえ奴が家族なんか作んなよ
日比谷ナオキ
SF
ハトの「僕」には、大親友のカラスが居た。とても仲が良くて、毎日一緒に遊んでいたけれど、ある日絶交してしまった。カラスが、僕の家にあるご飯を勝手に食べてしまったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる