婚約破棄された悪役令息は隣国の王子に持ち帰りされる

kouta

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冒険者ギルド

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 ノアが待ち焦がれていた冒険者ギルドは大通りの目立つ場所に建てられていた。

「ここが冒険者ギルド!」

中は思ったよりも人が多く、ごった返していた。皆がノアよりも体格が大きく色々な種類の武器を装備している。

「これが掲示板! 共通語で書かれているんだ……報酬もこの国の貨幣かGが選べるんだぁ、すごい!! おぉー! 本当に建物の中に飲み屋がある!」

(すごいすごい! RPGの世界に来たみたいだ!)

子どものようにはしゃぐノアはとても目立っていた。

「誰だあいつ……」
「オルランドが誰かと一緒に居るなんて珍しいな」
「依頼人か? それにしても別嬪だな……って、今オルランドにめちゃくちゃ睨まれたんだが!?」

ざわざわと騒がしい周囲の声にさすがのノアも自分たちが目立っていることに気づいた。

「オルランドってもしかして有名人?」
「……まぁこの町に一年滞在しているし、こうみえて最上位ランクだしな」

(そうだった。この人S級冒険者だったわ……そりゃ注目集めるわな)

 自分の容姿も少なからず目立つ要因だということに、ノアだけが気づいていなかった。

「おおおお、オルランドさん!? もしかしてその方って……」
「やぁジェシカ。丁度良かった」

声をかけてきたのはギルドの受付にいた女性だった。赤毛のポニーテールの彼女はオルランドとノアを指さして愕然としている。

「紹介するよノア。彼女はジェシカ。このギルドの受付をしている。ギルドでわからないことは彼女に聞けばいい」
「初めましてノアです」
「あ、これはご丁寧にどうも。ジェシカです……ってのんきに挨拶している場合じゃないっ!! ああーー! もう! オルランドさんは、礼儀正しくて話が通じる上に、むさくるしくなくてイケメンっていう超激レア物件だったのにぃーー! どーしてくれるんですか!?」
「え、えーっと……?」

(なんかこの人、圧が凄い……)

「こら。ノアが引いているだろう……ノア、彼女は偶にああいう状態になるが、悪い子ではないから……」
「あーぁ。私も今年で25歳。同期は皆彼氏持ちか結婚としているというのに……いえ、まだ諦めるのは早いわジェシカ! 二人の関係を聞いてからでも遅くはない!」
「言っておくが、俺はもうノアにプロポーズ済みだ」
「ダメだったーーー!!」

(うん……とりあえず、テンションが高い人なのは伝わった)


 オルランドを狙っていたらしいジェシカが立ち直るのに3分程時間を要した。

「ごほんっ……先ほどは取り乱して失礼致しました。ようこそ冒険者ギルドへ! 冒険者の登録はされますか?」
「はいっ!」

ノアは前のめりで即答した。瞳をキラキラさせるノアに対して、オルランドの顔は渋い。

「……登録するのか?」
「はい、勿論です! なんで見学だけだと思ったんですか?」

無言で見つめあう二人を見てジェシカがノアに助け船をだす。

「大丈夫ですよオルランドさん。知っているとは思いますが、最初の方は危険な仕事はそもそも受けられませんし」
「そうなの?」
「ノアさんはギルドについてあまりご存じではないようですね。では詳しくご説明しますね」
「お願いします!」

「冒険者ギルドはランク制になっています。一番下はH級、一番上はS級です。依頼を達成するとその成果によってランクポイントが溜まり、自動的に上のランクに昇格出来ます。ですが、Dに昇格する時のみ、実力試験を受けてもらいます。これは、依頼にもランクがあり、難易度が高かったり、危険度が高い依頼は主にDランク以上になるからです。受けられる依頼は自分のランクと同じがその一個上、一個下のランクしか受けるが出来ません」
「そうなんですか? 上はともかく、下のランクも一個下までなんですね」
「ええ。上位の冒険者が、依頼を独占してしまうことがないように配慮されています」
「なるほど……」
「基本的にギルドに登録される際は、Hランクから……になるのですが、実はDランクの実力試験はいつでも受けられます。つまり、極端な話、本日登録して試験をすぐに受けて合格出来れば、いきなりDランクからスタートすることが可能なのです」
「ほほぅ」

(なるほど。飛び級でスタートダッシュを決めることも出来るのか)

「ふふっ、実力試験、受けられますか?」
「お願いしま」
「ダメに決まっているだろう」

ノアの言葉はオルランドに遮られてしまった。

「えー?」
「Dランク以上は魔物討伐が主になってくる! ノアにそんな危険なことはさせられない」

(むぅ……俺の〇ンダムが魔物に通じるのか見極めるチャンスだったのに)

「Hランクからにしなさい。Hランクなら薬草取りとか……魔物討伐でもスライムぐらいだから」
「はぁーい……」

「では、H級冒険者としての登録と言うことでよろしいでしょうか」

ノアは渋々頷いた。

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