果たして君はこの手紙を読んで何を思うだろう？

ティムの手紙 19

Dear フレッド

元気にしているかい。
何年も前線で騎士たちを診ていた僕にとって、今の療養期間は少し持て余すらしい。
動かないのは片腕だけなのだからと外に出るようにしているのだけど、この数年で発展した技術に触れていないと、こんなに取り残された気分になるとは思わなかったよ。

なんだい、遠くにいても声を届けられる魔道具ってのは。
どうやら前線で上層部が用いていたらしいけど、治癒局にはさっぱり降りてこなかったのだからね！
最近僕を先生と呼んで親しんでくださる御仁から譲り受けたのだけど、これがあの時もあれば今も君と声を交わしていられたかもしれないのにと思うことは間違ってないよな。
でもまぁ、君とはやっぱり手紙が相応しいと思う僕を前時代的だと笑わないでくれよ？
じゃあまた。

少しは読める文字になって来たと胸を張りたい友人 ティム