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孤児院の噂
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大量のパンを購入したノアはオルランドに手伝って貰いながらとある場所を目指した。
そこは、王都の外れにある大きな孤児院である。身寄りのない15歳までの子ども達がここで暮らしている。
「あ! ノア様だー!」
「えっ!? ノア様久しぶりー!」
「やぁ、久しぶりだね皆」
子どもたちはノアに気づくと一斉にこちらに寄ってきた。
「あれ? アル様じゃない?」
「誰この人―?」
「彼は、オルランド。俺の友達だよ」
「えー? 今日はアル様いないの?」
「じゃあ、ノア様とアル様が別れたって話ほんとだったんだー」
「え!? なんで皆知ってんの!?」
「結構うわさになってるよ。アル様が浮気したって……あれ、本当だったんだ」
「あんなに仲良しだったのにー」
「ねー、らぶらぶだったのにー」
(こんな王都の外れの孤児院の子どもたちにまで噂になって広がっているってなんかおかしくないか!?)
あまりにも早い噂の広まりにノアが目を白黒させていると、孤児院の長である顔馴染みの女性が出てきた。
「まぁ、ノア様! ようこそおいでくださいました」
「こんにちは。事前の連絡なく来てしまい、申し訳ございません。お昼を共にしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ええ、ええ。もちろんです。お連れ様もご一緒に中へどうぞ」
彼女の案内で中に入り、ついでにパウンドケーキとパンの渡すと子どもたちはみんな喜んでくれた。
「パンの耳、うさぎにあげてもいいー?」
「いいけど、まずは私たちの食事の用意からにしましょう。今日はお客様もいらっしゃいますから、皆テキパキ動いてね」
『はーい!』と元気よく返事をした子ども達によってあっという間に食事の用意が整い、ノアは子ども達と共にシチューとパンを食べた。オルランドも子ども達に囲まれて、質問攻めにあっている。その勢いに戸惑いながらも、質問にはすべて答えていた。シチューが終わり、ノアが持ってきたパウンドケーキが食卓に運ばれると歓声があがり、デザートを食べるのに夢中になった子ども達からオルランドはようやく解放されたのだった。
「ふぅ……子どもは元気いっぱいだな」
「ふふ、そうだね」
「ノアは子ども達との接し方が上手いけど、彼らとは旧知の仲なのかい?」
「うん。この国の孤児院は主に貴族の寄付によって運営されているんだけど、ここの孤児院は特に王室からの寄付金が多い場所なんだ。幼い頃からアルフレッド殿下とよく視察に来ていて、見知った顔の子が多いんだよ」
この孤児院では30人程の子どもたちが共同生活ををしている。15歳で卒業になるが、それまでに職を斡旋したり養子縁組を考えている家族に紹介しているのがこの施設だ。
入れ替わりが結構激しいので、知らない子もいるが、彼らもノアの名前は他の子ども達に聞いてたようでわざわざ挨拶しに来てくれた。ここの孤児院の教えが良いのだろう。子ども達はすくすくとまっすぐ成長している。
「アルフレッドも?」
「ああ見えて子ども好きなんだよ。多分、精神年齢が近いんだろうな」
本人が聞いていたらブチギレそうな話である。だが、子ども好きなのは確かで、ここに視察する時はいつも一緒に遊んであげていた。
「ノア様、本日はお越しいただきありがとうございました。おやつやパンまで戴いて……いつもありがとうございます」
施設長はそこまで告げた後、声を低くしてノアに囁く。
「本日、ノア様にお会い出来たのは幸いでした。ご相談したいことがあったんです」
「相談?」
「はい……アイシャのことで」
アイシャ。それはこの孤児院いる女の子の名前だった。顔も覚えている。そして、施設長の顔を見て、それがどういう相談なのか理解したノアは頷いた。
「……わかりました。私で良ければご相談に乗ります」
「ありがとうございます。では、奥の部屋に。お連れ様は……」
「彼は海外から留学でこの国にきた私の友人です。信頼が置ける人物なので問題ないかと」
「……わかりました。ではこちらへどうぞ」
暗に、『この国の貴族の者ではない』と告げると、施設長は納得した様子でオルランドとノアを奥の部屋へと案内した。
そこは、王都の外れにある大きな孤児院である。身寄りのない15歳までの子ども達がここで暮らしている。
「あ! ノア様だー!」
「えっ!? ノア様久しぶりー!」
「やぁ、久しぶりだね皆」
子どもたちはノアに気づくと一斉にこちらに寄ってきた。
「あれ? アル様じゃない?」
「誰この人―?」
「彼は、オルランド。俺の友達だよ」
「えー? 今日はアル様いないの?」
「じゃあ、ノア様とアル様が別れたって話ほんとだったんだー」
「え!? なんで皆知ってんの!?」
「結構うわさになってるよ。アル様が浮気したって……あれ、本当だったんだ」
「あんなに仲良しだったのにー」
「ねー、らぶらぶだったのにー」
(こんな王都の外れの孤児院の子どもたちにまで噂になって広がっているってなんかおかしくないか!?)
あまりにも早い噂の広まりにノアが目を白黒させていると、孤児院の長である顔馴染みの女性が出てきた。
「まぁ、ノア様! ようこそおいでくださいました」
「こんにちは。事前の連絡なく来てしまい、申し訳ございません。お昼を共にしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ええ、ええ。もちろんです。お連れ様もご一緒に中へどうぞ」
彼女の案内で中に入り、ついでにパウンドケーキとパンの渡すと子どもたちはみんな喜んでくれた。
「パンの耳、うさぎにあげてもいいー?」
「いいけど、まずは私たちの食事の用意からにしましょう。今日はお客様もいらっしゃいますから、皆テキパキ動いてね」
『はーい!』と元気よく返事をした子ども達によってあっという間に食事の用意が整い、ノアは子ども達と共にシチューとパンを食べた。オルランドも子ども達に囲まれて、質問攻めにあっている。その勢いに戸惑いながらも、質問にはすべて答えていた。シチューが終わり、ノアが持ってきたパウンドケーキが食卓に運ばれると歓声があがり、デザートを食べるのに夢中になった子ども達からオルランドはようやく解放されたのだった。
「ふぅ……子どもは元気いっぱいだな」
「ふふ、そうだね」
「ノアは子ども達との接し方が上手いけど、彼らとは旧知の仲なのかい?」
「うん。この国の孤児院は主に貴族の寄付によって運営されているんだけど、ここの孤児院は特に王室からの寄付金が多い場所なんだ。幼い頃からアルフレッド殿下とよく視察に来ていて、見知った顔の子が多いんだよ」
この孤児院では30人程の子どもたちが共同生活ををしている。15歳で卒業になるが、それまでに職を斡旋したり養子縁組を考えている家族に紹介しているのがこの施設だ。
入れ替わりが結構激しいので、知らない子もいるが、彼らもノアの名前は他の子ども達に聞いてたようでわざわざ挨拶しに来てくれた。ここの孤児院の教えが良いのだろう。子ども達はすくすくとまっすぐ成長している。
「アルフレッドも?」
「ああ見えて子ども好きなんだよ。多分、精神年齢が近いんだろうな」
本人が聞いていたらブチギレそうな話である。だが、子ども好きなのは確かで、ここに視察する時はいつも一緒に遊んであげていた。
「ノア様、本日はお越しいただきありがとうございました。おやつやパンまで戴いて……いつもありがとうございます」
施設長はそこまで告げた後、声を低くしてノアに囁く。
「本日、ノア様にお会い出来たのは幸いでした。ご相談したいことがあったんです」
「相談?」
「はい……アイシャのことで」
アイシャ。それはこの孤児院いる女の子の名前だった。顔も覚えている。そして、施設長の顔を見て、それがどういう相談なのか理解したノアは頷いた。
「……わかりました。私で良ければご相談に乗ります」
「ありがとうございます。では、奥の部屋に。お連れ様は……」
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